●深夜に猛烈な雨を観測 記録的短時間大雨情報も発表
●土砂災害、河川の増水や氾濫に厳重警戒しばらく続く
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山口県は、深夜に猛烈な雨が降り、土砂災害や河川の増水・氾濫、低い土地への浸水の危険度が急激に高まりました。
下関市では、午前1時台に、菊川付近と下関付近でいずれもレーダーによる解析でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ気象庁は記録的短時間大雨情報を相次いで発表しました。また、地上の雨量計でも、下関では1時間雨量としては観測史上最大となる、85.5ミリの猛烈な雨を、午前1時37分までの1時間で観測したほか、1時間60ミリ以上の非常に激しい雨を観測した所もありました。
また、きのう10日(水)の降り始めからの雨量は、多い所で200ミリを超え、その大半が夜間でまとまって降り、下関は3時間雨量、6時間雨量、12時間雨量でも、観測史上最大の記録になっています。
この極端な大雨により、急激に地盤が緩んで土砂災害が多発的に発生する危険が高まったことで、深夜0時過ぎから次々に土砂災害警戒情報が発表され、夜明けを迎えても継続しています。
また、河川水位も各地で急激に上昇しました。厚東川に氾濫危険情報が発表されているほか、洪水警報も広範囲に発表されています。
夜中の極端な大雨により、周囲の状況が一夜にして一変している所も多数あるとみられます。夜が明けて明るくなってから外の様子を見に行く際なども、周囲の状況にはくれぐれも十分気を付けて、少しでも危険を感じたら足を踏み入れない等、災害のリスクから離れて過ごす心がけを、引き続き高めてお過ごしください。
また、活発な雨雲の通り道は、夜明けの頃になると徐々に南下し、県内より南へと移ってきていますが、まだ、午前中は瀬戸内側を中心に度々やや激しい雨を降らせる雨雲が流れ込む見込みで、この雨が新たな災害の引き金になるおそれもあります。
午後は雨は止み、おおむね曇り空で経過する見込みですが、地盤の緩みや河川の水位の上昇した状態などは雨が止んでも当面は続く、とみられます。
少なくとも、きょう11日(木)昼前にかけては、土砂災害、河川の増水や氾濫に厳重に警戒し、その後も当面の間は、引き続き安全最優先の心構えの継続をお願いします。
あす12日(金)から、週末からの3連休にかけても、時折、小康状態は挟みつつも度々まとまった雨が強弱を繰り返しながら降り続く見込みで、連日の積み重なった雨によって、災害の危険度の高い状態が続く心配もあります。
一方で、来週中頃になると太平洋高気圧が強まって、夏空拡大の兆しがあります。
(KRY山口放送 気象予報士 秋山幸輝)