戦時中に水没事故が起きた宇部市の旧長生炭鉱―。今も183人の犠牲者の遺骨が海底に残されたままです。
その遺骨を収集することが可能かどうかを調べる潜水調査が、31日行われました。
この調査は、水中洞窟などの閉鎖環境を専門にしているダイバーの伊左治佳孝さんが、遺骨収集を目指す市民団体に申し出て実現したものです。
7月25日にも試みましたが悪天候のため中止となり、31日午前5時から調査を再開しました。
潜水調査が行われるのは27年ぶりのことで、前回は、満足な結果が得られていません。
今回も海面に突き出た排気口=「竪坑」から侵入を始めました。
竪坑は、垂直方向に28メートルあり、その下は、水平に伸びる「本坑道」につながっています。
今回は、本坑道まで潜り中の様子を探ることが目的でしたが、竪坑の底には金属の棒のようなモノが積み重なっていて、残念ながら本坑道に入ることはできませんでした。
(伊左治さん)
「結構濁っていて、一番下にパイプみたいなものが折り重なっていたので、今回は通れなかった。引揚げができるもの(金属棒)が多かったので、引き揚げれば通れる可能性がある」
市民団体では、今後、竪坑の底にある障害物を取り除くなどして本坑道を調査し、いずれは遺骨収集を実現させたいとしています。
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