JR貨物は、貨物列車の組み立て作業で検査データの改ざんなどの不正が判明したと発表しました。
不正は7月にJR新山口駅でおきた貨物列車の脱線事故の調査過程で見つかったということです。
JR貨物によりますと、不正が明らかになったのは、北海道、神奈川県、広島県にある3つの車両所です。
車輪などを車軸にはめて「輪軸」を組み立てる作業で押し込む際の圧力が基準を超えていたにも関わらず、検査記録表には、基準値に収まる数値に書き換えて記入するなどしていたということです。
不正が確認された車両は貨車560両と機関車4両に上っています。
圧力が基準を超えると車軸に傷が付き、使用を続けると金属疲労の進行が速まって最悪の場合、車軸が折れる可能性があるということです。
JR貨物はきょう(11日)午前から順次、保有する全ての列車の運用を停止させて、検査を行っていて、安全が確認ができれば、再開をするとしています。
この不正はことし7月にJR新山口駅構内で発生した貨物列車の脱線事故の原因を調査していたところ、社員が不正を申告したことで発覚していて、脱線した車両にも不正が行われた輪軸が使用されていたということです。
JR貨物は不正と脱線事故の因果関係について、「運輸安全委員会が調査中のためコメントは差し控える」としています。
一方、国土交通省はこれを受け、全車両の輪軸の緊急点検などを指示をしたほか、きょうからJR貨物に対し立ち入り検査を行い、不正の事実関係や安全管理体制について調べています。
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