巨大な茶碗でお茶を回し飲む茶盛が6日、山口県美祢市のお寺で開かれました。
この茶盛、実はこの地で行われた歴史的な出来事にちなんだものなんです。
美祢市美東町の願成寺で開かれた茶盛に使われたのは直径40センチほどもある萩焼の茶碗です。
お茶をたてたのは山口大学茶道部の学生たち。
茶筅も茶碗に合わせてビッグサイズです。
一人ではなかなか持てない茶碗を参加者同士で支え合い、抹茶を回し飲みました。
(参加者は)「おいしかったです。力がいりました」「重量感が…」「おいしいです。私が点てたので」
かつてこの地は、後の明治維新につながる「大田・絵堂の戦い」の舞台となり、高杉晋作ら諸隊と藩政府軍が大規模な戦闘を行ったことから、この茶盛は、両軍の戦死者の供養の意味も込めて、初めて開かれました。
(南健司住職)「美祢を代表するような行事になっていったら嬉しいと思うし、大田絵堂の戦いの供養祭をみなさんに知って頂く 機会になっていくかなと。」
この茶盛のために茶碗をつくったのは、地元の陶芸家・時松泰礼さん。
実は、現在、さらに一回り大きな茶碗を制作中です。
ろくろで成型した後は、乾燥させながら手びねりで少しずつ高さを増していきます。
(時松さん)「普通の飯碗でこのサイズやから。 でかいわな。」
この茶盛は新たな茶碗も加えて来年春、再び開かれる予定です。
この地で行われたという大田絵堂の戦い…あまり知られていませんが、この戦いに高杉晋作らが敗れていたら明治維新はなかったかもしれないというもの。改めて注目が集まるかもしれません。
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