高松市の路上で上司をナイフで刺して殺そうとした罪などに問われている男の裁判員裁判で、高松地方裁判所は懲役9年の判決を言い渡しました。
殺人未遂や業務上横領などの罪で判決を受けたのはさぬき市志度の元会社員の男（51）です。
判決によりますと男は2023年7月、高松市の路上で、当時、勤めていた会社の上司の男性を殺害しようとゴルフクラブで首を殴った上、果物ナイフで胸を刺しました。男性は全治3カ月のけがをしました。
弁護側はこれまで「もみ合いの中でナイフが刺さってしまっただけで意図的に刺してはいない」として傷害罪にとどまると主張していました。
5日の判決公判で高松地裁の深野英一裁判長は、「ナイフの刃元から破断していることなどから、相当に強い力で握られて突き刺された」「死ぬ危険性の高い行為であることは明らか」と指摘。
また、会社の労働組合などの口座からあわせて96万円あまりを横領していた罪についても「利欲的な犯行であり決して軽視できるものではない」として懲役9年の判決を言い渡しました。