広島への原爆投下直後に降ったいわゆる「黒い雨」を巡り、被爆者として認められなかった岡山市の女性が、被爆者健康手帳の交付などを求めて11月、岡山地裁に提訴しました。これを受けて、12月1日、訴訟を支援する団体が発足しました。
(「黒い雨」岡山訴訟弁護団/則武透 弁護士)
「岡山の地でこうした裁判を起こしたということは、Aさん(原告)の救済ということだけではなしに、今眠っている方々の救済、さらに言うと、日本や世界から核兵器をなくす運動を推進していくうえでも非常に重要な手段をいただいた」
結成総会には、被爆者団体の代表や医療関係者らに加えて一般の参加者も集まり、活動の内容や意義について理解を深めました。
広島への原爆投下直後に降ったいわゆる「黒い雨」を浴びたとする岡山市の女性(83)は肝臓の病気などを患い、2024年3月、岡山県知事に被爆者健康手帳の交付を申請しましたが、「当時いた場所に黒い雨が降ったことは確認できない」として却下されました。
女性は県の判断を不服として却下の処分取り消しと手帳の交付などを求め、11月、岡山地裁に提訴しました。
かつて新聞記者として広島で「黒い雨」の被害者を取材し、現在は被害者支援にも取り組んでいる小山美砂さんは、今回の訴訟の意義について……。
(「黒い雨」被害者を取材した元新聞記者/小山美砂さん)
「被爆地の外にも当然被爆者がいて、今も助けを求めている、困っている、生活を支えないといけないということを可視化してくださった」
「黒い雨」岡山訴訟を支援する会では、今後も支援者を募り、裁判の傍聴や啓発活動などに取り組むとしています。