オレオレ詐欺の被害が増えています。と言っても、突然の電話で「俺だよ俺」と息子や孫を名乗るオレオレ詐欺ではなく、警察官など捜査機関を名乗る手口が多くなっています。
先日、KSBのスタッフのもとにも警察官を名乗る電話がかかってきました。相手の不安をあおり金をだまし取る、その卑劣な手口とは……。
(警視庁の警察官を名乗る人物)
「私、警視庁っていって、東京の警視庁の本庁なんですけど」
11月、KSBのスタッフのスマートフォンに実際にかかってきた電話です。声の主は自らを警視庁捜査二課のサイトウと名乗りました。
(警視庁の警察官を名乗る人物)
「詐欺グループの主犯格の"モリアキラ"という人物が逮捕されたと同時に、自宅から大量の銀行のカードが出てきましたと。その中の1枚が〇〇さんの名義で〇〇銀行のキャッシュカードが押収された」
男は、スタッフの名前や住んでいる自治体、口座を開設している銀行の名前まで知っていました。
(警視庁の警察官を名乗る人物)
「これ放っておいてしまいますと、資金洗浄の罪は成立する。そうなった場合、〇〇さん名義の財産が凍結されると同時に逮捕・起訴される場合がある」
その後「取り調べを行うため」と言って、LINEでのやり取りに誘導され、スタッフが断ると一方的に電話が切られました。
香川県警によると、もし、このあとLINEでやり取りすると「無実を証明するために現金を預かる」と持ち掛けられるといいます。
(香川県警 生活安全企画課/遠山敬久 調査官)
「例えば、被害者の口座内のお金に犯罪収益が紛れ込んでいると、お金全てを調査する必要があると、そのためには銀行の口座内にある全てのお金を指定する口座に移し替えなさいと」
親族や警察官や弁護士などの肩書きを名乗って金をだまし取る「オレオレ詐欺」。香川県では2024年に入って11月末までの認知件数は28件で、2023年の5件から急増しています。
しかも、28件のうち27件が警察官など捜査機関をかたる手口なんです。被害額は合わせて約4億円にのぼります。
(香川県警 生活安全企画課/遠山敬久 調査官)
「警察官であったり、検察官といった捜査機関を名乗ってだましていく手口が増えております」
また、決まり文句もあります。
(犯人)
「事件の詳細が他の人には絶対に言えないんですよ。絶対に他の人に話さないようにお願いします。絶対に他の人が入らないようにお願いします」
(香川県警 生活安全企画課/遠山敬久 調査官)
「相談をすれば情報漏洩になって、それで罪が膨らみますよとか、逮捕しますということで脅しをかけられます。(誰かに相談すれば)詐欺の手口がばれますのでそれを防ぐために脅しをかけてくる手口が多い」
香川県警は、警察が「LINEで取り調べすること」や「お金の移動を電話で指示すること」は絶対にないと注意を呼び掛けています。
また、香川大学のサイバーセキュリティセンターが開発したLINEを活用したオレオレ詐欺の疑似体験ツールなども活用してほしいとしています。