岡山市のバス路線再編について話し合う協議会が開かれました。初の「公設民営」の新路線を2025年4月に設けることや、10月に市中心部の運賃を値上げするとした市の案に事業者側が同意しました。
協議会には岡山市で路線バスを運行する事業者8社と大森市長らが出席しました。
(岡山市/大森雅夫 市長)
「紆余曲折あったものの、一つ一つ形になってきている」
これまでの協議会では需要などに応じて路線を「都心」「幹線」「支線」の3つに分け、バス停の整備費などを市が負担する「公設民営」方式で新たに17の支線を設ける方針を確認していました。
23日の協議会で、市はそのうち1つの運行を当初の予定より半年前倒し、2025年4月から始める案を示し、全ての事業者が同意しました。
初の「公設民営」路線はJR北長瀬駅とJR妹尾駅を結ぶものです。
(松木梨菜リポート)
「この区間の運行は、市内で循環バス『めぐりん』を運行する八晃運輸が担います」
この支線の運賃は現金払いで200円均一を想定していますが、(ICカード利用の場合180円)パブリックコメントの結果も踏まえて今後協議する方針です。
(八晃運輸/成石敏昭 社長)
「地域の住民の方、特に高齢の方の移動手段をいかに確保できるか、これが一番」
市は残る16の支線については、2025年10月以降に順次運行する計画です。
支線のシンボルマークと愛称について、12月27日からウェブ投票を実施して決定します。
また、市中心部の運賃について、事業者間の競争によって100円から120円区間が広がり各社の経営を圧迫しているとして、一律160円に引き上げる案にも同意しました。
この運賃の引き上げについては現時点で6社が賛同していて、その6社で「共同経営計画」を策定するなどの必要な手続きを行い、2025年10月の改定をめざします。
(岡山市/大森雅夫 市長)
「物価高騰の折、少しでも安いのが利用者にとって良いのは間違いないことだと思います。(しかし)公共交通を維持していくことでいくと一定の料金をお願いするのはやむを得ないのかなと」
岡山市によると再編により、乗り換えなしで病院に行けるバス路線の沿線人口は約5万人増えるとしています。
路線の再編やICカードシステムの利便性の向上、運転手の確保などに約30億円をかけて2028年まで取り組む計画です。