Infoseek 楽天

オリーブ新漬け後の廃液を簡単に「脱色」する方法を開発 時間・費用とも大幅カットに成功 香川県

KSB瀬戸内海放送 2025年1月10日 15時24分

 収穫したてのオリーブの実を使った「オリーブの新漬け」。浅漬けのフレッシュでジューシーな味わいが楽しめる、小豆島の秋の味覚です。香川県環境保健研究センターは、新漬けを製造する工程で発生する着色した廃水を、これまでの方法より安全、簡単かつ低コストで脱色する新しい方法を開発しました。

 オリーブの実を渋抜きするときに、「脱渋液」が出ます。液は濃い暗褐色をしていて見た目がよくないため、過炭酸ナトリウムなどの酸化剤で脱色してから廃水しています。しかしこの方法は薬品の取り扱いが難しく、脱色に1日かかるなど、改善が求められていました。
 県環境保健研究センターは、2022年から地元オリーブ企業の脱渋液をセンターに持ち込み、3年がかりで研究を行いました。そして脱渋液が空気に触れて色が着く過程で酵素の働きをブロックできないかと考えて試したところ、脱渋液にピロ亜硫酸ナトリウムとクエン酸を混ぜて脱色できることを突き止めました。

 この方法だと、1時間程度で脱色効果が得られ、取り扱いに注意が必要な薬品を使わないため安全で、さらに費用も従来の半分くらいで済むということです。
 県環境保健研究センターでは、新たな脱色方法を特許出願した上で、今後は関係団体などを通じて県内のオリーブ製造業者へ普及を図っていきたいとしています。

この記事の関連ニュース