音楽などの配信サービスだけでなく、コーヒーショップやファストフードまで、月額定額制の「サブスクリプション」が流行しているいま、クルマ業界で新たに始まったサブスクリプションサービスが「KINTO」です。日本有数の自動車会社であるトヨタがいち早く始めたこのサービスについて、カーシェアとの違いも交えつつご紹介します。
■KINTOとはどんなサービス?
「KINTO(キント)」とは、『必要なときにすぐ現れ、思いのままに移動できる、筋斗雲のように』というキャッチコピーのもと提供されている、トヨタ自動車が提供するクルマ版サブスクリプションサービスです。東京都内で先行サービスを開始していますが、具体的にどのようなサービスなのでしょうか。
KINTOはいわゆるカーレンタル、カーシェアサービスとは違います。クルマの見た目の違いは、「わ」ナンバーではないことです。つまり、あからさまにレンタカーではないため、自分のクルマとして乗っても違和感がないのです。
レンタカーともカーシェアとも違う新しいクルマの使い方、KINTOを始めた理由について、トヨタの広報関係者は以下のように話しています。
「好きなクルマを好きなだけ自由にたくさん、気軽に楽しみたいというお客様のニーズに応えるため。また、今後のクルマの消費スタイル変化に合わせるため、このサービスを始めました」
KINTOは、月額定額料金の中に車両代金・登録時の諸費用・利用期間中の自動車税・メンテナンス・任意保険など、クルマに必要なものがすべてパッケージになっており、自分であれこれ面倒な手続きをする必要がないのです。
加えて、税金や保険の支払い・車両のメンテナンスなど、クルマを維持していくのに必要なサービスもすべてパッケージになっていることから、レンタカーのようにいちいち保険に加入するかどうかの手続きなども必要ありません。
■KINTOに用意された選べる2つのプランはどんなもの?
KINTOのサービスには、気軽に始められる「KINTO ONE」と、クルマをとことん楽しみたい人向けの「KINTO SELECT」の2種類があります。サービスにはそれぞれ以下のような特徴があります。
■KINTO ONE
・トヨタの5車種のなかから選んで3年間楽しめるサービス
・月額4万9788円~(消費税込)
・車種は「プリウス」「カローラスポーツ」「クラウン」「ヴェルファイア」「アルファード」のなかから5車種から選べる
・3年間の契約期間終了後、クルマを返却しても、新しいクルマで再契約してもOK
■KINTO SELECT
・レクサスの6車種のなかから6ヶ月ごとに好きなクルマを選び、3年間楽しめるサービス
・月額19万4400円~(消費税込)
・車種は「RX450h version L」「ES300h version L」「RC300h F SPORT」「NX300h F SPORT」「IS300h F SPORT」「UX250h F SPORT」の6車種から選べる
※KINTO SELECTは、都内のレクサス販売店(一部除く)にて車両受け取り・返却ができる方のみが対象
※ ※ ※
ご覧の通り、KINTO ONEの方がお値段がずっとリーズナブルです。新車でプリウスを購入しようとすると、最も安いものでも250万円以上しますから、月々5万円のローンを組んだとしても支払い終えるのに約4年かかる計算になります。KINTOであれば、これが3年で済むというわけです。
また、クルマを実際に購入する場合は登録時の費用や自動車税、任意保険などの諸費用もかかってきます。こうした諸費用もすべて月額利用料の中に含まれていますから、KINTOは「クルマが欲しいけれど購入するか迷っている」という人でも手軽に始めやすいのです。
KINTO SELECTの場合でもおトク感は同様です。例えば、RX450hであれば新車価格は600万円以上、ES300hであれば580万円以上はしますから、どちらも6ヶ月おきにポンポン買えるはずはありません。しかし、KINTOのサブスクリプションサービスなら、これらの高級車を新車の状態で、しかも6ヶ月おきに車種を変えながら楽しむことができるのです。
KINTOを始めようと思ったら、店頭申し込みだけでなく、オンラインからも簡単に申し込めるのも嬉しいポイントです。現在オンライン申し込みに対応しているのは「KINTO ONE」のみですが、今後サービスが普及していけば「KINTO SELECT」のプランでもオンライン申し込みができるようになるかもしれません。
KINTOは現在の日本ではまだ浸透していないサービスですが、手軽に所有できることやリーズナブルさなどから、これからますます広がっていくことでしょう。