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惜しまれつつ消えた名車に迷車!? 再評価されるべき車5選

くるまのニュース 2019年9月24日 6時10分

毎年、多くの新型車が発売されますが、同時に消えていってしまうクルマもあります。しかし、消えていったクルマのなかには、いまなら売れるかもというモデルもあります。そこで、再評価に値するクルマを5車種ピックアップして紹介します。

■出るのが早すぎ!? いまならもっと売れるかも!

 国内外の自動車メーカーは、毎年数多くの新車、新型車を発売します。その影で、消えてしまうクルマがあるのは避けられません。

 生産が終了する理由はさまざまですが、なかには再評価されてもいいようなクルマが存在します。

 そこで、かつて販売していたクルマのなかから、再評価に値するクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「アコードエアロデッキ」

 ホンダの現行ラインナップでミドルクラスのセダンである「アコード」は、1976年に初代が発売されました。

 当初のボディタイプはハッチバックのみでしたが、後にセダンを追加します。そして、1985年に3代目が発売されますが、このときにハッチバックが「エアロデッキ」という3ドアのステーションワゴンタイプに変わります。

 アコードエアロデッキはロー&ワイドなフォルムに加え、フロントからリアへ微妙なカーブを描いて流れるロングルーフデザインを採用。

 デザインは、欧州のセダンをベースにステーションワゴンに改造された「シューティングブレーク」を彷彿とさせ、それまでの国産車には無い非常にスタイリッシュなフォルムです。

 この新しいフォルムは、リトラクタブルヘッドライトを採用したフロントフェイスと相まって、優れた空力性能を達成しつつ、大人5人がゆったり座れる居住スペースをも両立。

 さらにトップグレードの「2.0Si」には、最高出力160馬力を発揮する新設計の直列4気筒DOHCエンジンを搭載するなど、見た目だけではなくスポーティな走りも実現しています。

 4代目アコードはセダン、クーペ、ステーションワゴンとなったため、エアロデッキはこの代限りでした。3ドアでは使い勝手の面で厳しいですが、これほどスタイリッシュなステーションワゴンならば、いまでも人気が出るのではないでしょうか。

●日産「テラノ」

いまも語り継がれるほど秀逸なデザインだった「テラノ」

 日産には「パトロール」というオフロード車が1950年代から存在していました。その流れを汲んだクロスカントリー車の「サファリ」が1980年に発売されます。

 サファリは悪路走破性を高めていたものの、無骨すぎて一般受けするデザインとはいえませんでした。

 そこで、日産はサファリよりも小型でスタイリッシュなクロスカントリー車「テラノ」を1986年に発売します。

 テラノは「ダットサントラック」のはしご型フレームに、ワゴンタイプのボディを搭載して製作されましたが、これは当時のクロスカントリー車としては一般的な手法でした。

 発売当初の「テラノ」は2ドアのみでしたので、使い勝手は決してよいとはいえませんでしたが、それを払拭してしまうほど優れたデザインが評価され、折しも「RVブーム」「スキーブーム」が始まろうとしていた時代背景もあり、「テラノ」はヒット作となります。

 北米でも「パスファインダー」という名で発売され、やはり大ヒットします。

 本格的な悪路走破性があり、ボディサイズは5ナンバー枠に収まる手ごろなサイズですので、現在のSUVブームにもマッチすることでしょう。

●マツダ「ボンゴフレンディ」

完全に車中泊ブームを先取りしていた「ボンゴフレンディ」

 1966年、初代マツダ「ボンゴ」は、キャブオーバースタイルの外観に4輪独立懸架を採用したトラック、商用バン、乗用ワゴンの「コーチ」をラインナップして発売されました。

 当時の商用バンではベストセラーとなり、ワンボックスカーの代名詞になります。その後、2代目では9/10人乗りの「ボンゴマルチワゴン」や、同クラス初のディーゼル車追加など、幅広いニーズに対応しました。

 1995年には「ボンゴワゴン」の後継車として、ボンネットがあるセミキャブオーバースタイルの「ボンゴフレンディ」を発売。

 ボンゴフレンディ最大の特徴は、キャンピングカーのポップアップ式テントと同様に、ルーフ部分を電動で持ち上げることで展開される「オートフリートップ」搭載車をラインナップしていたことです。

 1列目と2列目シート間の天井にあるアクセスホールから2階へアクセスでき、その広さは大人2人が就寝するのにも十分なスペースで、アウトドア派のユーザーからは高い人気を得ます。

 しかし、見た目はセミキャブオーバースタイルのミニバンながら、エンジンを前席下に搭載する旧来のキャブオーバー型FR駆動だったため床面が高く、室内はライバルよりも狭くなっていました。

 現在の「車中泊」ブームを先取りしていましたが販売は低迷し、2005年に生産を終了。ボンゴフレンディは出るのが早すぎたのかもしれません。

■往年の名車も迷走していたことがあった!?

●トヨタ「プログレ」

小型の高級車を目指すも若年層には受け入れられなかった「プログレ」

 輸入車では数多く存在している「小さな高級車」ですが、1998年に発売されたトヨタ「プログレ」は、あえて全幅を1700mmに収めた小さな高級車をコンセプトに開発されました。

 全長は4500mmながら当時の「クラウン」と同等のホイールベースで室内空間は広く、全色5層コートのボディカラーや静粛性向上のために吸音材の多用、レーダークルーズコントロールや本革シート、高性能オーディオを装備するなど、中身も上質なクルマとなっていました。

 エンジンは2.5リッターと3リッターの直列6気筒で駆動方式はFRとし、ライバルはメルセデス・ベンツ「Cクラス」やBMW「3シリーズ」といわれていました。

 しかし、品のよさを追求したためか、保守的過ぎた内外装のデザインは年配者にしか受け入れられず、一度もフルモデルチェンジすることなく2007年に生産を終了。

 現在、プレミアムセダンは大型化が進んでいるので、改めて日本の道路事情に合ったサイズを見直す価値はあるのではないでしょうか。

●三菱「ギャラン スポーツ」

RVブームの背景があったものの迷走してしまった「ギャラン スポーツ」

 三菱「ギャラン」は2015年の「ギャランフォルティス」を最後に消滅してしまったモデルですが、オーソドックスなセダンでありがら、高性能モデルをラインナップしていた三菱が誇る名車です。

 初代が1969年に発売された長い歴史がありますが、なかでも1994年に発売された「ギャランスポーツ」はギャランの歴史上で異端なモデルとして知られています。

 ボディタイプは5ドアハッチバックながら、小ぶりなバンパーガードとルーフレールを装着した、当時のRVブームを意識したモデルです。

「GT」と「RV」を融合した「GTRV」をキャッチコピーとしていたように、エンジンは最高出力240馬力(5速MT)を誇る2リッターV型6気筒DOHCツインターボ(ノンターボもあり)に、フルタイム4WDシステムを組み合わせ、大型のリアウイングを装着するなど、本格的なスポーツ走行も可能となっていました。

 かつて日本では5ドアハッチバックは売れないというジンクスがありましたが、残念ながらギャランスポーツはそのジンクスのとおりとなり、1代限りで生産を終了。

 ステーションワゴン並の使い勝手のよさがある高性能なパワートレインの4WD車ということで、オールマイティなクルマとして再評価されてもよい1台です。

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 その時々でクルマを取り巻くトレンドは変化しています。いま販売が好調なクルマでも、5年後、10年後にはどうなるか、だれもわかりません。

 一方で、トレンドなど気にしないで「わが道を行く」クルマも存在します。

 今回、紹介した5車種は、まさにわが道を行くクルマだったのではないでしょうか。

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