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今後ますます希少種になる!? 2リッターエンジンを搭載するスポーツセダン5選

くるまのニュース 2019年10月20日 6時30分

かつて排気量が2リッターというクラスには数多くのクルマが集中していました。しかし、近年はダウンサイジングターボの台頭で、比較的大きなクルマでも小さいエンジンにシフトするケースが多いです。それでも高性能な2リッターエンジンはまだまだ健在なので、なかでもハイパワーなスポーツセダン5車種をピックアップして紹介します。

■日本の環境に合った2リッターのスポーティセダン

 日本では、1960年に「小型乗用車」の規格を改めて以来、その規格が現在も継続されています。現在の小型乗用車と普通乗用車の境界線は、エンジンの排気量が2リッター、もしくはボディの全幅が1700mmなどで分けられます。

 また、現在の自動車税制度ではボディサイズではなく、エンジンの排気量で税額が変わるので、2リッターという排気量には重要な意味がありました。

 そのため、かつては2リッターエンジンの高性能車が多く存在しましたが、近年はダウンサイジングターボの台頭で、比較的大きなクルマでもより小さいエンジンにシフトするケースが多くなっています。

 それでも高性能な2リッターエンジンはまだまだ健在なので、なかでもハイパワーなスポーツセダン5車種をピックアップして紹介します。

●スバル「WRX STI」

 傑出したハイパフォーマンスを誰もが楽しめるクルマへと進化したスバル「WRX STI」は、2019年「ニュルブルクリンク24時間レース」でクラス2連覇を果たすなど、モータースポーツで培ったテクノロジーと革新の走りを支える安全性能を備えています。

 搭載する2リッター水平対向4気筒ターボエンジンは最高出力308馬力を誇り、1490kgのボディを俊敏に走らせ、そのパワーウェイトレシオは4.84kg/psと、2リッターではトップクラスです。

 低重心かつ左右対称の構造がクルマの運動性能へ大いに寄与する「SUBARU BOXER」水平対向エンジンは、左右のピストンが互いの動きで発生する力を打ち消し合う特性があるため、直列エンジンより滑らかで気持ちの良い回転上昇が味わえることで根強いファンが多いです。

 2400rpmで最大トルクの約90%を発揮するフラットな特性が、アクセル操作に対する繊細なレスポンスを実現し、小気味よい節度感のある6速MTを駆使すればハイパワーを思いのままにコントロールできます。

 WRX STIの価格は393万8000円(消費税込、以下同様)、19インチタイヤやRECAROシートを備えるWRX STI Type Sは413万6000円。

 モータースポーツに挑みながら、シャシ性能を磨き続けてきたスバル独自のシンメトリカルAWDが生み出す、4輪が路面へ張りつくように思える絶大なグリップ力は、スポーツドライブ好きにはうってつけの1台です。

 初代レガシィに搭載された後、スバルの主力エンジンとして活躍した名機「EJ20型」水平対向エンジンが、環境規制の対応が困難なため、今年度内に生産を終了する予定なのは寂しいですが、「WRX STI EJ20 Final Edition」のプロトタイプを第46回東京モーターショー 2019に出展することが報じられています。

●レクサス「IS300」

プレミアムなスポーツセダン「IS」(画像は「IS350」)

 走る楽しさを追求したプレミアムスポーツセダンのレクサス「IS」は、ボディ各部を従来のスポット溶接より細かいピッチで溶接することや、断面変形を抑制する「レーザースクリューウェルディング」溶接、パネルを面で結合して剛性の向上と振動の減衰特性を高める「構造用接着剤」などの技術を複合的に採用し、卓越したシャシ性能を生み出しています。

 このシャシに搭載される2リッター直列4気筒ターボエンジンは、筒内直接+ポート燃料噴射装置(D-4ST)により最高出力は245馬力を発揮し、1630kgのボディに対するパワーウェイトレシオは6.65kg/psと、気持ちの良いフィーリングの中に速さも兼ね備えています。

 その出力を伝達するトランスミッションは「8-Speed SPDS」(電子制御8速オートマチック)で、第6速のギア比が1.000となり、3速から6速までのクロスレシオは、腕に覚えのあるドライバーには絶妙なセッティングでありながら、第8速は0.685で最終減速比2.937と合わせ高速巡行時にもエンジン回転数が低く抑えられ、ジェントルな走りも持ち合わせています。

 ISは単なるトヨタの高級車ブランドのミディアムセダンではなく、間違いなくスポーティセダンです。車両本体価格は480万1297円となっています。

●マツダ「マツダ6」

美しいデザインが定評のセダン「マツダ6」

 マツダ「マツダ6」は「カペラ」シリーズの後継として、「Zoom-Zoom」というブランドフレーズとともに2002年に「アテンザ」として誕生したクルマです。

 2012年に登場した3代目は、2代目までのイメージを一新する新デザインテーマの「魂動」と、新世代技術の「SKYACTIV TECHNOLOGY」を採用したマツダのフラッグシップモデルとなります。

 2019年8月からはグローバルで車名を統一したことから、アテンザからマツダ6となりました。

 ボディサイズは全長4865mm×全幅1840mm×全高1450mmで、流麗なボディラインに魅了されて購入したオーナーも多いのではないでしょうか。

 ピストン形状を最適化することで高効率化して、中低速トルク向上と実用燃費の向上を図った、最高出力156馬力の「SKYACTIV-G 2.0」エンジンのピックアップは軽快で、1510kgの車両重量に対するパワーウェイトレシオは9.68kg/psと平凡ですが、そのスペック以上の心地良い走りを味わえます。

 マツダ独自の車両姿勢制御技術である「Gベクタリング コントロール」や、「アダプティブLEDヘッドライト」、「スマートブレーキサポート」などの先進安全装備を標準で搭載していながら、ベーシックグレードの「20S」(2WD、6速AT)は289万3000円と、車格の割に比較的リーズナブルなのも特徴です。

■海外でも数少なくなってきたハイパワー2リッターセダン

●ジャガー「XE HSE」

ジャガーのなかでもコンパクトかつスポーティな「XE」

 ジャガーのスポーティコンパクトセダンである「XE」は、ダイナミックなハンドリング性能が特徴です。

 高いねじれ剛性と軽量化だけでなく、安全性も両立させた新開発のアルミニウムシャシの採用や、スプリングの硬度を高め、パワーアシストステアリングを特別にチューニングした「パッシブスポーツサスペンション」で、後輪駆動らしい気持ちいい走りを楽しませてくれます。

 スポーティグレードの「XE HSE」には、走行性能と燃費の最適なバランスを実現した2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。

 最高出力は300馬力と強力で、ジャガー独自の「ジャガー シーケンシャルシフト」8速ATを介しての公称最高速度は250km/h、0-100km/h加速性能は5.9秒とされています。

 2019年8月に発表された2020年モデルでは、ジャガーのインフォテインメントシステム「Touch Pro Duo」が採用され、ジャガーでは初となるデジタルルームミラーを搭載するなど、装備が充実。

 XE HSEの価格695万円からとなっています。

●アルファロメオ「ジュリア ターボベローチェ」

専用のFRシャシで走りも見た目もアグレッシブな「ジュリア」

 アルファロメオ「ジュリア」は、1960年代に小型で軽量なボディにスポーツカー並みの高性能エンジンを搭載したスポーティセダンとして登場しました。後に2ドアクーペや2シーターオープンなどのバリエーションが加わり、排気量も1.3リッターから2リッターまで生産時期によって多数存在していました。

 現行モデルのジュリアは、長いブランクのあとの2016年に登場した2代目で、アルファロメオの世界戦略車としての位置づけられた4ドアセダンです。

 徹底して繰り返された風洞実験により、セダンながらCd値はわずか0.23を実現。FRレイアウトに縦置きエンジンやカーボン製プロペラシャフトを配置して、シャシ全体への理想的な重量配分を実現するなど、強靭でアグレッシブなアルファロメオの“走りの血統”を濃密に宿しています。

 スポーティグレードの「ジュリア2.0ターボベローチェ」に搭載されるエンジンは、2リッター直列4気筒ターボで、最高出力280馬力を誇り、8速ATを介して0-100km/h加速性能は5.7秒(欧州仕様)と俊足。

 トライローブと呼ばれる伝統の盾形フロントグリルに代表される、独特で見紛うことのないアルファロメオスタイルも魅力的です。ジュリア2.0ターボベローチェの価格は589万円です。

※ ※ ※

 2019年10月1日以降に新規登録したクルマについては新しい自動車税額が適用されますが、排気量による区分についてはこれまでどおりです。

 税額の変更については、小排気量なクルマがより優遇されており、例えば1リッター以下では年額で4500円安くなり、2.5リッターを超えると一律1000円安くなるだけとなっています。

 結果、日本では今後もダウンサイジングターボや小排気量エンジンのハイブリッド車が増える傾向となるでしょう。

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