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じつは50年以上の長寿モデルだった!? 意外なロングセラー車3選

くるまのニュース 2019年10月30日 14時10分

長い歴史があるクルマというとトヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」が思い浮かびますが、じつは意外な長寿モデルが存在します。そこで、あまり知られていないもののロングセラーだったクルマを3車種ピックアップして紹介します。

■隠れたロングセラーなクルマたち

 1907年に国産初のガソリン車が誕生して、112年もの歳月が経ちました。この間に膨大な数のクルマが誕生しましたが、その多くは消えてしまっています。

 しかし、同じ車名を守って販売されている長寿なモデルも存在。そこで、あまり知られていないロングセラーなクルマを3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ハイラックス」

1968年にデビューした初代「ハイラックス」

 トヨタの小型ピックアップトラック「ハイラックス」は1968年に初代が発売されました。当時、トヨタが企画し、日野が開発と生産を担当したといいます。

 初代ハイラックスは、小型ピックアップのニーズが高いアメリカ市場でも「トヨタ トラック」という名前で販売されました。アメリカでは後に4WD版が大ヒットし、トヨタのピックアップトラックがアメリカでも認められる存在になります。

 ハイラックスは日本でもビジネスカーとしてだけでなく、アメリカと同様にレジャー用途としてヒットします。さらにハイラックスをベースに乗用タイプとした「ハイラックスサーフ」を1983年に発売すると、アウトドブームの後押しもあり、大ヒットを記録。

 その後ハイラックスはモデルチェンジを繰り返しますが、2004年に日本での販売を終了。2017年にタイで生産している「ハイラックス」を日本で再販することになり、13年ぶりの復活をはたします。

 現行モデルは8代目で、装備によってふたつのグレードとなっていて、上位グレードでは自動ブレーキなどの先進安全装備も採用されています。

 なお、2018年12月には50周年記念特別仕様車「Z ブラックラリーエディション」が発売されました。

●三菱「デリカ」

1969年発売の初代「デリカコーチ」

 いまから50年ほど前の1968年(昭和43年)、三菱自動車が分社される前の三菱重工業は、小型トラックの初代「デリカ」の販売を開始。

 デリカは3人乗りの600kg積で、当時はトラックの需要が高かった背景がありトラックから発売されました。

 翌年の1969年にトラックをベースにした1BOXタイプの乗用モデル「デリカコーチ」の販売を開始します。

 デリカコーチは9人乗りのワゴンタイプで、発売当時は58馬力を発揮する1.1リッターガソリンエンジンを搭載し、クラス最強を誇っていました。1971年10月に「コルトギャラン」と同じ1.4リッターガソリンエンジンも投入され、より余裕のある走りが可能になります。

 デリカコーチが発売されたころはセダン全盛の時代だったため、個人用として使われることは少なく、主に送迎用として活躍したといいます。

 その後、デリカシリーズは本格的なオフロード走行が可能な1BOXカーとしての道を歩み、現在の「デリカD:5」へと繋がります。

■50年以上続いた歴史が、ついに終焉!?

●マツダ「ボンゴ」

1966年に発売された初代「ボンゴ」

 マツダ「ボンゴ」は1BOXタイプのバンとキャブオーバータイプのトラックで、最後のマツダ製商用車です。誕生は1966年で、2019年で53年を迎えます。

 初代「ボンゴ」は800ccの直列4気筒OHVエンジンをリアに搭載して、リアタイヤを駆動するRRとなっていました。

 トラック、バン、コーチが同時に発売され、コーチはバンのボディに3列シートを搭載して8人乗りとした乗用モデルで、いまのミニバンの先駆け的存在です。

 初代ボンゴ最大の特徴は超低床設計でした。床面地上高はトラックで460mm、バンで450mmという大人の膝ほどの高さで、荷物の積み下ろし時の使い勝手の良さが追求されています。

 現行モデルは1999年に発売され4代目になりますが、3代目から全面刷新されたわけでなく、実質的な設計は1983年のままです。

 なお、商用車ではモデルチェンジのスパンが長く、発売から53年経っても4代目です。現行モデルも20年間販売していますが、近々生産終了するといわれています。

※ ※ ※

 近年、マツダ車やトヨタ「ヴィッツ」など、長年使ってきた車名を廃止して、グローバルで車名の統一が図られました。

 一方で、スバル「ジャスティ」のように、消えてしまった車名が復活するケースもあります。

 車名はクルマの販売を左右する重要な要素のひとつですが、長く使われるということは優れたネーミングだったということでしょう。

 時代によって車名にもトレンドがありますが、長い歴史を刻んだ車名をあっさり捨ててしまうのも、考えものです。

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