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1980年代ネオクラシックが魅力的! 手が届きやすい旧車5選

くるまのニュース 2019年11月11日 6時10分

近年注目を浴びている1980年代の「ネオクラシック」と呼ばれるクルマがありますが、価格が高騰してなかなか手が出せません。しかし、なかには常識的な価格で狙えるモデルもあります。そこで、比較的安価でカクカクしたボディの旧車にスポットライトをあて、5車種ピックアップして紹介します。

■現代のクルマにはない個性が、手の届きやすい価格でゲットできる!?

 現在、1980年代から1990年代のクルマの価格が高騰しています。とくにスポーティモデルは、新車価格を上まわる価格で取引されているケースもあります。

 しかし、それほど価格高騰せずに、常識的な相場で取引されている旧車があり、なかには、いまでは見られなくなった魅力的なデザインのモデルもあります。

 そこで、旧車のなかから手が届きやすい価格で、個性的なデザインのモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「パジェロ」

 アメリカのウィリス社から「ジープ」のライセンスを得てノックダウン生産していた三菱が、ジープの走破性をもっと気軽に乗用車感覚で楽しめるようにと、1982年に発売したクロスカントリー車が「パジェロ」です。

 発売当初は貨物登録のメタルトップとキャンバストップのバンのみの設定で、乗用登録のメタルトップワゴンや4ドアのロングボディは1年遅れて登場します。

 乗用車感覚とはいっても、ジープのノウハウを持つ三菱が開発したため、ラダーフレームや副変速機を備えるパートタイム4WDを採用するなど、高い悪路走破性能を誇っていました。

 1983年に、1万km以上の長距離を走破するパリ-ダカール・ラリー参戦すると、市販車無改造部門でデビューウィンを飾り実力の高さを証明します。

 搭載されたエンジンは、当初は2リッターのガソリンと、2.3リッターのディーゼル、同ターボの3種でしたが、マイナーチェンジを重ね、最終的にはガソリンは3リッターV6に、ディーゼルは2.5リッターと同ターボへと進化。現在中古車で残っているのは、最終型がほとんどになっています。

 中古車の流通台数は爆発的なヒットとなった2代目よりは少なめですが、極端に走行距離が少ない物件を除けば、相場は70万円から100万円が平均的なところです。

 なお、東京都や大阪府など一部地域では、この年式の貨物車は登録できない(排出ガス対策が必要)こともあるので、注意してください。

●スズキ「ジムニー」

2代目「ジムニー」なら中古車物件も豊富で価格も手ごろ

 2018年に20年ぶりとなるフルモデルチェンジをおこない、いまも納車が1年待ちといわれる新型ジムニーは、スクエアなデザインが特徴的です。

 この新型ジムニーのスタイルは初代や2代目をオマージュしており、実際に2代目ジムニーはいまだに人気があります。

 1981年から1998年まで長期にわたり生産されていたこともあり、初期モデルと末期モデルは大きく異なります。おおまかに見て4世代が存在し、細かく見ると9つに分類することができます。

 大別すると、初期モデルは550ccの2サイクルエンジンを搭載し、第2世代では550ccの4サイクルエンジンに切り替わります。

 第3世代では法改正にあわせて660ccへと排気量がアップし、最終の第4世代ではライバルの三菱「パジェロミニ」に対抗するため快適性を向上し、貨物登録から乗用登録中心のラインナップに変更されているのが特徴です。

 軽自動車ながら本格オフロード4WDということで安定した需要があり、ほかの軽自動車では廃車になっているような年式の中古車も普通に取り引きされています。

 そのため流通台数が多く、需要の割に相場は安めで安定。10万円台の物件も少なくなく、最終型でさえ50万円から80万円が中心価格帯です。

●日産「セドリック/グロリア ワゴン」

形はクラシックながら高年式もある「セドリック/グロリア ワゴン」

 かつて、日産の高級車といえば「セドリック」と「グロリア」(以下、セド・グロ)という兄弟車があり、この2台にはステーションワゴンと貨物車のバンがラインナップされていました。このワゴンとバンの最終モデルが1983年にデビューしたY30型です。

 ワゴンには2リッターターボや3リッターなどの高性能エンジンは搭載されず、必要十分とされる2リッターV型6気筒ガソリンと2リッター直列4気筒ガソリン、2.8リッター直列6気筒ディーゼルが設定されました。

 当時、フルモデルチェンジのサイクルは4年で、セダンとハードトップは1987年に一新されましたが、ワゴンとバンはフルモデルチェンジすることなく、15年以上も生産が継続されました。

 したがって、同型のセダンやハードトップより中古車の流通量が多く、年式が新しい分だけ程度が良い中古車も見つかりやすいでしょう。

 モデル末期となる1990年代後半は曲線を多用したスタイルのクルマが多かったこともあり、Y30型セド・グロはアンチテーゼ的に注目され、中古車価格は高値安定の傾向でした。

 しかし、さすがに古くなったこともあり、昨今は安価な中古車が増加中です。

 ただし、フロントベンチシート&コラムシフト(AT)の組み合わせは比較的人気があり、いつ相場が高騰してもおかしくありません。

■ハイソカーブームをけん引したネオクラシックとは!?

●トヨタ「マークII」

1980年代のハイソカーブームの火付け役といえば「マークII」

 トヨタ「マークII」は、一時代を築いたアッパーミドルクラスのセダンです。なかでも5代目は当時のハイソカーブームを象徴するクルマで、「クレスタ」「チェイサー」を含めた、いわゆる「マークII」三兄弟とも大ヒット車です。

 もともとは「コロナ」の上級派生車種として「コロナマークII」の名称で誕生しましたが、1984年に発売された5代目からコロナの名が外れ、正式にマークIIという車名になりました。

 ちなみに、前年に登場した8代目のコロナがスペース効率やコストに優れるFFとなったのに対し、マークIIは高級車らしくFRを踏襲しています。

 セダン、ハードトップ、ワゴン、バンと豊富なボディバリエーションを展開していましたが、圧倒的に人気だったのはハードトップです。

 直線基調でバランスの取れたスタイリングは、Cピラーを黒くした「クリスタルピラー」が特徴とされ、デビューから35年経ったいまでも美しいと評判です。

 デジタルメーターの採用や、日本初のDOHCツインターボの投入、マイナーチェンジでの立体的なフロントマスクへの変更など、とにかく話題の多いクルマでした。

 当時、とにかく販売台数が多かった人気車だったこともあり、中古車は豊富ですが、価格は徐々に上昇しつつあるので、相場が70万円から100万円のいまが狙い目かもしれません。

●マツダ「ルーチェ」

いまのマツダ車にはないスクエアなフォルムが魅力の「ルーチェ」

 マツダ「ルーチェ」はすでに消滅してしまったモデルですが、系譜からすると「カペラ」を祖先とする現在の「マツダ6」よりも上級に位置するセダンです。

 初代は1.5リッターおよび1.8リッターエンジンを搭載する、美しいデザインのセダンでしたが、2代目ではロータリーエンジン専用車として登場。

 途中からレシプロエンジン搭載車も追加投入しましたが、1986年に登場した最終型の5代目まで、一貫してロータリーエンジン搭載グレードをラインナップしていました。

 しかしながら、5代目はV型6気筒エンジンが主流で、フラッグシップは3リッターエンジンを搭載。1988年のマイナーチェンジでDOHC化され、出力も180馬力のロータリーターボを超える200馬力とされました。

 このルーチェは、いまのマツダ車と対極にあるような直線基調のデザインであり、とても希少です。

 中古車の流通量は非常に少ないものの、相場は80万円から120万円で安定しています。ただし、希少なロータリーエンジン搭載車だけは別格の扱いで、中古車価格が上昇中です。

※ ※ ※

 今回紹介した5台のクルマのように、クラシックカーではなくちょっと前のモデルは、性能的にも普段使いができることが魅力のひとつです。

 しかし、どれもデビューから30年以上が経ち、長く生産されたセド・グロのワゴンや2代目ジムニーにしても生産終了から既に20年が経過しています。

 価格的には手が出しやすいのですが、維持となると欠品部品が多く、トラブルがあると苦労することもあります。

 実際の購入に際しては、現代のクルマとは違うという覚悟が必要です。

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