Infoseek 楽天

【デカ過ぎ? 出るのが早過ぎた!?】一代限りで消えてしまった残念なSUV5選

くるまのニュース 2019年12月20日 11時10分

現在、世界各国で人気沸騰中のクルマといえばSUVです。日本でも人気の高まりを受け、次々と新型SUVが発売され、好調なセールスを記録。しかし、かつては多くのSUVが発売されては消えていきました。そこで、一代限りで消えてしまったSUVを5車種ピックアップして紹介します。

■なぜか主役になれなかったSUVたち

 SUV人気が続くなか、世界中のメーカーは次々と新型SUVを登場させています。日本でも1リッタークラスのコンパクトSUVから、5リッタークラスのフルサイズSUVまで多数存在します。

 一方で、かつて販売されていたSUVのなかには目立ったヒット作になれず、消えていったモデルもあるのです。

 そこで、一代限りで消えてしまった残念なSUVを5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「チャレンジャー」

都会派の「パジェロ」としてデビューした「チャレンジャー」

 1990年代に起こった「RVブーム」のときには、本格的なクロスカントリー4WD車が大ヒットしました。なかでもブームをけん引したのが三菱「パジェロ」といわれています。

 パジェロが大ヒットしたことで、三菱は次の一手として、2代目パジェロのコンポーネントを流用した新型SUV「チャレンジャー」を1996年に発売。

 ボディはパジェロよりも都会的なデザインのステーションワゴンタイプで、パジェロとの差別化を図っています。

 エンジンは3リッターV型6気筒ガソリンに加え、2.8リッターと2.5リッターの直列4気筒ディーゼルターボの3種類を用意。

 駆動方式は全車4WDで、上位グレードではフルタイム4WDを基本に、4種類の走行モードを状況に応じて使い分けられる三菱独自のスーパーセレクト4WDを採用。下位グレードはパートタイム4WDとなっています。

 さらにチャレンジャーは低価格という特徴があり、最量販グレードで280万円台、廉価グレードでは230万円台からと、戦略的な価格設定でした。

 チャレンジャーは残念ながらパジェロほどヒットすることなく、2001年に販売を終了しますが、海外では継続して販売され、いまも「パジェロスポーツ」として生き残っています。

●ホンダ「MDX」

巨大すぎて売れなかったもののスタイリッシュなSUV「MDX」

 ホンダが北米で展開している高級車ブランド「アキュラ」から発売されたSUVの初代「MDX」は、カナダ工場で生産され、2003年に日本でも販売されました。

 MDXは北米市場がメインのSUVで、同じくカナダ工場で生産された「オデッセイ(日本名ラグレイト)」のシャシをベースに開発。

 外観は動物のサイをモチーフにした力強いデザインで、SUVとしてタフさを表現した3列シートのステーションワゴンタイプです。

 エンジンは260馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒を搭載し、トランスミッションは5速ATが組み合わされ、駆動方式は電子制御可変トルク配分4WD「VTM-4」を採用しています。これはフルタイム式やパートタイム式の長所を併せ持つ、ホンダ独自の4WDシステムです。

 MDXは2006年に日本での販売を終了するという短命なクルマでしたが、その理由のひとつがボディサイズといわれています。

 北米ではミドルサイズとされていましたが、全長4790mm×全幅1955mm×全高1820mmと日本車離れした大きさで、とくに駐車場や市街地ではかなり気を使うサイズです。

 また、車重2030kgとかなりの重量級ということもあり、カタログ燃費が7.8km/L(10・15モード)と、あらゆる数字が日本での使用に対して厳しい状況でした。

 MDXは日本で受け入れられませんでしたが、アメリカンテイストのSUVが日本で普通に買えたということは、いまとなってはレアなケースです。

●マツダ「CX-7」

スポーティ路線でいったものの販売は振るわなかった「CX-7」

 現在、マツダが国内で販売しているSUVは「CX-3」「CX-30」「CX-5」「CX-8」があり、大きさで分けられていますが、かつて「CX-7」というモデルが存在していました。

 2007年に発売されたCX-7のコンセプトはスポーツカーとSUVの特徴を融合させた「スポーツクロスオーバーSUV」で、エンジンは238馬力とパワフルな2.3リッター直列4気筒直噴ターボを搭載し、駆動方式はFFと4WDが選べました。

 外観デザインは大きく傾斜させたフロントウインドウと、立体的な造形の大きく張り出したフェンダーによる個性的かつスタイリッシュなスタイルです。

 しかし、元々は北米市場に向けて開発されたため、ボディサイズは全長4680mm×全幅1870mm×全高1645mmと、当時としてはかなりの大柄で、市街地での使い勝手は良いとはいえませんでした。

 その結果、日本では2011年にフルモデルチェンジすることなく生産を終了。翌2012年にCX-5が発売され、実質の後継車となります。

■いまなら売れていた!? スバル最後の3列シート車とは

●スバル「エクシーガ クロスオーバー7」

出るタイミングを間違えたともいわれる「エクシーガ クロスオーバー7」

 2015年にスバルは「都市型SUV×多人数車」というコンセプトのクロスオーバーモデル「エクシーガ クロスオーバー7」を発売しました。

 クロスオーバー7の前身として3列シート7人乗りのワゴン「エクシーガ」が、2008年から販売されていましたたが、エクシーガをベースにSUVテイストの外観に仕立てたかたちで、クロスオーバー7が誕生しました。

 同社の「フォレスター」よりも都会派のクロスオーバーで、専用サスペンションの採用により最低地上高は170mmと低めに設定され、全幅も立体駐車場への対応も考慮した1800mmとなっていました。

 発売当初は2.5リッター水平対向4気筒エンジンを搭載する1グレードで、価格も275万4000円(消費税5%込)からと、車格からすると手が届きやすく設定されていました。

 しかし、3列シートSUVのマーケットはいまほど成熟していなかったからか、2017年をもって生産を終了。エクシーガ クロスオーバー7を最後に、スバルの国内モデルから3列シート車がなくなりました。

 いまのSUV市場を考えると、エクシーガ クロスオーバー7は出るのが早すぎたのかもしれません。

●日産「スカイライン クロスオーバー」

「スカイライン」ブランドとして出たのは賛否両論あった「スカイライン クロスオーバー」

 日産「スカイライン」といえば、高性能スポーツセダンや「GT-R」をイメージする人が多いと思います。

 そんなGTカーのイメージが強いスカイラインの名をSUVに冠したのが「スカイライン クロスオーバー」です。

 スカイライン クロスオーバーは2006年に発売された12代目スカイラインの派生車として、2009年にラインナップに加わりました。

 外観デザインはスカイラインをイメージさせるフロントフェイスに、クーペスタイルのワゴンとなっています。

 パワーユニットは330馬力を誇る3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、駆動方式はFRもしくは4WDシステム「アテーサE-TS」が選べました。

 ラグジュアリークーペとSUVを融合させたスカイライン クロスオーバーは、海外市場に投入されていたインフィニティ「EX37」を国内向けに仕立てたクルマで、高級感のあるSUVとして発売されましたが、販売は低迷。

 スカイライン クロスオーバーは2016年に生産を終了し、この1代限りで後継車はありませんでした。

※ ※ ※

 冒頭にもあるとおりSUV人気が続いているので、各社とも新型SUVや、SUVテイストのグレードを新設するなど、市場は活性化しています。

 流行はいつか終わる運命にありますが、SUVは一過性のものではなく、定番のカテゴリーとして定着するでしょう。

 しかし、最近はデザインで冒険することなく横並びのメージで、かつてのようなユニークなモデルが少なく、ちょっと物足りない感じではないでしょうか。

この記事の関連ニュース