運転免許を取得して1年未満のドライバーが公道を走る場合、クルマに取り付けなければいけないのが初心者マークです。初心者マークはいつになったら外せるのでしょうか。また、初心者なのにつけていなかったときの罰則などはあるのでしょうか。
■免許取得後1年は初心者マークを取り付ける義務がある
運転免許証を取得してクルマに乗るとき、免許取得1年未満のドライバーはクルマの前後に「初心者マーク」を取り付けて走ります。
黄色と緑で目立つ初心者マークは、周囲のクルマに対して運転初心者であることをアピールしており、付けていることを恥ずかしく感じる人もいるでしょう。
初心者マークは絶対につけなければいけないのでしょうか。いつになったら外していいのかなど、調べてみました。
初心者マークの正式名称は「初心運転者標識」で、じつは動く標識なのです。その色使いが若葉のように見えることから「若葉マーク」とも呼ばれています。
初心者マークの制度が導入されたのは1972年の10月からです。道路交通法第71条の5第1項・2項に「運転免許を受けた者で通算1年未満のものは内閣府令で定める様式の標識を付けないで運転してはならない(道交法より一部抜粋)」と表記されています。
対象となる車両は普通自動車と軽自動車で、仕事で使う営業車やレンタカーなどでも運転者が免許取得1年未満の場合は、提示する義務があります。ただし、二輪車(バイク)や小型特殊、大型車などは提示なくても大丈夫のようです。
初心者マークを取り付ける位置もある程度指定されており、クルマのフロントとリア両方の「地上0.4m以上1.2m以下の見えやすい場所に表示しなければいけない」と規定されています(道路交通法施行規則第9条の6)。
現在では取り外ししやすいマグネットタイプが主流で、前方ならボンネット、後方ならリアウインドウ下のトランクやリアハッチあたりに貼り付けるのが一般的となっています。
なお、フロントウインドウの内側から吸盤で貼り付けるタイプもありますが、厳密にいえば、あれは法律上NGだとされています。
これは、フロントウインドウに貼っていいのは、車検の有効期限を示す「検査標章」と法定点検のステッカーのみと定められているためです。
■黄色と緑の若葉マーク 運転初心者が付けないとどうなる?
初心者マークは法律的には「標識」なので、初心者(運転免許を取得して1年未満)のドライバーは、取り付けないと法律違反になってしまいます。
初心者マークを外して運転していて取り締まりにあった場合は、「初心者標識表示義務違反」として「反則金4000円&違反点数1点」の罰則が科せられます。
初心者マークを付けて運転するのは恥ずかしいという気持ちもわかりますが、初心者標識表示義務違反のほかに「駐車違反」などで違反点数が2点加算され、違反点数が合計3点以上になると、「初心者講習」を受講しないと免停になってしまいます。
この免停中は初心者マークの有効期限に加算されないので、実質付けている期間が延びてしまうことになるのです。
初心者講習はかなり負担が大きく、普通車講習の場合、指定された試験場で実技と座学などの講習を合計7時間受講し、費用は1万4700円かかってしまいます。
また、初心者マークを装着したクルマに対して、むやみに幅寄せしたり割り込みすることは法律で禁じられています(「初心者運転等保護義務違反」)。ただし、これは幅寄せなどを受けたドライバーが1年未満(初心者マークを取り付ける義務のある期間)の初心者の場合のみ有効というのがポイントです。
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運転に自信がないからと、装着の義務期間を終えて免許取得から1年を経過しても初心者マークを使用していても、法律的にお咎めがありません。運転が不安な人は付けていても問題ありませんが、初心者運転等保護義務違反の対象にはなりません。
また、現在の免許制度では、免許取得3年を経過して最初の免許更新時まで初心者扱いとなります。
右折禁止や一時停止違反など軽微な違反が重なると、免停または初心者講習を受けなければいけない違反点数3点以上になってしまうので、慎重な運転が必要だといえます。