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軽の白ナンバー増えすぎた!? オリンピックナンバー約9割が軽 今後は白が不可に?

くるまのニュース 2020年4月17日 9時10分

ラグビーワールドカップと、東京オリンピック・パラリンピックを記念した特別仕様のナンバープレートが登場しました。白いプレートが装着できるとあって、軽自動車で多く見られるようですが、軽自動車と普通車の申し込み割合はどうなっているのでしょうか。

■ラグビーやオリンピックの特別ナンバーは軽が圧倒的に多い!?

 軽自動車のナンバープレートといえば黄色というのは周知の事実ですが、じつは、軽自動車のナンバープレートはもともと白でした。

 軽自動車が登場した1955年から1975年までは白地に緑文字で、現在のナンバープレートよりひと回り小さい、小板(しょうばん)と呼ばれるプレートだったのです。

 なぜ現代の軽自動車は、黄色いナンバープレートを装着しているのでしょうか。

 現在の軽自動車のナンバープレートが黄色地になった経緯について、国土交通省交通局の担当者は次のようにいいます。

「かつては、高速道路での最高速度が普通自動車と軽自動車で異なっていたことから、取り締まりの観点から判別しやすくするためという経緯があります。さらに、高速道路の料金をもらうときに、ひと目で判別するためでもありました」

 高速道路における軽自動車の最高速度は80km/hとされていましたが、2000年の道路交通法改正で普通自動車と同じ100km/hに引き上げられました。

 また、高速道路を通行する際、多くのドライバーがETCを利用しています。車載器をセットアップするときに車両情報を登録するため、料金所で普通車と軽自動車をナンバーで見分ける必要がなくなったといえます。

 このように、軽自動車の白ナンバー復活の条件が整ったといえる状況になったところで、ラグビーワールドカップの日本開催を機に軽自動車でも乗用車とほぼ同じ白ナンバーの装着が可能になったのです。

 ラグビーワールドカップが2019年9月に日本で開催されることを記念して、大会開催の機運を盛り上げる観点から、デザインの入った特別仕様ナンバープレートを期間限定で交付が受け付けられました。

 国土交通省は、「特別仕様ナンバープレートを広く認識してもらうとともに、より多くの自動車ユーザーに取り付けて頂くことで、大会の成功に繋がるものと期待しています」と記念ナンバーの意義について説明しており、申込みの際に募集している寄付金は大会開催に活用されることになりました。

 ラグビーワールドカップの特別仕様ナンバープレートは、2017年4月から申し込み受付を開始し、2019年11月で締め切られ、2020年1月には交付も終了。

 この特別仕様のナンバープレートは、軽自動車のナンバープレートが黄色に変更されて以来、初の白ナンバーになります。

 申し込み件数を前出の国土交通省に聞くと、「ラグビーワールドカップのナンバープレートは、登録車(小型・乗用車)が3万7540件の申し込みに対して、軽自動車は25万4961件の申し込みがありました」との回答でした。

 申し込み総数29万2501件に対して、軽自動車の割合は約87%。そのうち、右上に小さいラグビーワールドカップのロゴが入った、シンプルな『寄付なし図柄』の申し込みが全体の7割以上を占めたといいます。

 さらに、ラグビーワールドカップの記念ナンバーのほかに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート(オリンピックナンバープレート)も登場しました。

 2017年の10月10日から申し込みを開始したオリンピックナンバープレートの、2020年2月末時点の申し込み数はどうでしょう。

「あくまで申し込み件数ですので、実際に交付される枚数とは乖離が出ますが、全体で162万1865件。そのうち軽自動車が146万233件と、こちらも軽自動車の比率が非常に高く、9割を占めています」(国土交通省)

 プレートデザインはラグビー同様で、やはりこちらもシンプルな「寄付なし図柄」の申し込みが大半を占め、全体の8割以上となる134万9054件にのぼっています。

■軽の白ナンバー装着はこれが最後の可能性も!?

 オリンピックナンバープレートについても、大会開催機運の盛り上げに貢献するために設定されたものですが、どちらも圧倒的に軽自動車の装着割合が高くなっています。

 軽自動車の黄色いナンバ―プレートがダサいという風潮があり、普通車と同じく白いナンバープレートを装着したいと思う人が少なからずいたということがわかります。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート(寄付あり)

 また、寄付あり図柄の場合はラグビーワールドカップ仕様のナンバープレートはラグビーボールのデザインが、オリンピックナンバープレートは集約する光をイメージしたカラフルなデザインとなり、普通車と同様の白いナンバープレートではありません。

 寄付なし図柄の申し込みが大半を占めたのも、安価で白いナンバープレートが装着できるということが理由だといえます。

 しかし、軽自動車で普通車と同じナンバープレートを装着することができる機会は、これが最後になるかもしれません。

 ラグビーやオリンピックでは、軽自動車でも乗用車と同じような白ナンバーを選択できましたが、2018年10月から全国41地域の交付を開始した地方版図柄入りナンバープレートでは、軽自動車のプレートデザインには黄色の縁取りがつくようになりました。

 その経緯について、国土交通省の担当者は次のように説明します。

「高速道路の料金徴収の際、プレートが白になっても、基本的には分類番号で軽と登録自動車の判別はつきます。ただ、ひと目でわかるかといったところでは多少意見をいただいたので、地方版ナンバープレートでは黄色の縁取りを入れたという経緯があります。そのため、今後は白いナンバーにはならない可能性があります」

※ ※ ※

 現在では多くのユーザーに支持され、装備も充実している軽自動車。しかし、今回のラグビーワールドカップやオリンピックナンバーの申込割合を見ると、軽自動車ユーザーがとても増えているとはいえ、黄色のナンバープレートに抵抗を感じているユーザーもまだまだ多いと考えられます。

 東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のため2021年に延期となりました。

 本来であれば、オリンピックナンバープレートの申請期限は2020年9月末頃を予定していますが、2020年4月現在、特別仕様ナンバープレート申し込み期限が延長されるかどうかは未定です。

 なお、取り付けた特別仕様ナンバープレートは、大会終了後も、そのナンバーを変更する事由が発生しない限り、廃車するまで使用することができます。

 また、使用終了後は、不正使用防止の穴を開けた上で、取り外した特別仕様ナンバープレートを記念に保存することも可能です。

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