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ちょっとやり過ぎな車名じゃない!? 名前がスゴすぎる車5選

くるまのニュース 2020年5月12日 6時10分

クルマの名前の由来はさまざまですが、なかには車格以上に壮大な名前をつけているモデルも存在。そこで、車名の意味がスゴいクルマを5車種ピックアップして紹介します。

■車格に見合う名前と、そうでもない名前とは!?

 クルマの販売を左右する重要な要素のひとつに、車名があります。声に出したときの響きや、意味、他メーカーがすでに登録していないかなど、決定するまでは多くのプロセスを踏む必要があります。

 とくに国産車の多くは、デザインや車格、コンセプトを基に車名を決定している場合が多い印象ですが、時として車名とクルマがアンマッチとなること生じてしまうようです。

 たとえばホンダ「シビック」は「市民の」という意味で、大衆車にふさわしい名前が付けられましたが、現行モデルではもはや大衆車と呼ぶべき車格ではありません。

 さらに車名の意味が壮大すぎるクルマも存在。そこで、名前の意味が凄いクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「レジェンド」

ホンダのフラッグシップとしてデビューした初代「レジェンド」

 非日常体験からなる伝説や神話を意味する英語の「Legend」は、語り継がれるという意味から伝説上の人物や、「○○界のレジェンド」のように、優れた能力を持ち後年にも名前を残すであろう人物を表す際にも用いられています。

 その「伝説」という名前が与えられたホンダのフラッグシップカーである「レジェンド」は、1985年に誕生しました。

 ホンダのラインナップとして初の高級車として開発されたレジェンドは、同じく初のV型6気筒エンジンを搭載した前輪駆動の4ドアセダンです。

 高級車ながらホンダらしいスポーティなドライブフィーリングが高く評価され、北米でスタートした高級車ブランド「アキュラ」の構築にも貢献しました。

 どの代のモデルでもその時代の最先端テクノロジーを搭載し、現在の5代目では世界初の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH‐AWD」搭載するなど、画期的なハイブリッド技術を駆使した高級セダンとなっています。

●日産「プレジデント」

日産を代表するショーファードリブンカーの初代「プレジデント」

 企業組織や団体の最高責任者を意味する英語の「President」ですが、語源はラテン語で行事や式典を主催することを意味する「Praesiderea」とされています。

現在では日本でもビジネスで使用する名刺の肩書に英語表記を用いることが増え、Presidentは「社長」と表現するのが一般的ですが、海外との交流が始まった江戸時代末期では「大統領」を指す言葉でした。

 その「プレジデント」の名が与えられのが、1965年に登場した日産の最高級フォーマルサルーンです。

 初代プレジデントが発売された当時、国産乗用車のなかでも、ボディサイズ、排気量ともに最大であり、後席乗員を最優先するショーファー・ドリブンカーとしての地位を築き、なかでもグレード名の「Sovereign(ソブリン)」は最高の位や権力を意味しています。

 実際にプレジデントの多くは企業の役員車や公用車として使われ、4代目まで代を重ねましたが、2010年に販売を終了。現在、日産のラインナップで最上級車は「シーマ」です。

●三菱「カリスマ」

輸入車として販売されたベーシックなセダン「カリスマ」

「カリスマ」はギリシア語で非凡な能力を意味する「Kharisma」を語源として、日本では人々を引きつける強い魅力を持つ人物をカリスマと呼ぶことが一般的です。

「カリスマ性のある人」や「○○のカリスマ」など、かつては流行語のように使われました。

 1995年に欧州から発売された三菱「カリスマ」はKHARISMAにクルマを意味する「CAR」を合わせた造語である「CARISMA」のネーミングを与えられたクルマです。

 三菱とボルボ、オランダ政府が共同で設立した「ネッドカー」社で製造された4ドアセダンと5ドアハッチバックで、同じ工場で作られたボルボ「S40」とプラットフォームを共有した兄弟車でもあります。

 欧州では高い評価を受け、1996年には1.8リッターガソリンエンジンを搭載するベーシックな4ドアセダンが輸入販売されました。

 しかし、販売は好調とはいえず、2001年に日本での販売を終了。現存数も少なく、実際にはカリスマになれなかったクルマです。

■「宇宙」という壮大すぎる車名のモデルとは!?

●マツダ「コスモ」

未来的なデザインのボディに量産世界初のロータリーエンジンを搭載した「コスモスポーツ」

 宇宙を意味する「Cosmo」は、1960年代から1970年代にかけて、人類が他の天体に降り立つ「NASA(アメリカ航空宇宙局)」の「アポロ計画」による有人月面着陸成功によって、日本人にも広く馴染みのある言葉となりました、

 この「コスモ」の名前を使ったクルマが、マツダが世界初の量産ロータリーエンジン搭載車として1967年に発売した「コスモスポーツ」です。

 ロータリーエンジンの小型・軽量・高出力をアピールするために、当時の日本車の水準を大きく超えた「宇宙船」をイメージさせる斬新なスポーツカーとしてデザインされ、まさにこの単語にふさわしいクルマでした。

 2代目以降はラグジュアリー路線となり、4代目のユーノス「コスモ」では、世界で唯一の量産3ローターエンジンを搭載する「贅の極み」ともいえる2ドアクーペとして1990年に発売。

 しかし、景気の悪化に伴う販売台数の低迷により1996年に販売を終了し、コスモの名は消滅しました。

●トヨタ「タンク」

スペース効率を追求したコンパクトトールワゴンの「タンク」

「Tank」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、ガソリンを入れる燃料タンクや「タンクローリー」です。また、市街地では都市ガスの安定供給に使用される「ガスホルダー」と呼ばれる巨大な丸いタンクを想像する人もいるかもしれません。

 それら液体や気体を保存したり、運搬したりするタンクを車名としたクルマがトヨタ「タンク」です。

 ダイハツ「トール」のOEM車として2016年に発売されたトールワゴンのタンクは、1リッタークラスとしてはたくさんの物を積める空間を持ち、幅広いバックドア開口部と低い荷室フロア高で荷物の積み降ろしにも配慮されたモデルです。

 トヨタはタンクの由来を「沢山ものが入る・積める空間を表現」と説明していますが、海外ならばタンクは戦車という意味もあるので、戦闘車両と勘違いされるかもしれません。

※ ※ ※

 最後に紹介したタンクのように、海外では異なるイメージで捉えられてしまうケースもあります。

 一方、海外では和風な名が付けられたモデルもあり、たとえばスズキ「ジムニー」は「サムライ」、三菱「パジェロ」は「ショーグン」、日産「サニー」は「ツル」と命名されて販売されました。

 日本人からするとなぜ? と思ってしまいますが、逆に海外の人が日本で売られているモデルの名前を聞いて違和感を覚えることもあるようです。

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