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最新の軽自動車はオラオラ顔以外が主流!? 癒やし系やSUV風が注目集めるワケ

くるまのニュース 2020年6月4日 9時10分

かつて、軽自動車のデザインでよく見られたのが「オラオラ顔」と呼ばれるいかつい顔つきでした。しかし、近年はそれ以外にも、いかつさを押さえたモデルや「SUV風」など、さまざまなデザインの軽自動車が登場しています。細分化しつつある軽自動車のデザインは、どのように変化したのでしょうか。

■最近の軽自動車は、オラオラ顔じゃないモデルも存在?

 クルマのデザインにおいて、「オラオラ顔」と形容される、迫力ある顔つきの車種が多くあります。なかでも、軽自動車ではエアロパーツが装着された「カスタム系」の仕様が多いこともあり、そういった車種のなかには、いかつさが目立つ「オラオラ」なクルマも目立つかたちでした。

 しかし、近年発売される軽自動車は、決して「オラオラ」ばかりではないようです。いったい、どのようなデザインの軽自動車が登場しているのでしょうか。

 クルマのオラオラ顔に厳密な定義は存在しませんが、 大型のフロントグリルやツリ眼のヘッドライト、そしてメッキの加飾などいずれかのパーツが装着されている顔つきのクルマを指すことが多いといわれています。

 軽自動車以外にも、ミニバンなどでよく見られ、街中でクルマの存在感をより感じられるデザインになっているのが特徴です。

 しかし、最近発表・発売された軽自動車のなかには、オラオラ感を緩めた穏やかな顔つきのモデルも増加しています。

 例えば、ホンダが2019年8月に発売した2代目「N-WGN」は、初代モデルから引き続き標準モデルとカスタムモデルのふたつのデザインが用意されますが、外観がより洗練されただけでなく、カスタムモデルの顔つきを見るとメッキパーツの使い方が控えめかつ上品な印象となっています。

 このN-WGNカスタムのデザインについて、ホンダは「整然とした見え方やしっとりとした輝き方を追求するために、メッキのパーツひとつひとつの形状や配列を細かく調整し、品のある質感を目指しました。

 パーツ全体をギラギラとこれ見よがしに光らせるのではなく、一部にアクセントとしてあしらうことで『キラリ』と輝かせる、品のよさを大切にしています」と説明します。

 初代モデルと2代目モデルでデザインが変わったN-WGNについて、ホンダの販売店スタッフに話を聞くと「N-WGNは標準モデルも含めてデザインが大きく変わりましたが、カスタムモデルのデザインは上質になったという声もいただき、このデザインを好むユーザーも多くいる状況です」と話します。

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 これまでの軽自動車のなかには、前出のように標準モデルとカスタムモデルでデザインを分けるモデルも多く存在しましたが、なかには新たな方法で好みのデザインを選択できるようにしている軽自動車も登場しています。

 ダイハツが2020年6月に発売する予定の新型「タフト」には、外観の印象を大きく変える「メッキパック」というディーラーオプションが設定されています。

 このオプションは、通常はメッキ加飾が少ない新型タフトの顔つきを大きく変えるもので、選択すると「TAFT」の文字が大きく刻印された大型メッキパーツなどが装着され、存在感を演出。

 穏やかで「癒やし系」な印象も感じる標準モデルとは異なる個性を演出できます。

 人気のカテゴリである軽自動車は、ユーザーがさまざまなデザインを選択できるように細分化されているといえるでしょう。

■新たに注目! 「SUV風」軽自動車の特徴とは

 軽自動車のさまざまなテイストのデザインが登場するなかで、近年はSUV風な外観を持つモデルも注目を集めています。

 2018年12月に登場したスズキ「スペーシアギア」や、2019年3月登場の三菱「eKクロス」、2020年3月登場の三菱「eKクロススペース」などが、それにあたります。

 これら3車種に共通するのは、それぞれ標準モデルが設定されたうえで、外観に違いをもたせたSUV風モデルとしている点です。

 SUV風の外観を実現する手法も各車さまざまで、スペーシアギアは丸型のヘッドライトや、ガンメタリック色で引き締められたフロントグリル、フロント/リアバンパー、サイドドアガーニッシュを採用。ルーフレールも装備されます。

 顔つきは、スズキの軽クロカンモデル「ジムニー」を連想させるデザインです。

SUV風なデザインを持つ三菱「eKクロス」

 一方、三菱の「eKクロス」と「eKクロススペース」は、「ダイナミックシールド」というデザインを採用。

 これは同社のSUV「アウトランダー」や「エクリプスクロス」、そしてSUVミニバンの「デリカD:5」にも採用される三菱の共通デザインで、垂直に通したメッキバーと水平基調のグリルの組み合わせにより、力強さと安定感を表現しました。

 これらのモデルは、従来の「標準モデルに対するカスタムモデル」という立ち位置とはまた違うデザインを提案することで、ほかのモデルとの差別化を図っています。

 軽自動車とコンパクトカーとの価格差も縮まっていることから、デザインでの差別化は軽自動車にとって今後も重要なポイントとなりそうです。

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 群雄割拠といえる軽自動車市場において、従来のカスタムモデルが消滅したわけではないものの、ユーザーの好みは細分化され、それに応じて軽自動車もさまざまなテイストのデザインを持つようになってきているといえるでしょう。

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