トヨタ「ライズ」とスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」はともに全長4m未満のコンパクトSUVですが、どちらも絶大な人気を誇っています。この2台にはどのような売れる特徴があるのでしょうか。
■小さいSUVに人気が集まるワケ
2019年11月にダイハツからのOEM車として登場したトヨタ「ライズ」は、発売以降の国内SUV市場をけん引する存在となりました。また、2018年7月に登場し、現在でも納期が約1年ともいわれるスズキ「ジムニー」も未だに高い人気を誇ります。なぜ、小さなSUVに人気が集まるのでしょうか。
ライズは、登場した11月に登録車全体で4位となる7484台を記録。翌12月には登録車全体2位の9117台となりました。
そして、1月(1万220台)、2月(9979台)と首位に輝いた以降もTOP10内を維持し、5月には7916台で登録車2位に再浮上しています。
ライズのボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmの5ナンバー枠に収まるコンパクトなSUVで、最低地上高は185mmです。
パワートレインは、1リッター直列3気筒ガソリンターボエンジンで最高出力98馬力、最大トルク14.3kgmを発揮。WLTCモード燃費は、FF車が18.6km/L、4WD車は17.4km/Lとなっています。
トランスミッションはCVTを採用し、駆動方式は全グレードにFFと4WDを設定。4WDシステムは、ダイハツが開発した「ダイナミックトルクコントロール4WD」と呼ぶ電子制御4WDです。
この電子制御4WDシステムは、舗装路などの通常のドライ路走行時はFFで走行しますが、ドライ路面の発進時や登坂時や雪道などの滑りやすい路面では低速走行中でもリアに駆動力を自動で配分します。
トヨタによると、ユーザーからの評判として「全長4m以下の5ナンバーサイズのボディでありながら、SUVらしい力強いスタイルが受けている」と説明しています。
また、トヨタの販売店スタッフは、「ライズは、ミドルサイズSUV『RAV4』に似たタフさやアクティブさといったデザイン面でも評価されています。また、価格面でも100万円台半ばから設定されている点もお客さまから支持されている要因だと思います」と話します。
ライズの価格は、エントリーグレード「X(FF)」の167万9000円から最上級グレード「Z(4WD)」の228万2200円と、最近の軽自動車と同等の価格帯です。
前出の販売店スタッフは「ライズを検討されるお客さまは、若年層からはお洒落なSUVとして人気があり、高齢者のお客さまは別の車種に乗られていて、取り回しやすく楽しいクルマとして選ばれているようです」と説明します。
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ライズは、ファミリーやパーソナル、若年層や高齢者など幅広いユーザーから支持されていることが人気の要因といえそうです。
■スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」は半年から納車1年待ちでも人気は続く
2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジを遂げた現行の4代目ジムニー/ジムニーシエラは、納車時期が1年待ちといわれるほどの人気ぶりが続いています。
現行ジムニーのボディサイズは全長3395×全幅1475mm×全高1725mmで、ジムニーシエラは全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mmです。
2020年5月時点の納車状況について、スズキ販売店のスタッフは以下のように話しています。
「新型ジムニーの発売直後であれば4か月ほどで納車できる状態でした。しかし、それ以降は納期が伸びており、現在は注文を頂いても1年ほどかかるような状態です。
ジムニーはラダーフレームを仕様しており現在主流の構造ではないため、製造方法が普通のクルマと異なります。そのため、まとまった台数を量産しづらい傾向にあります。
また、最近の国産車には無かったスクエアな外観デザインが好評で、若年層や女性からも人気があります。これらの製造過程と需要増加によって、供給が間に合っていないのです」
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現行ジムニーが支持されている要因について、ジムニーのカスタムを得意とする販売店は、次のように話します。
「元々ジムニーは、林業や土木事業などの仕事で使われるニーズが一定数ありました。同時に、クロカンと呼ばれる悪路を走破する競技やそれに準ずるカスタムも固定のファンがいます。
また、近年ではドレスアップを用いたファッション性をアピールするカスタムショップも多くなっており、従来のコアなイメージからお洒落のひとつに認知されている傾向があるようです。
その結果、これまでクロカンなどに興味の無かったユーザーが現行ジムニーに興味を示すことで、新車の供給が間に合わなくなっているようです。
中古車市場に出回っている現行ジムニーはカスタムされたモデルが多く、ノーマルの場合は新車価格よりも高く設定されていることもあります」
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ライズとジムニー/ジムニーシエラは、全長4mを切るコンパクトなSUVです。日本の道路事情にマッチする取り回しやすさが支持されるベースにあるほか、日本人特有の「SUV人気」や「ファッション性(お洒落)」といった現在のトレンドに合っていることが、ともにユーザーから絶大な支持を集めてるのかもしれません。