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東京アラートの象徴!? レインボーブリッジ初「赤」点灯見納めか? コロナ禍での苦労とは

くるまのニュース 2020年6月13日 7時30分

コロナ禍で発令された東京アラートによって赤くライトアップされたレインボーブリッジですが、このライトアップはレインボーブリッジとして初となります。東京アラートで赤く点灯させた理由は、いったい何だったのでしょうか。また、現場ではどのように対応されたのでしょうか。

■レインボーブリッジはなぜ赤く点灯されたのか?

 2020年6月11日に「東京アラート」が解除されたことで、同日午後11時にレインボーブリッジの点灯色が、それまでの赤からレインボーカラーに変わりました。

 東京アラートの象徴ともいえる真っ赤に染まったレインボーブリッジはこれで見納めになるのでしょうか。

 東京アラートが発令された6月2日から、レインボーブリッジが東京都庁と共に赤い「アラート色」に染まりました。

 筆者(加藤久美子)も何度かこの赤いレインボーブリッジを見ましたが、ふだん美しくライトアップされているレインボーブリッジとはまるで違う印象に、何ともいえない不安な気持ちになりました。

 このレインボーブリッジ初の赤いライトアップは、どのような経緯で実行されたのでしょうか。東京都総務局総合防災部の担当者に聞きました。

――なぜ、レインボーブリッジが赤に染まったのでしょうか。

 東京都庁、そしてレインボーブリッジを赤くライトアップしたのは、コロナウィルスの感染拡大に引き続き警戒して欲しいという意味合いです。6月2日に東京アラートが発令され、「アラート(警告、警報)=赤」というイメージで、首都高さんに協力をお願いしました。ほかに東京都庁も赤いライトアップになっていますが、東京タワーに関しては医療従事者の皆さまに感謝の意を表す青いライトアップになっています。

――レインボーブリッジを赤くすると決めて実行するまでには、どれくらいの日数だったのでしょうか。

 コロナ対策は短期的に手を打っていかないとダメな状況でしたので、レインボーブリッジを赤にすることに関しても、何週間も時間があったわけではありません。本当に素早く対応をいただいた首都高さんには感謝しています。

――レインボーブリッジの赤いライトアップに関して、一般の方からの問い合わせや意見にはどんなものがありましたか。

 多かったのは、「何時から何時まで何色にライトアップされますか」という問い合わせですね。実際は、以下の点灯スケジュールになっていました。

●「東京アラート」発動期間以外(5月25日から6月1日、6月12日から現在)
・19時から20時:主塔を青色に連続点灯(医療関係者等応援ライトアップ)
・20時から24時:7色のレインボーカラーで点灯

●「東京アラート」発動期間中(6月2日から11日)
・19時から20時:主塔を青色に連続点灯(医療関係者等応援ライトアップ)
・20時から24時:赤色で点灯

――かなり強烈な赤でしたが、ネガティブな声はなかったのでしょうか。

 レインボーブリッジが、初めて警戒を表す赤になったことで、さまざまなご意見を頂戴しました。20時から24時の間で、6月2日から赤色で点灯を始めたのですが、コンスタントに反響はありました。とくに、ご近所にお住まいの方にとってはあまり心地よい色だとは感じられなかったようです。夜になると毎晩あの刺激的な赤い色が視界に入る、というご意見がありました。

■ケーブルが3色に変化するライトアップはレインボーブリッジが世界初!

 青くなったり、赤くなったり、またレインボーカラーになったりと、5月25日以降レインボーブリッジのライトアップは目まぐるしく変わってきました。

レインボーカラーでライトアップされたレインボーブリッジ

 1日5時間の点灯時間のなかでも、青→レインボー、青→赤に色を変えてきたわけですが、実際、色を変える作業はどのようにおこなわれるのでしょうか。首都高速道路株式会社経営企画部広報課(以下首都高広報課)に聞きました。

――色を変える作業はどのような手順でおこなわれますか。

 プログラミング制御をしております。考案したデザインをもとに演出データを読み込み、試験点灯をおこないます。点灯スケジュールを作成し、本番の点灯に至ります。施設管制室にて運用・監視しています。

――青色や赤色の一色でレインボーブリッジをライトアップするのは初のことだと思いますが、実際の作業はいかがだったでしょうか。

 コロナ禍で限られた時間のなかで、青や赤一色にする演出の開発からおこなう必要があり、コロナ感染防止に配慮した試験点灯を含む色づくり作業、点灯開始日や時間帯などを確実に完了させなければいけなかったことが大変でした。

※ ※ ※

 ところで、さまざまな色とデザインで東京湾の夜を彩るレインボーブリッジのイルミネーションは1993年の開通当初から実施されていますが、ケーブル部分のイルミネーションが「緑・白・ピンク」の3色に変化する技術は、橋梁の照明としては世界初だったそうです。

 ランプには長寿命、省電力、高輝度などの特徴をもつ光源「無電極ランプ」を採用し、非常に明るいですがドライバーが幻惑するような眩しさはなく、交通の安全を守りながら美しい夜景を作り出しています。

 コロナ禍以降は青、赤、レインボーと特別なカラーでのライトアップがおこなわれてきましたが、通常は主塔が涼しげな白色の「夏パターン」(4月から10月)、主塔が温かみのある白色(温白色)の「冬パターン」(11月から3月)、そして「スペシャルライトアップパターン」の3種類があります。

 夏パターンと冬パターンでは、ケーブル部分に使われている152灯が、曜日や時間にあわせて白・緑・ピンクに色を変化させています。

 東京アラートが解除され、「自粛」から「自衛」へ。東京は新しいウィズコロナの局面に入りました。

 2021年の東京五輪の時期には、レインボーブリッジやゲートブリッジを彩る、特別デザインのライトアップが見られるかもしれません。

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