メルセデス・ベンツ日本は2020年6月25日、コンパクトSUVの新型「GLA」とニューモデルの「GLB」を同時に発表した。兄弟車でもあるこの2台の違いとはなにか。考えてみた。
■6月25日に同時に日本上陸を果たしたGLAとGLB
メルセデス・ベンツ日本は2020年6月25日、コンパクトSUVの新型「GLA」とニューモデルの「GLB」を同時に発表した。
GLAとGLBはともにメルセデス・ベンツのコンパクトモデルである「Aクラス」や「Bクラス」、「CLA」などで採用されるFFプラットフォーム「MFA」を採用しており、GLAとGLBはいわば兄弟車という位置づけにある。メルセデスSUVラインナップのなかでももっともコンパクトなSUVだ。
そんなGLAとGLBにはどのような違いがあるのだろうか。
まずは新型GLAを見ていこう。GLAは2014年に初代が登場、今回日本で登場したモデルは、はじめてのフルモデルチェンジを果たした2代目となる。
対するGLBは、まったくのニューモデルとして登場。メルセデスのSUVとしては9車種目となる新型車だ。
●ボディサイズ:新型GLAよりGLBのほうが224mm長い
新型GLAのボディサイズは、全長4410×全幅1834mm×全高1611mm、ホイールベースは2729mm(欧州仕様)。従来型GLAのサイズが全長4430×全幅1805mm×全高1505mm、ホイールベースは2700mm(日本仕様)だから、従来型と比較すると全長は20mm短く、全幅は29mm幅広く、全高は106mm高くなった。
従来型GLAが、一般的な立体駐車場(高さ制限1550mm)にも駐車できる全高だったのに対し、新型GLAは1611mmとなったため、駐車できない立体駐車場もあるかもしれない。
GLBのボディサイズは、全長4634mm×全幅1834mm×全高1659mm、ホイールベースは2829mm(欧州仕様)。
GLBは、新型GLAに対して全長で224mm、ホイールベースも100mm長い。また全高も48mm高められている。
●室内空間:新型GLAは5人、GLBは3列7人乗り
GLAは従来型と同様に、オーソドックスな2列5名定員となるのに対して、GLBは3列7人乗りを実現している。
欧州ではGLBのサードシートはオプション扱いとなっているが、日本導入に際して標準装着とされた。
GLBは全長4634mmというサイズなのにもかかわらず、この3列シートを採用したことで人気になりそうだ。もちろんサードシートを使わないときには格納することも可能で、その際の荷室容量は570リッターを確保。最大荷室容量は1805リッターとなる。
■同じディーゼルエンジン搭載のGLAとGLBの価格差は10万円だが…
●グレード:新型GLAは1グレード、GLBは2グレード
欧州ではガソリン2種類ディーゼル2種類、さらにメルセデスAMGモデルもラインナップするGLAとGLBだが、まず日本に上陸したのは新型GLAが1グレード、GLBが2グレードとなった。
新型GLAは「GLA200d 4マティック」の1グレードだ。欧州ではFFも選べるが、まず日本に導入されたのは4WDの4マティックで、150ps・320Nmを発生する2リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジン「OM654q」を搭載する。
GLBは2グレードを用意する。「GLB200d」は、新型GLAと同じ150ps・320Nmを発生する2リッター直列4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載するが、駆動方式は4マティックではなくFFとなる。
GLBのもうひとつのグレード、「GLB250 4マティック スポーツ」は、224ps・350Nmを発生する2リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載するモデルで、こちらは4WDの4マティックになる。
●車両価格:GLA/GLBディーゼルモデルの価格差は10万円だが
新型GLA200d 4マティックの車両価格は502万円になる。
従来型のGLAは、FFで122ps・200Nmを発生する1.6リッターターボエンジンを搭載する「GLA180」が422万円、4WDで184ps・300Nmを発生する2リッターターボエンジンの「GLA220 4マティック」が476万円、4WDで211ps・350Nmを発生する2リッターターボエンジンの「GLA250 4マティック」が543万円だった。
対してGLBは、FFのGLB200dが512万円、4WDのGLB250 4マティック スポーツが696万円となる。
同じエンジンを搭載するGLA200d 4マティックとGLB200dの価格差はわずか10万円だが、GLA200d 4マティックが4WDなのに対し、GLB200dはFFなので、実際の価格差よりもその差は大きい。
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新型GLAは、従来型GLAのクーペSUVのデザインを踏襲しているが、全高を100mm近く上げたことでより広い室内を実現している。さらに、従来型よりも全長が20mm短くなったのにもかかわらず、後席のレッグスペースは116mm広くなっているという。
また4WDの4マティックを採用したことで高い悪路走破性も実現。新型GLAは都市型SUVながら、アクティブなユーザーに最適な1台といえる。
GLBは、新型GLAよりも224mm長い全長を活かし、7名乗車を実現している点は大きい。ミニバンに代わるSUVとして、ファミリー層を中心に人気を獲得しそうだ。