2020年6月16日に世界初公開されたレクサスの新型「IS」ですが、歴代ISオーナーの反響はどうなのでしょうか。また、ISと同じくFRスポーツセダンの日産「スカイライン」オーナーからはどのような反応があったのでしょうか。
■初代ISことアルテッツァ&マイチェン前オーナーの反響はどうなのか
世界的な事情を鑑みて何度かの発表延期の末、2020年6月16日に世界初公開されたレクサスのコンパクトFRスポーツセダン「IS」。ビッグマイナーチェンジという形で登場しましたが、歴代オーナーからはどのような反応があったのでしょうか。
日本市場におけるISの歴史は、1998年にトヨタブランドから発売されたFRセダンの「アルテッツァ」から始まります。
当時、日本ではレクサスブランドが展開されておらず、日本向けの仕様変更を施したアルテッツァがネッツ店で販売されました。そして、翌1999年から欧州などで初代「IS」が登場しました。
日本で販売されたアルテッツァは、当時最新だったFRプラットフォームが用いられ、2リッター直列4気筒ガソリンの6速MT/5速ATと、2リッター直列6気筒ガソリンの6速MT/4速ATというふたつのパワートレインを設定。1998-1999日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、スポーティセダンなモデルとして一定数の評価を得ていました。
しかし、2005年にレクサスブランドが日本で展開されることとなり、同年9月に2代目ISが登場したことで、アルテッツァの車名は姿を消したのです。
2代目ISの日本仕様には、2.5リッターV型6気筒ガソリンと3.5リッターV型6気筒ガソリンで全車6速ATを設定。後に海外市場では、2.2リッター直列4気筒ディーゼルと6速MTを組み合わせたモデルも存在しました。
また、国内では2代目ISの派生車として、5リッターV型8気筒エンジンを搭載する「IS F」や、「IS C」というコンバーチブルモデルが2014年まで販売されていました。
そして、2013年に現行モデルとなる3代目ISが登場し、2.5リッターV型6気筒エンジン、2.5リッター直列4気筒ハイブリッド、3.5リッターV型6気筒エンジンと3種類をラインナップ。2.5リッターガソリン車は6速AT、3.5リッターガソリン車には電子制御8速AT、ハイブリッド車には電気式無段変速機が設定されます。
その後、2015年の一部改良において、レクサス初のターボ車となる「IS200t」(2リッター直列4気筒ターボ搭載)を追加。トランスミッションは、電子制御8速ATが搭載されました。
さらに2016年のマイナーチェンジでは、デザインの進化や2.5リッターV型6気筒エンジンが廃止されるとともに、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」の標準設定によって安全運転支援機能が強化されています。
今回のビッグマイナーチェンジでは、エンジンラインナップはそのままですが、新型ISのターボ車はトランスミッションの制御を変更し、ハイブリッド車ではモーターをより積極的に使用する制御に変更されました。
では、今回のビッグマイナーチェンジを受けて、現行ISのユーザーからはどのような反響が出ているのでしょうか。レクサスの販売店スタッフは次のように話します。
「現行オーナーからはデザインに関して好評を頂いています。実際、ISをあまり知らないお客さまからはどこが変わったのか説明しなければいけませんが、ISオーナーからは『スポーティな印象が高まって、良いデザインだね』というような声を頂いています。
また、新採用のL字をモチーフにした横長のリアコンビネーションランプは、後方から見た際にとても存在感があることから、『実車を早く見てみたい』というお客さまもいるほどです。
ただし、現行ISのモデルライフ的に今年で7年目ということもあり、フルモデルチェンジでは無いのかと落胆されている人もおり、正式に発売される前からさまざまな反響があります」
また、初代ISともいえるアルテッツァに現在も乗るオーナーは次のように話します。
「当時のアルテッツァといまのISは似て非なるFRスポーツセダンです。自分はサーキットとかでスポーツ走行をしますが、昔のクルマの方が自分の力量でクルマを操れる楽しさがあったのかなと思います。現在のクルマも色々な電子制御などのお陰で楽しく走れますが、『操る楽しさ』は薄れている気がします」
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現行ISの価格帯は、2リッターターボの「IS300」が480万1297円から542万556円 、2.5リッターハイブリッドの「IS300h」が525万9630円から651万7500円、3.5リッターガソリンの「IS350」が573万8334円から645万5370円です。
ビッグマイナーチェンジ後の新型ISの価格は明らかにされていませんが、同等または若干の値上がりになるのではないかと予想されます。
■FRスポーツセダン復権! 去年話題となったあのクルマと比較
現在、日本市場ではFRセダンが以前より減少しています。そのなかでも、2019年にビッグマイナーチェンジをおこない人気復活の兆しが見えた日産「スカイライン」に乗るユーザーからは、今回の新型「IS」についてどのような反響があるのでしょうか。
日産を代表するセダンの「スカイライン」は2019年7月にマイナーチェンジを発表。同年9月17日に発売され、これまでのマイナスなイメージを払拭したといえる改良やグレード追加がおこなわれました。
マイナーチェンジの内容は、外観デザインを大幅刷新すると同時に、日産が展開する高級ブランド「インフィニティ」から「NISSAN」のロゴが変更されたこと、テールランプにスカイラインの伝統である「丸テール」が復活したことが挙げられます。
また、スカイラインにはガソリン車とハイブリッド車が設定されていますが、ハイブリッド車には、ハンドルから手を離したまま高速道路を走行できる最新システム「プロパイロット2.0」を国産車初搭載したことも大きな話題となりました。
そして、クルマ好きやFRセダン好きが注目した点では、標準グレードに搭載されるエンジン(最高出力304馬力)から100馬力以上アップした、405馬力のエンジンを積む「400R」というグレードが新たに設定されたことです。
日産によると、「マイナーチェンジ後のスカイラインは、当初の想定以上にガソリン車の割合が高くなっており、そのガソリン車のなかでも400Rは約6割を占めます。また、グレードごとの月別販売実績でも400Rの人気は高いまま推移しています」というように、FRスポーツセダンが再注目されていることがわかります。
では、同じFRスポーツセダンとして、ビッグマイナーチェンジが発表された新型ISについて、スカイラインを取り扱う日産の販売店スタッフは次のように話します。
「400Rを検討されるお客さまのなかには、価格帯が似ていることや同じFRスポーツセダンのため、IS350のベースモデルと比較される人はいます。
現在、400Rを検討されているお客さまでも、ISのマイナーチェンジは気になっているようでしたが、IS350 Fスポーツであれば70万円から100万円ほどプラスになることが予想され、そのまま400Rを購入されるようです」
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歴代のIS(アルテッツァ)オーナーや国内FRスポーツセダンのライバル的存在といえるスカイライン(400R)からは、気になる存在として期待されています。
新型ISは日本では2020年秋頃の発売が予定されており、今後価格が明らかになることで、ユーザーの反響に変化があるかもしれません。