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美しいフォルムにメロメロ!? 秀逸なデザインのスペシャルティカー5選

くるまのニュース 2020年7月7日 6時10分

1980年代から1990年代にかけて、国内市場で高い人気を誇っていたのがスペシャルティカーと呼ばれるモデルです。現在は人気の低迷から極端に少なくなってしまいました。そこで、往年のスペシャルティカーを5車種ピックアップして紹介します。

■持っているだけで羨望の的!? スペシャルティカーを振り返る

 スペシャルティカーというクルマは定義が曖昧ですが、その多くは2ドアクーペのボディに高性能なエンジンを搭載したモデルです。

 スポーツカーほど尖った性能ではなく、どちらかというとエレガントに走ることを目的にしたのが、近年のスペシャルティカーの特徴ではないでしょうか。

 そこで、往年のスペシャルティカーを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ソアラ」

シリーズ最後のクーペとなった3代目「ソアラ」(画像は北米仕様)

 トヨタ初代「ソアラ」は1981年に発売され、ハイソカーブームをけん引し、幅広い年齢層のユーザーから高い人気を誇りました。

 全グレードで直列6気筒エンジンを搭載するロングノーズのスタイリッシュな2ドアクーペで、デザインだけでなく先進的な装備も注目されました。

 1986年に2代目が登場すると、外観は初代からのキープコンセプトとされ、好景気に湧いていた時代背景もあって初代以上のヒット作になります。

 1991年に発売された3代目は、北米でレクサス「SC」として販売されたためボディが大型化し、よりエレガントなデザインに変貌。

 搭載されたエンジンは280馬力を誇る2.5リッター直列6気筒に、トップグレードには260馬力の4リッターV型8気筒が搭載されるなど、スポーティさとラグジュアリーさの両面を強調しています。

 そして、ソアラとして最終モデルとなった4代目は2001年に登場。すでにソアラの主戦場は北米だったため、オープンカーの人気が高いアメリカの趣味嗜好を取り入れたかたちでメタルトップのオープンカーとなりました。

 2005年には日本でもレクサスブランドの展開が始まると、ソアラはレクサス「SC」に車名が変わることで消滅し、SCも2010年には生産を終了しています。

●日産「レパード」

直線基調ながら美しいデザインを実現した2代目「レパード」

 1980年に登場した初代「レパード」は、先進的なスタイリングの4ドア/2ドアハードトップに、燃費計やフェンダーミラー・ワイパーなど、先進機能を搭載して話題となりました。

 そして1986年にモデルチェンジされた2代目では、当時大人気だったトヨタ「ソアラ」を意識したかのような2ドアクーペに一新。

 直線基調のロングノーズボディに、小ぶりなキャビンとのバランスに優れたデザインで、TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたこともあって、若者を中心に人気が高まりました。

 1988年のマイナーチェンジでは、「シーマ」にも搭載された最高出力255馬力を誇る3リッターV型6気筒ターボ「VG30DET型」エンジンを追加ラインナップし、日産のフラッグシップクーペにふさわしい性能を得ます。

 その後、1992年に「レパードJ.フェリー」に名を変え、ラグジュアリーな4ドアセダンに生まれ変わりますが、デザインの不評などで販売は低迷。

 1996年には4代目としてオーソドックスなデザインのセダンとなりましたが、劇的な販売増にはつながらず、この代をもってレパードは終焉を迎えました。

●マツダ「MX-6」

伸びやかで流麗なスタイルが印象的だった「MX-6」

 1992年に登場したマツダ「MX-6」は、高性能なロータリーエンジンを搭載したユーノス「コスモ」とは、異なるキャラクターのスペシャルティカーとしてデビュー。

 外観はロー&ワイドな流麗で伸びやかなフォルムで、美しいボディラインが印象的なクーペです。

 搭載されたエンジンは、フォードブランドで販売されていた2代目「プローブ」と同じ、2.5リッターV型6気筒と2リッターの直列4気筒を設定。駆動方式はFFの2WDのみとなっています。

 MX-6は、同クラスのスペシャルティカーだった日産「シルビア」やホンダ「プレリュード」には無い、V型6気筒エンジンによる余裕ある走りと豪華な装備で、当時としても贅沢な1台に仕立てられていました。

 しかし、発売直後にはバブル崩壊後の景気後退が著しく、販売数は伸び悩み、1995年には生産を終了します。

■あまりにも美しいビッグサイズのクーペ2台とは

●スバル「アルシオーネSVX」

今も語り継がれるほど美しいクーペ「アルシオーネSVX」

 スバル初のスペシャリティカーとして1985年に発売された「アルシオーネ」は、優れた空力性能を実現した直線基調の外観と、未来感あふれる内装のデザインが特徴の2ドアクーペです。

 そして1991年に、2代目にあたる「アルシオーネSVX」が登場。外観は初代の直線基調から一転し、曲面を多用した流麗で美しいフォルムに変貌しました。

 デザインの原案は巨匠ジウジアーロの手によるもので、アルシオーネSVXの美しさ表現する「ミッドフレームサイドウインドウ」によって、単なる2ドアクーペとは一線を画する個性を主張しています。

 エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒自然吸気を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDを採用。

 アルシオーネSVXはヒット作にはなりませんでしたが、生産は比較的長く続けられ、1997年まで生産されました。

●ホンダ「レジェンドクーペ」

大きなボディを上手に生かした秀逸なデザインの「レジェンドクーペ」

 ホンダは高級車ブランド「アキュラ」を北米で展開するにあたって、1985年にハイグレードなフラッグシップセダン「レジェンド」を発売しました。

 1987年には2.7リッターV型6気筒エンジンを搭載する2ドアクーペ「レジェンド ハードトップ」を追加ラインナップ。

 そして、セダンは1990年に2代目へとモデルチェンジされ、追って1991年にはクーペも2代目が登場。

 2代目「レジェンドクーペ」に改名され、ボディサイズは全長4880mm×全幅1810mm×全高1370mmとかなり大型化されました。

 一方、この大きなボディによって伸びやかな美しいスタイリングを実現しています。

 エンジンは最高出力215馬力を発揮する3.2リッターV型6気筒自然吸気を搭載。セダン用に新開発された4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションは、クーペ専用にチューニングされ、上質な走りと高い走行性能を発揮しました。

 また、安全装備が充実しており、アンチロックブレーキシステム、トラクションコントロールシステム、運転席助手席SRSエアバッグシステムなどを標準装備。

 内装もセダンに比べホールド性を重視したシートの採用などにより、スポーティでありながら高級感あふれるクルマとなっています。

 レジェンドクーペは1996年に生産を終了し、3代目以降には2ドアクーペは設定されていません。

※ ※ ※

 日本では2000年代にクーペのニーズが極端に減少し、メーカーも次々と販売を終えてしまいました。

 欧米では一定の人気を保っていますが、大型かつ高級なモデルが主流で、小型で安価なクーペは世界的にも絶滅しそうです。

 確かにクーペは使い勝手の面で不利ですが、趣味のクルマとして選択肢が少なくなってしまったのは、残念です。

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