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トヨタが新車価格10万円値下げ? コロナ禍で厳しい販売店へ大奨励策を9月まで実施か

くるまのニュース 2020年7月17日 7時10分

2020年7月15日、日本経済新聞は「トヨタ、最大10万円値下げ 国内販売店に原資」という見出しとともに、2020年9月まで一部の新車価格を最大10万円値下げすると報道しています。どのような経緯があるのでしょうか。

■トヨタは9月まで新車価格を値下げするのは本当なのか

 日本経済新聞(以下、日経新聞)は、トヨタが新型コロナ禍の販売台数減少に対応すべく、一部の新車価格を5万円から10万円の値下げをするという記事を出しました。果たしてどういった販売政策なのでしょうか。

新型コロナ禍で新車の販売が低迷するなかでトヨタは経済を回すために販売政策を実施

 調べてみたら記事の雰囲気とずいぶん違うことが判明しました。値下げではなく、メーカーから新型コロナ対応の販売奨励金を出しましょうということらしいです。

 そもそも自動車メーカーはディーラーに対し、各種の販売奨励策を用意しています。年度末におこなわれる、いわゆる決算セールなどが好例です。

 例えば「50台の目標台数を達成したら500万円の販売奨励金を出すので頑張れ」みたいなことをおこなうと、40台目くらいから目標達成のため大幅値引きが飛び出すこともあるから面白い。

 日経新聞の記事によればメーカーが販売奨励金を出すことは珍しいと書いているけれど、販売現場を知らない記者さんと編集デスクなのだと思います。

 販売奨励金は普通におこなわれていることだし、値下げでもなんでもありません。車両価格の値下げは、カタログの変更まで必要になるため難しいです。日経の記事をそのまま鵜呑みしているメディアもあります。

 ただトヨタが新型コロナにより苦戦している販売店に対する援助をおこなうのは本当かもしれません(トヨタが奨励策の内容発表まで確認する方法無し)。

 ユーザーも期間限定で特別に値引きしてくれるとなれば、決算期と同じくそのときに買ったほうが安くなる。販売台数は決算期と同じくらい(3月や12月は突出して売れる)伸びる可能性大です。

 興味深いことに通常の決算期の場合、人気車は販売奨励金制度あっても値引きしてくれないが、今回に限っていえばニュースを見たユーザーから「値引きしてくれるでしょ」とプレッシャー掛けられるだろう。

 といった点で日経新聞の功績は大きい。ちなみに、対象車種はコンパクトカー「アクア」やコンパクトSUV「C-HR」、レクサスブランドではコンパクトSUV「UX」やミドルSUV「NX」などが挙げられている。

■不人気車も販売底上げのチャンス!?

 売れ行きの鈍いクルマも販売奨励金を活用すれば思わず欲しくなるような大幅値引き出来るようになります。

 250万円のクルマで50万円以上値引きしてくれるという商談をされたら、思わずハンコ押してしまうかもしれません。新型コロナで移動手段に安全なクルマを使おうと考えている人達にとって嬉しいプレゼントです。

2020年5月から全店舗で全車種を取り扱うトヨタ系列の販売店

 こうなると厳しいのがライバルメーカー。日産やホンダといったメーカーも、トヨタ車と競合すると値引き対応せざるをえなくなります。

 値引きしないというポリシーを掲げるマツダなど、トヨタと競合したら負けそう。ということで、最大手であるトヨタの大セール開始は、ライバルメーカーも巻き込むことになること必至です。

 クルマを買おうと考えているなら好機到来と考えていいのではないでしょうか。

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