トヨタは、街乗り重視の「ライズ」から本格派SUV「ランドクルーザー」まで数多くのSUVをラインナップしていますが、全国の地域別では人気のSUVに違いはあるのでしょうか。
■トヨタが展開するSUVモデルの人気順を大公開!
近年のトヨタは続々とSUV展開しています。2015年時点では5車種のみだったものの、2020年夏時点には「ライズ」、「C-HR」、「RAV4(RAV4 PHV)」、「ハリアー」、「ハイラックス」、「ランドクルーザープラド」、「ランドクルーザー」など8車種のSUVをラインナップ。さらに、2020年9月初旬には新型SUVとして「ヤリスクロス」の販売も予定されています。
日本自動車販売協会連合会が発表する2020年上半期(1月から6月)の販売台数では、1位ライズが5万8492台、15位RAV4は2万7215台(RAV4 PHV含む)、19位C-HRは1万8389台、28位ハリアーが1万3770台(先代モデル含む)、34位ランドクルーザーは1万501台(プラド含む)となっています。
トヨタが展開するSUVのなかでの一番人気は、トヨタの最小SUVライズです。ライズは、2019年11月にダイハツ「ロッキー」のOEM車として登場しました。
RAV4さながらのタフなイメージを象徴するデザインでありながら、全長4m以下に設計することによって日本の道路事情にも十分マッチする車種です。
続いて、2番目に人気を集めているのは、本格オフロード性能を備えたRAV4です。2019年4月に登場以来、トヨタ車では10年ぶりとなる「2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した車種となりました。
3番目は、コンパクトSUVのC-HRです。2016年12月に登場以降、2017年に11万7299台、2018年に7万6756台を販売しており、2年連続でもっとも多く販売されたSUVとなりました。
4番目の人気を誇るのが、元祖ラグジュアリーSUVとしても知られるハリアーです。1997年に初代モデルが販売され、2020年6月には4代目となる新型ハリアーが発売。歴代ハリアーのラグジュアリー性を正常進化させたデザインが人気を集めて、先行予約開始から約2週間で2万台を受注するなど大きな話題となっています。
そして、5番目に人気となったのが、トヨタを代表する最強SUVのランドクルーザーとランドクルーザープラドです。
では、これらのトヨタSUVについて、ユーザーはどのように評価しているのでしょうか。関東圏のトヨタ販売店は以下のように話します。
「デザイン性で選ばれる人には、ランドクルーザープラドが人気です。ただし、ボディサイズが大きいため、都心の狭い道幅になると運転に自信がある人でないとハードルが少し高くなります。
そのため、あまり運転に自信の無い人や駐車場の制限によって、ライズのようなコンパクトSUVも需要が高いです。
一方、都心であまり選ばれることが少ないのはC-HRです。ちょうどいいサイズではありますが、駐車場などのスペースによってはギリギリOKかNGかは状況によります。
実際に、今の住まいではOKでも、引っ越し先ではサイズオーバーであることがわかり、他車種を検討することになったというお客さまもいます」
■大阪はラグジュアリーSUVが人気?
関東圏ではサイズが重要視される一方で、地方別の人気はどうでしょうか。関西圏のトヨタ販売店スタッフは、次のよう話します。
「関西圏のなかでも、大阪府内ではハリアーの所有者が圧倒的に多いです。高級志向である点が非常にウケが良く、新型が発売されてからはハリアー目当てのお客さまが9割という日もあったほどです。
ただし、近年のマイナーチェンジ後に幅が大きくなったことから、パレット式の駐車場では停められないケースもあることから、やや小さめのC-HRやRAV4の需要も高くなっています」
また、中部地方に位置する名古屋市内のトヨタ販売店では、次のように話します。
「近年、名古屋市内のマンションでは立体駐車場が増えており、SUVやミニバンなどは車高の問題で駐車できないケースがあります。
そのため、こうした駐車スペースに考慮したうえで、ライズやC-HRといったSUVが多く選ばれている傾向にあります。ただし、予算に余裕がある人には、RAV4やハリアーも人気です」
降雪地域でもある青森県のトヨタ販売店は、次のように話します。
「そもそも、雪国なのでSUVモデルは非常に重宝されています。
なかでも、人気を集めているのがランドクルーザープラドです。冬場でも運転しやすいため、県内でも非常に需要が高く、女性ユーザーの所有も目立ちます。また、悪路走行に特化したRAV4も需要が高いです」
トヨタが展開するSUVのなかでも、トータル的に1番人気を誇っているのはライズでしたが、各地域ごとのユーザー評価を確認すると、その結果は異なりました。
また、幅広いサイズが展開されるSUVでは、各地域の駐車場問題や天候状況によって、人気の高いモデルに差が出るようです。
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前述のように、2020年9月には新型ヤリスクロスが発売される予定です。ヤリスクロスは、コンパクトカー「ヤリス」の派生車となり、ボディサイズではライズとC-HRの間に位置します。
また、パワートレインや駆動方式はガソリン車(2WDと4WD)とハイブリッド車(2WD/E-Four)を設定するなど幅広いユーザーのニーズに対応しています。
そのため、今後のトヨタのSUVラインナップでは販売上位の車種として各地域でも人気となるかもしれません。