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賛否両論のオートライト機能 実はワイパー操作でライトが点くクルマもあった!

くるまのニュース 2020年8月12日 11時10分

2020年4月以降の新型車からオートライト機能が義務化されました。なぜオートライト機能は義務化されたのでしょうか。また、日産ではワイパー操作と連動してライトが点灯する機能もあるといいます。

■なぜオートライトは義務化されたのか

 昨今、新車のヘッドライトに大きな変化が起きています。その大きな理由はオートライトの義務化です。2020年4月以降の新型車(継続生産車は2021年10月から)は、オートライトの装着が義務付けられています。

 オートライトとは暗くなるとヘッドライトを自動的に点灯する機能のことです。従来から採用している車種もありますが、2020年4月からの義務化に伴ってふたつの基準が定められているのがポイントといえます。

 ひとつは、周囲が暗い状態での走行中は任意にヘッドライトを消せないことです。最新のオートライト装着車でも多くの車両にはライトオフスイッチが備わっていて停車中は消すことができますが、いったんオフにしても周囲が暗い時に走り始めると自動点灯する仕掛けです。

 もうひとつは、ヘッドライトが点灯する暗さの基準が定められたこと。以前のオートライトはメーカーや車種ごとに基準がまちまちで、なかにはかなり暗くなるまでヘッドライトを自動点灯しない車種もありました。

 遅めに点灯する意図には「早めに点灯すると『ライトが点くのが早すぎる』というオーナーからの苦情が少なくなかったのも理由のひとつ」と自動車メーカーの開発関係者はいいます。

 しかし法制化されたオートライト基準はヘッドライトを点灯しなければならない暗さが定められ、それは1000ルクス未となり、街灯が点くのとほぼ同じタイミングです。

 感覚的には多くの人が「まだ暗くはない」と感じる明るさですが、実際には周囲が少しずつ見えにくくなる状況なのです。

 ところで、オートヘッドライトが義務付けとなったのはどうしてでしょうか。大きな理由は安全性を高めるためです。

 ヘッドライトは前方を照らして明るくすると同時に、周囲に対して車両の存在を目立たせる「被視認性」という効果があります。

 たとえばトンネルのなかをイメージしてみてください。ヘッドライトを点灯していないクルマは周囲から存在が分かりにくく、そのため接触事故にあうリスクが高まります。

 ヘッドライトを付け忘れるクルマを無くし、事故を防ぐためのオートライト義務化なのです。

■ワイパー作動でライトが点灯!? 日産の安全アイデアとは

 自動車メーカーによっては定められている基準以外にもヘッドライトを自動点灯する仕掛けを盛り込んでいる場合もあります。

 そのひとつが日産。たとえば新型「ルークス」の取扱説明書を見ると「歩行者事故が多く発生している夕暮れ時や雨天でのワイパー使用時にもランプを自動点灯します」と書かれています。夕暮れ時はわかりますが、ワイパー使用時にも自動点灯するのはなぜでしょうか。

 その理由は雨の日には視界が悪くなるからだといいます。視界が悪くなるということは、周囲のクルマを発見しにくくなります。

 そこで薄暗い状態と同様にヘッドライトを点灯することで被視認性を高めて、事故を防ごうという狙いなのです。

 もちろん雨天時でも周囲が暗い場合にはオートライトで自動点灯します。しかし、天気雨など空が明るい状態での雨には一般的なオートライトでは自動点灯の対象となりません。

 しかし、ワイパーを動かすことでクルマが「雨天」を認知し、それを合図にヘッドライトを自動点灯することで結果として雨の日の安全性が高められるというわけです。もちろんヘッドライト点灯時は、テールランプも点灯します。

ワイパーの作動と連動してヘッドライトが点灯する日産「ルークス」

 ワイパーと連動するヘッドライト点灯は、自動車メーカーが考える事故を減らすためのアイデアといえるでしょう。

 その機能のために新たなセンサーを組み込む必要もないので、ユーザーにコストの負担を掛けないのも優れたポイントのひとつです。

「歩行者事故が多く発生している夕暮れ時や雨天でのワイパー使用時にもランプを自動点灯します」という説明は、2017年にデビューした現行型「リーフ」の取扱説明書にも記載されています。

 安全性能といえば衝突被害軽減ブレーキなど先進性能ばかりが注目されますが、自動車メーカーは少しでも安全面に寄与する取り組みを搭載しようと地道に工夫していることが伝わってきます。

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