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発売早々人気モデルに!ダイハツ新型「タフト」に乗って感じた5つの魅力

くるまのニュース 2020年8月17日 10時10分

2020年6月に発売されたダイハツ新型「タフト」は、軽自動車のSUVです。他車にはない個性を備えたモデルとして人気を集めるタフトとは、どのようなモデルなのでしょうか。

■ほかのクルマにはないタフトだけの個性とは?

 2020年6月10日に発売されたダイハツの新型軽自動車「タフト」が好調なスタートを見せています。4000台という月間販売目標に対し、発売後1か月で1万8000台も受注しました。

 その魅力を探ろうと試乗してみると、ほかの軽自動車には見られないような特徴が多く備わっていることに気が付きました。今回は、試乗して感じた新型タフトの5つの個性を紹介しましょう。

●SUVライクなセパレート感

 新型タフトはクロスオーバーSUVですが、パッケージング的には同社「ムーヴ」などのハイトワゴンに近く、居住性に優れ実用性が高いのがポイントとなっています。

 しかしながら、運転席に座ってみると一般的なハイトワゴンと大きく異なることを感じました。それは左右席が離れている感覚です。

 理由はふたつあり、ひとつは左右席が独立した“セパレートシート”を採用していること。ハイトワゴンの多くは左右が繋がったベンチシートとしていますが、タフトは違うのです。

 もうひとつはセンターコンソールの存在。運転席と助手席の間には、上部が小物を置くトレイとなり後方に電動パーキングブレーキのスイッチが組み込まれるセンターコンソールが備わっています。

 セパレートシートとセンターコンソールにより、新型タフトの運転席は包まれ感が強いのです。それはハイトワゴンタイプの軽自動車と考えれば極めて異例です。

 新型タフトのそんな運転環境についてダイハツは「コックピット感のあるデザイン」と説明します。一般的なハイトワゴンとは異なる、個性的な雰囲気を狙っての演出といっていいでしょう。

 ただし、セパレートシートにセンターコンソールを組み合わせる新型タフトは、ベンチシート車ならではの実用メリットとなっている「左右席間横移動の容易さ」は諦めています。

 それをどう受け取るかは、ユーザーの使い方次第。ただ、ほかの軽自動車よりSUVに近い感覚であることは間違いありません。

●運転席から空が見えるガラスルーフ

 新型タフトの大きな特徴となっているのが「スカイフィールトップ」と呼ばれるガラスの天井です。サンバイザーのすぐ後ろから前席に座る人の頭上まで天井がガラス化されていて、開放感を高めてくれます。

 スライドやチルトはできない固定式ですが、現在新車で販売されている軽自動車では唯一のガラスルーフで、グレードを問わず全車に標準装備していることにも驚かされます。

 運転席に座って驚いたのは、そのガラスを通して空が見えることで開放感が高まり、前席でもメリットを受けられること。

 じつは一般的なサンルーフは、前席の人に視界や開放感にはほぼ影響しません。見上げない限り視界に入らないからです。

 しかし新型タフトはAピラーが直立していることによって天井がかなり前方まで伸びていて、その結果として天井のガラス前端の位置も前進。ドライバーや助手席の人の視界に大きく入ることで、上空までパノラマとなり開放感が高いのです。

 この感覚はほかの車ではなかなか味わえないもので、新鮮。これを楽しむために新型タフトを選びたくなると思えるほどです。

 なお、直射日光が眩しかったり熱い状況では、組み込まれたスライド式のシェードを閉じればガラスルーフなしの車両と同様に状態になります。

■アクティブに使うために「後席は荷室」と割り切る

●ボンネットがよく見えて車幅感覚がつかみやすい

 新型タフトのスタイリングは無骨さを強調するために直線基調となっていのが特徴で、長くて水平なボンネットフードは、ほかの軽自動車と大きく異なる部分です。

新型タフトのデジタル柄シートが個性的

 そのメリットとして、実際に運転して感じられたのが車幅間隔の掴みやすさが挙げられます。ドライバーの視界にボンネットフードの左右や前端がしっかり見えるので、狭い道でも安心して走れるのです。

 車幅感覚に不安があるドライバーが軽自動車を選ぶときには、ぜひ新型タフトに試乗してみるといいでしょう。

●リアシートの考え方は割り切っている。でも狭くはない

 ハイトワゴンの多くはリアシートに前後スライド機構を備えています。しかし新型タフトはスライド機構のない固定式です。

 開発者によるとその判断の背景には、「(スライド機構を不要とする分)座面位置を下げて頭上クリアランスを確保すること、軽量化やコスト上昇を抑えること、荷室拡大のために折り畳んだ際のおさまりの良さを考えていること」などいくつもの理由があるそうです。

 シートの取り付け位置は、もしスライド機能を備えたと仮定すると「最後部よりも少し前」(開発者)とのこと。

 そう聞くと後席のひざまわりスペースが狭いと想像するかもしれませんが、実際に座るとたっぷりの余裕があります。

 その広さは後席の広さに定評のある同社のコンパクトSUVの「ロッキー」と同等なので、固定式とはいえ不満がないどころか十分な居住性といっていいでしょう。

●後席格納時が“標準”とも思える荷室の設計に驚き

 新型タフトが前席を優先したクルマ作りだと実感するのは、なんといっても荷室です。

 後席を倒した際の床の状況は「ダイハツの軽自動車でもっともフラット」であり、積載性を重視。スッキリとした床面を見ると、これを実現するために後席のスライドを非採用としたという説明も素直に納得です。

 また、後席ドアにはアームレストがありませんが、開発者によると「それも荷室(の横幅)を広げて荷物をたくさん積むための工夫」と徹底的にこだわっていることがわかります。

 また床面(後席背面も含む)は樹脂になっているので汚れにくく、汚れても水拭きで掃除できるのもアクティブなユーザーにうれしい配慮。キャンプなどアウトドアレジャーのパートナーにちょうどいい仕立てです。

※ ※ ※

 新型タフトに触れて感じたのは、一般的なハイトワゴンの軽自動車とは異なる「取捨選択」です。

 ワゴンタイプの軽自動車の多くとは異なり、後席の快適性を徹底追求するのではなく前席ユースを中心とした設計。

 後席は畳んで荷室とした状態での使い勝手を優先するなど、2人でアクティブに使うことを狙ったキャラクターであることが理解できます。

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