東名高速道路の海老名SAは、休日になると上下線を合わせて1日の平均利用者数が10万人を超えるといいます。なぜこれほど人気があるのでしょうか。
■立地も関係? 海老名SAの人気の理由とは
東名高速道路の海老名サービスエリア(SA)は売上高が日本一のサービスエリアで、いつも多くの人で賑わっています。休日には上下線合計で10万人以上が利用するといいますが、なぜ海老名SAはそれほどまでに人を集めているのでしょうか。
NEXCO中日本によると、海老名SAの2018年10月1日から2019年9月30日の1日の平均利用者数は、下り線では平日2万8000人・休日5万9000人、上り線では平日2万人・休日5万9000人となっており、上下線を合わせると平日は約5万人、休日では10万人以上が1日に訪れています。
ちなみに、オリエンタルランドが公表した東京ディズニーリゾートの1日あたりの入園者数は8万7111人で(2019年度実績、営業日数は東京ディズニーランド/東京ディズニーシーどちらも333日、総入場者数は2900万8000人)、海老名SAにはそれに匹敵する人数が訪れているという計算になります。
なぜ海老名SAには多くの人が訪れているのでしょうか。NEXCO中日本の担当者は次のように話します。
「東京圏から最初のSAであり、下り線は旅の出発地、上り線は終着地として利用されています。下り線のベーカリーの『ぽるとがる』では、海老名メロンパンがギネス記録を持っているなど話題の商品もあるエリアです。これらを通して旅の目的地としても人気があります。
また、全国の有名店や、地元色の豊かな店舗などで、魅力的なメニューや商品を取り扱っており、海老名限定商品なども多くあります」
海老名SAでも、とくに人気を集める名物といえば、下り線にある「海老名メロンパン」です。
48時間の販売個数世界一のギネス記録(2万7503個)にも認定されたことのあるメロンパンは、外側がサクッと硬めのクッキー生地で、なかはふわふわとした食感のメロン風味が人気の秘密です。
お土産には一口サイズのメロンパンラスクも人気があります。
また、上り線での人気グルメは、「きっちんににぎ」のカップライスで、京都発のねぎ飯を三河岡崎風にアレンジした新感覚となっており、一番人気のトッピングは牛すじのようです。
テイクアウトして、ドライブしながら食べられるのも嬉しいポイント。近隣に住んでいるドライバーは、外食先として利用することもあるとのことで、充実した休憩場所というだけでなく、サービスエリアそのものが目的地とされるほど、人気スポットとなっているようでした。
■2020年7月に海老名SAがよりパワーアップ!
さらに、海老名SAの下り線は「EXPASA海老名」として、2020年7月22日よりグランドオープンしています(海老名SA上り線はすでに「EXPASA海老名」として運営)。
EXPASA(エクスパーサ)とは、NEXCO中日本がサービスエリアに展開する商業施設であり、一般的なサービスエリアには出店していない、デパ地下や駅ナカで見るようなテナントが多数入店している施設を指します。
ほかにも、三重県の御在所SA、滋賀県の多賀SA、静岡県の足柄SA・富士川SA・浜名湖SA、山梨県の談合坂SAなどで展開されています。
海老名SAでは、今回のグランドオープンで西側ショッピングコーナーとフードコートの一部が新しくなったほか、東側と西側の双方にショッピングコーナーやカフェを配置するなど、リニューアルが施されました。
また、中央に位置するフードコートには、新たに3店舗が加わったほか、年内にはフードコート内複数店舗の商品をまとめてスマートフォン上で注文・支払いが可能なモバイルオーダーサービス「Fika」の導入を予定しています。
実際に、グランドオープン後に足を運んだドライバーに話を聞くと「想像していたよりも広く、まさかと思うお店がたくさん追加されており、期待以上だった」と話しており、今後もその人気はさらに高まっていくと予想されています。
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より拡張されたEXPASAとして日本一の人気に拍車をかける海老名SAですが、グランドオープンがコロナ禍と重なっている点は、唯一の不安要素でしょう。
前出の担当者によれば、NEXCO中日本管内全体では利用者数が減少しており、2020年6月が対前年比で66.7%、2020年度累計では対前年比で49.9%の実績ということです。
さらなる利用拡大を目指した海老名SAは、無事スタートダッシュを切ることができるのか、注目されます。