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車中泊できる日産「セレナ」爆誕! 使い勝手が良すぎる「マルチベッド」とは?

くるまのニュース 2020年8月21日 11時10分

日産の人気ミニバン「セレナ」の2列シートモデルとして、「マルチベッド」が登場しました。3列目シートを取り外してベッドキットを装備した「セレナ マルチベッド」とは、どのようなモデルなのでしょうか。

■ミニバンだけど3列目シートがない「セレナ」登場!

 クルマの多様化や個性化に対応するために、1986年に日産グループ内の特装車開発の機能・人材を集結させた集団である「オーテックジャパン」が創業しました。

 ノーマルと違った個性的をプラスしつつも、ノーマルと同じようにディーラーで購入可能、かつクオリティや保証もシッカリ受けられる「ファクトリーカスタム」という世界を切り開いた先駆者です。

 これまで生まれたさまざまなスペシャルモデルのなかでも、オーテックというとスポーツ系やドレスアップ系のイメージが非常に強いのですが、じつはアウトドアに適したモデルも数多く販売されています。

 古くは1BOXの「キャラバン/ホーミー」や集配用モデルの「アトラスロコ」をベースしたキャンピングカーがラインナップされていましたが、その最新作が「セレナ マルチベット」です。

 セレナ マルチベットは、使用頻度が少ない3列シートを取り外し、さまざまなシーンに合わせてアレンジ可能なベットシステムを搭載。昨今トレンドの車中泊はもちろん、アウトドアで役立つ空間設計を可能にしています。

 なお、このマルチベッド仕様はセレナだけでなく、「NV200バネット マルチベッドワゴン」や「NV350キャラバン トランスポーターベッドシステムバージョン」といったモデルもオーテックジャパンが手掛けています。

 ベットシステム搭載と聞くと、「自分とは縁がない」「ハードルが高い」と思う人もいるかもしれませんが、ノーマルからマルチベッドへの変更は必要最小限で、普段は普通のミニバンとして使えることも大きなポイントとなっています。

 内張りなどに3列シートの名残はありますが、3列目シートが無くなったことでミニバンのラゲッジ性能の高さを再確認。フロアは撥水性に優れ、汚れてもふき取りが可能なロンジューム張りのパネルを採用しています。

 マルチベットを使用しないときには、ベッド用マットはラゲッジスペースに収納でき、空間を上下に分ける収納棚としても使えます。結果的ではあるものの、セレナの特徴のひとつである「デュアルバックドア」の使い勝手もアップしています。

 ベッドを使用するときは、セカンドシートをリクライニングし、ラゲッジアンダーボックスに収納されるベッド用フレームをフロントシート後側に取り付け、ベットマットを並べるだけでOK。

 そこには長さ2150mm、幅1310mmと、大人ふたりがゆったり休むことが可能な、フラットで広々とした空間が生まれます。

 実際に寝てみましたが、150kgの荷重に耐えられる設計になっているので重量級の筆者(山本シンヤ)でもまったく問題なし(笑)。ベッドマットを設置した状態でも室内高は830mmあるので、圧迫感はありません。

 ベットマットは合板とウレタンの組み合わせて適度な硬さになっていますが、実際に使用する際は高反発素材や空気を用いたマットの併用がお勧めでしょう。

■車中泊だけじゃない! アイデア次第でいろいろ使える

「普通のセレナでもシートを倒せばフラットになるのでは?」という声も聞こえてきそうですが、実際に使うと「フラットに近い状態」と「フラット」では雲泥の差であることがよくわかります。

見た目は普通のセレナでも、中身は車中泊仕様の「マルチベッド」

 もちろん、マルチベッドを使用したままの運転は絶対にNGです。

 そもそも、ベッド用フレームを取り付けた状態ではフロントシートが後方にスライドしないことから、正しい運転姿勢が取れない可能性があります。マルチベッドは、あくまでも停車時の休憩中に使用するということになります。

 さらに、ルーフに装着される左右のアシストグリップ取り付け位置部を活用し、ハンガーとしても使えるサイドマルチパイプに加えて、サーフボードやスキー、釣り竿などの長尺物がそのまま車内に収納可能なアタッチメントも用意。この空間をどう活用するかはアイデア次第なのです。

 ちなみに筆者はベットアレンジを試しているときに、「これは!」という使い方を発見しました。

 マルチベッドをラゲッジスペース部分のみにレイアウトし、2列シートを前に倒して後ろ向きに座ると、ベッド部分がちょうどテーブルの高さになり、簡易的なデスクとして活用できるのです。

 コロナ禍でテレワークが増えていますが、自宅でのワークスペースに苦労している人も多いと聞きます。これなら誰にも邪魔されず仕事に専念できる部屋の代わりになると思います。

 マットは防水生地(ネオソフィール)を使用しているため、汚れもふき取りやすく衛生的にも安心。電源はUSBポート、もしくはディーラーオプションのマルチアウトレットを活用すれば問題ないでしょう。

 ただ、そうはいうものの、現状では電源の確保や酷暑でエアコンが必須のため、エンジンを掛けっぱなしにするのはかなり気が引けるのも事実です。駐車場所によってはアイドリング禁止の場合もあるので、そのあたりは注意したい部分といえます。

 ちなみにパワートレインは、2リッターガソリンの「S-HYBRID」仕様と1.2リッターの発電用エンジン+モーターの「e-POWER」仕様と、標準モデルのセレナと同じラインナップ。

 e-POWERは電動エアコン採用なのでサブバッテリー搭載や外部給電ができると電源の確保やエアコンの問題は解決します。オーテックジャパンさん、いかがでしょうか。

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