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軽自動車でキャンプってアリ!? ウィズコロナで変化するオートキャンプ事情とは

くるまのニュース 2020年8月30日 7時30分

3密を避けながら身近で手軽に楽しめるレジャーとして、オートキャンプが再注目されています。ただし、ここにも“新しい生活様式”に沿ったルールが存在しています。ウィズコロナ時代のキャンパーの傾向やキャンプ場が実施している対策とキャンパーの心得について、オートキャンプ協会に聞いてみました。

■おひとり様や軽自動車のキャンパーが増加

 新型コロナウイルス感染症の影響により、多くのオートキャンプ場が閉鎖を余儀なくされていましたが、緊急事態宣言が全面的に解除された後は徐々に再開しています。

 かつて年間1580万人が参加し、大ブームに沸いた1996年は、バブル崩壊後のことでした。それまでの豪華さを求めたレジャーから、自然のなかで身も心も癒されるレジャーとして、オートキャンプが注目されました。

 一方、「ウィズコロナ時代」を迎え、外出規制で「巣ごもり」による反動もあり、ソーシャルディスタンスが確保しやすい屋外で、手軽に非日常が楽しめるということで、オートキャンプの需要が再び高まっているのです。

 日本オートキャンプ協会は2020年7月15日、国内のオートキャンプの状況を分析した「オートキャンプ白書」の2020年版を発行しました。

 それによると、2019年のオートキャンプ参加人口は前年比1.2%増の860万人を記録しました。新型コロナ禍以前のデータですが、この段階においても2012年から7年連続で前年を上回っています。

 そのなかには、「オートキャンプ歴1年」のビギナーが前年比で5.8ポイント伸びていたり、キャンプ場までの移動時間は平均3時間と前年より12分短縮され、加えて軽自動車での利用者が増えているなどの特徴がありました。

 一般社団法人日本オートキャンプ協会事務局長の堺廣明氏は、次のようにいいます。

「近年はテレビやネット動画などでキャンプが取り上げられる機会が多く、キャンプを始める人が増えています。最近は、3密になる状況も少ないとあって、マスコミにも数多く取り上げていただいているので、皆さんの認識が広がって、キャンプを始めてみようという人は増えるのではないでしょうか。

 移動時間については、キャンプの時間を優先する傾向にあると思われますが、現在の移動制限や長距離の移動を控える傾向から、今後は居住県内にある、近場のキャンプ場が注目されるでしょう」

 とくに現在は、県外ナンバーに対して多くの人が敏感になっています。オートキャンプ場は日本全国で1000か所を超えており、東京にも13か所あります。

 もともとキャンプは、わざわざ遠出をしなくても楽しむことができるレジャーです。調べてみると意外と身近な場所で見つけることができます。

 また、ビギナーが増えている点も、これからやってみようと思う人には、肩身の狭い思いをすることなくキャンプを楽しめそうで、うれしい傾向かもしれません。

 さらに「オートキャンプ白書」によると、オートキャンプに使用されるクルマでは、ミニバンが変わらず1位で33.4%。

 続いてステーションワゴン、オフロード型4WD・SUVの上位3つは変わりませんが、セダンに替わって軽自動車が4位(7.2%)に上がってきました。

「以前はキャンプというと、『ミニバンやSUVじゃなきゃ』というのがありましたが、いまは道具もコンパクトになり、なるべく物を減らしてキャンプをやろうという人も増えています。

 ソロキャンプも増えていますが、最近の軽自動車のワンボックスなどは車内が広くなっているというのもあると思います」(堺氏)

 キャンパーの傾向として、「ソロキャンパーが増えた」と回答したキャンプ場が51.7%と、前年比で15.5ポイントも伸びたというデータもあり、ソロキャンプ人気も利用するクルマの小型化を押し上げていると見られています。

 今後は感染予防の観点からも、オートキャンプは大人数ではなく家族や個人など少人数で、近場で、コンパクトなクルマで、といった傾向がますます高まっていくことが予想されます。ミニマムなスタイルで楽しむのが、今流のオートキャンプのスタイルといえるのかもしれません。

■キャンパーが取るべき感染防止策とは?

 オートキャンプの世界にも、“新しい生活様式”に沿った新たなルールが存在しています。

 たとえば、団体受付を休止したり、共用のテントや寝具の貸し出しをしばらくは停止するなどの感染防止対策が、各キャンプ場で実施されています。

感染防止対策をおこなってキャンプを楽しみたい

 そこで、オートキャンプ場が講じている感染予防の対策について、前出の堺廣明氏に聞いてみました。

「いまではもう日常になっていますが、キャンプ場でも受付をシールドで覆ったり、受付時の人数を制限し、並ぶ際には間隔を空けるなどの対策をガイドラインとしてまとめています。

 とくに管理棟などお客さまが使うところでは、ベンチの間隔を空けたり、炊事場の対面する場所には布をたらすなどの措置を実施しています。

 アルコール消毒も常備しており、貸し出し用の小さいボトルを用意しているところもあります。個別のサイト内はこれまでどおり自由に使っていただけますが、場所によっては間隔を空けているところもあります」

 日本オートキャンプ協会では、このようなキャンプ場が講じるべき対策を指導すると同時に、キャンパー側に求める感染防止策を発表しています。

●キャンパーが取るべき感染防止策

・県境をまたぐ移動については、キャンプ場のある自治体の指示に従う。
・食材や消耗品などの購入は、できるだけ自宅周辺で済ませる。
・出発前に検温などをおこない健康状態をチェックする。
・キャンプ場に到着する途中(サービスエリア、観光施設など)でも3密状態(密閉・密集・密接)を避けるようにする。
・キャンプ場は日常生活を共にしているメンバーで利用する。
・キャンプ場のチェックインは代表者1人がおこなう。
・キャンプ場では運営者の指示に従い、感染防止に積極的に協力する。
・管理棟、炊事場、トイレなどの屋内施設では3密状態を避けるようにする。
・マスクを持参し、他人との距離を十分とれない恐れがある場合に着用する。マスク着用時は熱中症リスクに注意する。
・消毒用アルコールは引火の危険があるので、特に子供は消毒直後に火に近づかないよう注意する。高温になる車内には保管しない。

 3密状態を避けるための工夫のほか、マスク持参や多くとも家族単位での利用を求めている点などは、利用者側のマナーとして注意しておきたいポイントです。

 また、消毒用アルコールの取り扱いへの注意は、感染防止策というより、今後キャンプをする際には必ず徹底しておきたい事故防止策といえます。

※ ※ ※

 現在は家族、個人を問わず外出を控える風潮にありますが、そんな閉鎖的な状況から脱し、自然のなかで開放感を味わうことができるのがオートキャンプです。「ウィズコロナ時代」だからこそ、やってみるべきレジャーのスタイルといえるかもしれません。

「キャンプとかあまり経験したことないから…」という人は、近場のオートキャンプ場で、日帰りのデイキャンプから始めてみてはいかがでしょうか。

 そして、ウイルス感染者を出すことなくキャンプを楽しむためにも、キャンプ場が実施している感染防止策には、積極的に協力しましょう。

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