細かく区分と種類に分けられている日本の免許制度。どの免許を取得すれば、どのようなクルマが運転できるのでしょうか。
■運転をするために必要な第一種免許の種類は全部で10種類
日本の運転免許制度は、細かい区分や種類に分類されています。大きくは、クルマやバイクを運転するための免許である第一種運転免許と、バスやタクシーなど、事業としてお客さんを乗せて運ぶためのクルマを運転するための第二種運転免許に分けられます。
一般的に多くの人が取得する免許である第一種運転免許には、どんな種類が存在し、どんなクルマに乗れるのでしょうか。
日本の第一種運転免許には、普通免許(AT限定免許を含む)、準中型免許、中型免許、大型免許、小型特殊免許、大型特殊免許(カタピラ限定免許を含む)、原付免許、大型二輪免許(AT限定免許を含む)、普通二輪免許(AT限定・小型二輪限定・AT小型限定免許を含む)、牽引免許(小型トレーラー限定免許を含む)の10種類が設定されています。
そして、各免許で運転できるクルマの種類は以下のとおりです。
・普通免許(AT限定免許を含む):普通自動車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・準中型免許:準中型自動車/普通自動車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・中型免許:中型自動車/準中型自動車/普通自動車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・大型免許:大型自動車/中型自動車/準中型自動車/普通自動車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・小型特殊免許:小型特殊自動車
・大型特殊免許(カタピラ限定免許を含む):大型特殊自動車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・原付免許:原動機付自転車
・大型二輪免許(AT限定免許を含む):大型自動二輪車/普通自動二輪車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・普通二輪免許(AT限定・小型二輪限定・AT小型限定免許を含む):普通自動二輪車/小型特殊自動車/原動機付自転車
・牽引免許(小型トレーラー限定免許を含む):牽引自動車
では、このクルマの種類はどのように分類されているのでしょうか。
まず、普通自動車は、一般的にディーラーなどで並んでいる自動車はすべてこの種類に含まれていると考えて問題はありませんが、明確には、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満、乗車定員10人以下のクルマとなります。
そして、準中型自動車は車両総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満、乗車定員10人以下の車両です。
中型自動車は、車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満、乗車定員29人以下の車両。大型自動車は、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上のクルマとなっています。
また、牽引免許が必要な場合は、総重量が750kgを超えるクルマを牽引する場合。総重量750kg以下のクルマを牽引する場合や故障車などをロープで牽引する場合は、牽引免許は不要です。
大型特殊自動車は、特殊な構造を持ち、特殊な作業に使用するカタピラ式やロードローラーなどの装輪式のクルマで、全長12m以下×全幅2.5m以下×全高3.8m以下の特殊車両。代表的なものでホイールローダーやフォークリフト、ラフタークレーンなどがあります。
ちなみに、おもに農作業や雪かき、工場で使われるクルマで、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2mから2.8m以下、最高速度は時速15km以下(農作業用は時速35km未満)の特殊車両は小型特殊自動車となるので、大型免許は不要となり小型特殊免許があれば運転できます。
二輪車の種類は排気量のみの分類となっていて、原動機付自転車が50cc以下、普通自動二輪車が400cc以下、400cc以上は大型自動二輪車です。
■海外でも運転可能!? 日本の免許
日本で取得した運転免許を使用して海外で運転をしたい場合は、ジュネーヴ交通条約に基づいて交付される国際運転免許証の発行手続きをおこなえば、条約締結国間相互において有効となりますが、運転可能な車両は日本の制度とは異なるAからEの区分が定められているため、注意してください。
A:二輪の自動車(側車付きのものを含む。)、身体障害者用車両及び空車状態における重量が400kg(900ポンド)をこえない三輪の自動車
必要な日本の免許:大型自動二輪免許(AT限定含む)・普通自動二輪免許(AT限定・小型限定・AT小型限定含む)
B:乗用に供され、運転者席のほかに8人分をこえない座席を有する自動車又は貨物運送の用に供され、許容最大重量が3500kg(7700ポンド)をこえない自動車。この種類の自動車には、軽量の被牽引車を連結することができる。
必要な日本の免許:第一種 大型自動車・中型自動車(8t限定・AT8t限定含む)・準中型自動車(5t限定・AT5t限定含む)・普通自動車免許(AT限定含む)・第二種 大型自動車・中型自動車(8t限定・AT8t限定含む)・普通自動車免許(AT限定含む)
C:貨物運用の用に供され、許容最大重量が3500kg(7700ポンド)をこえる自動車。この種類の自動車には、軽量の被牽引車を連結することができる。
必要な日本の免許:第一種 大型自動車・中型自動車免許(限定なし)・準中型自動車免許(限定なし)・第二種 大型自動車・中型自動車免許(限定なし)
D:乗用に供され、運転者のほかに8人分をこえる座席を有する自動車。この種類の自動車には、軽量の被牽引車を連結することができる。
必要な日本の免許:第一種 大型自動車・中型自動車免許(限定なし)・準中型自動車免許(限定なし)・第二種 大型自動車・中型自動車免許(限定なし)
E:運転者が免許を受けたB、C又はDの自動車に軽量の被牽引車以外の被牽引車を連結した車両
必要な日本の免許:第一種 牽引免許・第二種 牽引免許
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安全性の観点から、細かく分類された日本の免許制度。しかし、その種類の多さから、取得する側にとって分かりにくい制度になってしまっているのも事実です。
どの免許を取得すれば、どんなクルマに乗れるのか。しっかりと把握することで、活動の幅も広がります。
一方で、免許の取得には、種類ごとに年齢や経験の条件が付帯しているものもあるため、取得を考える場合は取得条件を確認することが重要です。