大型車用の駐車マスに乗用車が多数停められていることによって、トラックが駐車できないというトラブルがSNSに投稿され話題となっています。SA・PAで守るべき駐車マナーとはなんなのでしょうか。
■レジャー客のせいでトラックが駐車できない?
高速道路のサービスエリアやパーキングエリア(SA・PA)には、乗用車枠と大型車枠という駐車スペース(以下、駐車マス)が設置されています。
しかし、近年では乗用車が大型車用の駐車マスに停まっていることで、トラックが駐車できないというトラブルが発生し、SNS上で話題となっています。とくに、2020年9月の4連休では大きな問題となったようです。
トラブルが起きたのは、4連休3日目の9月21日。敬老の日で祝日ということもあり、レジャーなどでSA・PAの駐車場を利用する人が多く、大型車用の駐車マスに何台もの乗用車が駐車されていました。
これによりトラックドライバーがトラックを駐車できないとして、SNSにその様子を投稿したことで、話題となったのです。
投稿に対するユーザーのコメントには、「ひどい」「マナー違反だ」などのトラックドライバーを擁護するものもあれば、「トラックもマナーを守れていない」といった声もあり、SA・PAでの駐車に関するさまざまな意見が寄せられていました。
しかし、そのなかには「たかが駐車場」と、駐車マナーを軽んじる意見も見受けられましたが、「されど駐車場」です。
トラックドライバーが「休憩ができないこと」は、安全運転へ大きく支障をきたすとされています。厚生労働省が定めた基準によると、連続運転時間は4時間を限度としており、運転4時間ごとに合計30分以上の休憩などの運転の中断が必要とされています。
これは法律ではないため罰則はありませんが、違反すると車両停止処分や是正勧告の対象となるため遵守しなければなりません。
また、トラックドライバーにおいては、近年では居眠り運転などが原因の事故が多発していることもあり、十分な休息に対する必要性が見直されています。
企業によっては、監査において走行記録をチェックしており、休憩を取れていないことが確認されれば、最悪の場合は運行管理者が逮捕されることもあるようです。
普通車や大型車に限らず、車種ごとに定められた場所以外に駐車することはルール違反というだけでなく、休息を取れないことによってドライバーが事故を起す原因にもなりかねないため、避けるべき行為です。
では、守るべきマナーとはどういったものなのでしょうか。NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「休憩施設では、『普通車』『大型車』『二輪車』『バス』用などの駐車マスが配置されておりますので、案内表示に従って正しい位置での駐車にご協力をお願いいたします。
普通車と大型車の双方が利用可能な『兼用マス』については、多くのお客さまがご利用いただけるよう、ゆずり合ってご利用いただくとともに、普通車は縦列駐車にご協力をお願いいたします。
また、一部の施設では交通誘導員を配置していますので、誘導員がいる場合は、その指示に従って駐車いただくようご協力をお願いいたします」
■駐車マス不足も問題化、年々増やしているものの課題山積みか
SA・PAの駐車場では、車種ごとに正しい位置で駐車するだけでなく、駐車方法や誘導へ従うことも重要です。
なお、SNSの投稿に対するコメントには、SA・PAの駐車スペースが少ないという声が複数上がっています。
しかし、NEXCO3社は駐車マスの拡充をおこなっています。2019年度に約1350台分の駐車マスの拡充を実施。2020年度は約810台分の追加を予定するなど、徐々に駐車マスの数は増えているのです。
これについて、前出の担当者は以下のように話します。
「2019年度の実績となる約1350台および2020年度予定約810台は、NEXCO3会社あわせてのマス拡充で、『普通車マス数』と『兼用マスを含んだ大型車マス数(=大型車が駐車可能な台数)』の合計値となります。
深夜時間帯を中心に大型車の駐車マスが不足し混雑している状況をふまえ、駐車マス拡充を進めています。
なお、高速道路の路肩や加速車線・減速車線は追突されるおそれがあり大変危険なため、駐車マスでの休息をお願いいたします。
また、長時間駐車はご遠慮いただき、多くのお客さまが効率的に休息を取っていただけるようご理解とご協力をお願いいたします」
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満車で駐車できない状況を回避したい場合は、SA・PAに立ち寄る前に、道路上の電光掲示板をチェックするか、NEXCOが提供するサービス「iHighway」を利用すると良いでしょう。
iHaghwayでは、24時間の交通状況をインターネット上で確認できるため、休憩の際には利用する前に空車かどうかを確認することができます。もし満車であればほかのSA ・PAを探すようにしましょう。