日産の高級ミニバンである「エルグランド」が2回目のマイナーチェンジを受け、大胆なフロントマスクに変更されました。新型モデルは従来モデルとどこが変わったのか、比較してみます。
■エルグランド2回目のマイチェンはフロントグリルに注目!
日産の高級ミニバン「エルグランド」が2020年10月12日にマイナーチェンジして発売されました。現行モデルは2010年に登場した3代目ですが、2014年にビッグマイナーチェンジを受けています。
2回目となる今回のマイナーチェンジでは、どこが変わったのでしょうか。従来モデルと新型モデルを比較してみます。
外観のデザインでは、フロントグリルのデザインが大きく変更しました。大型グリルというところは同じですが、従来モデルのグリルが横基調のメッキ―バーだったのに対し、新型モデルでは緻密なドットが敷き詰められたグリルになりました。
ドットは、上部が大きく、下へいくにつれて形が変化していくデザインで、エルグランドの堂々としたスタイルをよりいっそう強調しています。
2段構えのヘッドライトの基本的な意匠は変わりませんが、従来モデルではグリルを貫くように走るボディ同色のラインで区切られていたのに対し、新型モデルではそのラインがなくなったことからメッキパーツが配されました。
それにともない、グリルを囲うメッキの縁取りが二重になるなど、細かい部分で変更が加えられているようです。
なお、リアやサイドのデザインにおいては、変更はありません。
ボディカラーは日産の新色である「ピュアホワイトパール」、「ミッドナイトブラック」、「ディープクリムゾン」など2トーンを含む全5色をラインアップしています。
これまで設定されていた琥珀をイメージした「インペリアルアンバー」のボディカラーは廃止されました。
内装は、インパネからドアトリムにかけて水平基調に仕立てることでワイドな広がり感を演出しています。中央のディスプレイは、従来モデルの8インチから10インチへ大型化し、ディスプレイ下部にあった操作スイッチがシンプルなデザインになりました。
また、ディスプレイ部分のデザイン変更にともない、エアコン吹き出し口のルーバーが横基調から縦基調に変更されています。
さらに、従来モデルでシルバー加飾が施されていたシフトレバー周りは、シンプルになったエアコンの操作ボタンなどと同じくピアノブラックでまとめられ、高級感のあるデザインになりました。
加えて、上級モデルに装備される本革のプレミアムシートは、従来モデルとキルティングパターンを変更し、モダンな印象としています。
なお、7人乗りは2列目シートがキャプテンシート、8人乗りは2列目シートがベンチシートとなっています。
■グレード体系も変更!「ライダー」がなくなった!?
安全面においては、全方向から運転をサポートする「360°セーフティアシスト」が全車標準装備されました。
「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」や「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」、「BSW(後側方車両検知警報)」、「RCTA(後退時車両検知警報)」などに加え、標識検知機能は進入禁止標識検知機能、最高車速標識検知機能、一時停止標識検知機能が追加されています。
従来モデルから引き続き、パワートレインは2.5リッター直列4気筒エンジンと、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。それぞれCVT(6速MTモード付き)が組み合わされます。
グレード体系においては、従来モデルに設定されていた標準グレードが廃止され、エアログレードの「ハイウェイスター」のみとなりました。
さらに、カスタムカーとしてラインナップされていた「ライダー」が廃止された代わりに、新型エルグランドの最上級モデルとしてプレミアムな内外装が特徴の「AUTECH(オーテック)」が追加されています。
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昨今のミニバンは、トヨタの「アルファード/ヴェルファイア」や「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」などのように、派手な外観のモデルの販売が好調です。
日産でも、2019年に「セレナ」のフロントマスクをダイナミックなデザインに変更するなど、対策を施しています。
エルグランドは、高級ミニバンの元祖として人気を博しましたが、近年はアルファードに押され気味でした。今回の派手顔のフロントマスクへの変更が功を奏するのか、今後の販売動向が注目されます。