トヨタが2020年9月4日に発売した、「ヤリス」ベースのスポーツモデル「GRヤリス」は、20年ぶりに自社開発したスポーツ4WDとして話題となっています。そんなGRヤリスを、スポーツカー好き女子目線で、チェックしてみました。
■トヨタの「スポーツカーを取り戻したい」という想いが込められたモデル
2020年1月に開催された東京オートサロンで世界初公開され、同年9月4日に発売された「GRヤリス」は、トヨタが20年ぶりに自社開発したスポーツ4WDとして話題のモデルです。
そんなGRヤリスを、トヨタ「86」を愛車に持つ編集部員が、スポーツカー好き女子目線でチェックしてみました。
GRヤリスは、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」をベースに空力、軽量、高剛性が追求されたスポーティモデルです。
ベースモデルのヤリス自体も、先代モデルである「ヴィッツ」と比較して、走りと燃費が大きく向上しており、軽快なハンドリング性能などの「走り」に注力して開発されました。
その甲斐もあり、GRヤリスが登場する以前から、走りを重視するファミリー層のユーザーからは人気を得ていましたが、スポーツカーを好む私(筆者)としては、どうしても実用性重視のコンパクトカーという印象は拭えませんでした。
一方でGRヤリスの第一印象は、大きく開口したアンダーグリルが引き立てるスポーティで攻めたデザインが走りへのこだわりを連想させ、少し趣味性が高められたイメージで好印象です。
また、ボディサイズは、ヤリスのボディサイズが全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm-1515mm、ホイールベース2550mmに対し、GRヤリスは全長3995mm×全幅1805mm×全高1460mm、ホイールベース2558mm。
ベースのヤリスと同様に、GRヤリスにもTNGAプラットフォーム「GA-B」が採用されていますが、ドアのレイアウトは5ドアから3ドアへと変更され、全高が多少下げられた以外はすべて拡大されて、5ナンバーサイズから3ナンバーサイズに大型化されています。
大型化され、高級感やこだわり感が出たことは、私にとってかなり評価できるポイントではありますが、ひとつだけ残念に感じられる点、それがドアの枚数でした。
完全なスポーツカーに分類できるモデルを購入する場合、車内のシートレイアウトが2+2の2ドアモデルはデザイン性も良く、さらにエンジンやトランスミッションなども走りへのこだわりのみを追求した高性能なものが搭載されていれば、大満足なのかもしれません。
しかし、86やGRヤリスなどの価格帯のモデルを購入する「走りにこだわりのあるユーザー」は、どうしても実用性の部分を完全に無視することはできない層がほとんどです。
実用性を残したままで、最大限に走りを追求したいユーザー層。それが私を含め、生粋のスポーツカーではなく、スポーティモデルを購入するユーザーの大半を占めています。
そうなると2+2のシートレイアウトに、2ドア、3ドアはどうしても、不便さを感じざるを得ないのです。 それは、実際に86で筆者が痛感している現実でもありました。
そのため、「デザインもいい、走行性能も申し分ない。ただ一点、5ドアのまま現在のGRヤリスに限りなく近いモデルを開発して欲しかった」これが、現在86を愛車に持つ私の純粋な感想です。
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トヨタが満を持して登場させ、世界ラリー選手権(WRC)で勝つために生まれたホモロゲ―ションモデルの役割を担うGRヤリス。
WRCのホモロゲ―ションを取得するためには、連続した12カ月間に2500台以上、車種全体で2万5000台以上の生産台数が必要となります。
そんな登場の背景もあり、本当によく出来たクルマであることは、否定しようのない事実です。
ただ、86やGRヤリスのような価格帯のクルマ購入する走り好きのユーザーは、予算が限られているが故にワガママになりがち。
デザインと走りが良く、かつ実用的なモデルを求めてしまうのです。