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欧州の洗車機を比べてみた! 硬いブラシでボディは傷だらけ!?

くるまのニュース 2020年11月15日 17時10分

クルマ好きには、常に愛車を美しくきれいな状態にしている人が多い。手洗い洗車はもちろんだが、時間がない場合は洗車機で済ませることも多いだろう。では、海を越えクルマ文化が成熟しているヨーロッパでの洗車状況はどのようになっているのだろうか。実際にフィンランド、イギリス、フランスの洗車機を体験した山本佳吾カメラマンがレポートする。

■ブラシが硬くてボディが心配になる洗車機たち

 VAGUE読者の皆さんはクルマ好きだと思いますが、洗車ってどうしてます?

 手洗い? 洗車機? ボクは趣味車は手洗い、仕事車はもっぱら洗車機です。日本の洗車機は、海外の洗車機と比べてものすごく緻密でキレイに仕上がります。ボディにも優しいし。年間90日ほど海外ラリーの取材に行っているボクは、海外の洗車機を頻繁に利用します。今回はそんななかから、3つの国の洗車機をご紹介します。

●フィンランドの洗車機とは?

屋内に設置されたタイプのフィンランドの洗車機。雪が降るからなのかなあ?

 まずはフィンランド。国技といわれることもあるほど、ラリーが盛んな国です。ラリーのことはよく知らなくても、アリ・バタネン、ヤリ=マティ・ラトバラなどの名前に聞き覚えのある人は多いのではないでしょうか?

 フィンランドのラリーの特徴は、ほぼすべてがグラベル(未舗装路)ステージであること。そしてなんといってもめちゃくちゃ速度が高くて、さらにジャンプしまくること。日本のグラベルと違って轍はほとんどなくてスムースな路面なので、レンタカーで走っていても気づいたらとんでもない速度が出ていたりします。全開で空に向かって飛んで行くシーン必見です。

 さて、そんなフィンランドですが、一般道でもグラベルが多いし、ましてやラリー取材で走り回るとレンタカーはすぐに泥まみれ。

 レンタカー会社のなかにはラリー取材で使うというと露骨にイヤな顔をされるか、貸してくれないこともあるのでカウンターでは観光客を装います。普通に走っていてもそれなりに汚れるので、そのまま返却してもいいんですけど、あまりに汚れがひどい時は洗車してから返却するようにしています。無用なトラブルは避けたいですからねえ。

 洗車機が設置してある場所は日本と一緒で主にガソリンスタンド。他には洗車場だったり、高速道路のサービスエリアだったり。

 日本と大きく違う点は、屋内に設置してあることが多いこと。ヨーロッパではよく見かけるタイプですが、とくに寒い地方に多い気がします。洗車機の手前の料金ボックスで支払うタイプもあれば、レジで支払ってから利用するタイプがあります。

 料金は日本と比べて高め。物価が高いから単純に比較することはできないけど。

 支払いが済むと扉が開いて中に進みます。すると屋内に設置された洗車機が前後して洗車するというシステム。海外の洗車機は日本と比べるとものすごく大雑把でダイナミック! ブラシとか硬そうだし、ボディへのダメージが気になるところです。実際、洗車が終わって外に出て確認すると、汚れが落ち切っていないこともよくあります、って言うか毎回そうです(笑)。

■お次は、英国とおフランスの洗車機にチャレンジ!

 続いてはイギリス。今回はWRCのラリーGBが開催されたウェールズ地方の洗車機をご紹介します。

●イギリスの洗車機とは?

洗車機に入る前におじさんが軽く手洗いしてくれます。支払い方法を質問したらウェールズ語で返答されて全く理解できず

 イギリスを構成する4つの国のひとつであるウェールズはイギリスの南西部に位置します。英語の他にウェールズ語が公用語として使われていて、標識や看板は英語とウェールズ語で書かれていることが多いです。地元の人と会話すると、いわゆるウェールズ訛りの英語で難易度高し。

 さて、グラベルラリーのラリーGBですが、名物ともいえる不安定な天候と相まってレンタカーは泥まみれになります。雨だし寒いしで、先輩たちからはGBはツライしつまらんぞ、と散々脅されましたが、実際ツラかったです。

 しかし、みんなが不味いっていう料理だって、美味しいお店もあるしパブの雰囲気も素敵だし、ボクは好きなラリーのひとつです。

 そんなウェールズの洗車機ですが、ボクが行った洗車場は洗車機に入る前におじさんが簡単に手洗いしてくれるシステムでした。

 主にホイールやボディの下回りを手早く洗ってくれて、その後洗車機に入ります。ここのブラシも硬かった!

 そして驚いたのが乾燥と吹き上げ。日本みたいな優しさは皆無。ブワーと風が出たと思ったらめちゃくちゃ硬そうな布のヒラヒラが出てきてボディをバッタバタと吹き上げます。

 終了後、外に出て確認するとほとんど乾いてないんですけどね。

 日曜の夕方に行ったんですけど、それなりに賑わっていました。高級車も多かったけど、傷とか付きそうでこちらが心配になりました。

●フランスの洗車機とは?

見た目は日本の洗車機とほぼ同じ。ただ、見るからに硬そうなブラシ、今じゃもう見ないよなあ

 最後はフランス。なんだかんだで毎年数回は渡航しているフランスですが、舗装のラリーが多いので実はあまり洗車したことがありません。ひょっとしたらここでご紹介する洗車機がフランスで初めての洗車だったかも。

 フランスのラリードライバーはターマック(舗装路)を得意とする人が多く、古くはディディエ・オリオールや、最近ではセバスチャン・ローブやセバスチャン・オジェ。去年、オット・タナックがエストニア人初のWRCチャンピオンになるまでは、ふたりのセバスチャンがチャンピオンの座に君臨し続けていました。

 実は2020年9月に取材でフランスに3週間滞在していました。このご時世なので感染対策は万全に。そんななか、レマン湖そばのエビアンから3日間かけて峠を越えまくってモナコまで走るイベントに帯同しました。

 峠を走るのが大好きなボクでも「もう勘弁してください」っていったほど、お腹いっぱいになる旅でした。

 取材を終えた翌朝、長旅の相棒ルノー「キャプチャー」を撮影するために洗車することに。最終日はモナコに宿泊していたので、洗車場があっても高そうなのでフランスに入国した先のスタンドの洗車機を使うことにしました。

 まずはレジで洗車コースを選んでお支払い。洗車機は日本と同じような感じでした。ただし、ここもブラシは硬め。子供の頃によく見た昭和な洗車機みたいな雰囲気で、なんか懐かしい感じがしました。

 3カ国の洗車機をご紹介しましたが、どこの洗車場も利用者は多い気がしました。ヨーロッパの人達って、クルマは乗りっぱなしで洗車なんかしないってイメージを持つ人も多いと思うけど、意外や意外、キレイにしている人も多いんです。

 今どきバンパーをぶつけて駐車する人だって見たことがないし。支払い方法や洗車方法もさまざまで、言葉の問題もあって一筋縄でいかない時もあるけど、旅の思い出に異国の洗車機、オススメですよ。

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