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元祖「ハマーH1」は1500万円! EV版ハマーより高額なワケとは

くるまのニュース 2020年11月16日 11時50分

EVモデルの登場で復活するハマーだが、元祖となる「ハマーH1」が最新のオークションに登場。その驚きの価格とは。

■「ハマーH1」は、トレーラーに積載できない大きさ

「この車の輸送は、一般的なクルマのトレーラーに収まらないので注意してください」

 RMサザビーズの注意書きには、このようなコメントが加えられていた。実際にその姿を見たことのある者も、あるいは写真でサイズ感を想像したに過ぎない者も、簡単にその意味を理解できる注意書きに違いない。

 RMサザビーズのエルクハート・コレクションに出品された、車両用のトレーラーにも積載できないモデルとは、AMゼネラル社が1992年から販売を開始し、1999年からはGMから販売された「ハマーH1」のことである。

 そもそもハマーH1は、「ハンビー」のネーミングでミリタリー(軍用)として生産されていたモデルだった。後にハマーと呼ばれることになったそれを、シビリアン(民生用)とすることをリクエストしたのは、かつてのカリフォルニア州知事であり、また俳優でもあるアーノルド・シュワルツネッガー氏だ。その希望をもとに、ハンビーは民用車に転用されることになったのだ。

 GMがハマーの販売権を得たのは、前で触れたとおり1999年の話になるが、H1の称号はこの時に付されたもので、将来的にボディサイズの違いによる「H2」、「H3」というラインナップを完成させたいという意思をGMが持っていたことが、今にして思えば容易に想像できる。

 ハマーH1には、ミリタリーモデルをベースとするだけに、その用途に応じてさまざまなボディスタイルが用意されていた。

 今回エルクハート・コレクションに出品されたのは、4ドアのオープントップにキャンバストップを組み合わせた仕様だが、ほかにもハードトップとリアカーゴを持つモデルや、ピックアップトラックなどが存在した。

 もちろん実際にミリタリーの世界では、これをベースにさまざまな改造、あるいは兵器の搭載がおこなわれているから、その仕様は無限大であったといってもよい。

■予想をはるかに上回る1500万円で落札された「ハマーH1」とは?

 出品車のH1は、6.5リッターのV型8気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する1997年モデルである。

 これは1996年モデルでH1に追加設定されたもので、それによって最高出力は195psにまで向上した。そのタフネスさ、そして何より整備性の高さは、実際に投入された戦場では大きなアドバンテージとなったことだろう。

●1997 ハマー「H1オープントップ」

ミリタリー(軍用)として生産されていたものをシビリアン(民生用)に仕立て直した「ハマーH1」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 ソフトトップは簡単に着脱が可能だが、この出品車にはハードトップもともに用意されている。ほかにはウインチやPIAA製のフォグランプなどが特別なオプションで、タイヤはBFグッドリッチ製のオールテレインをセットしている。

 ボディの大きさを気にしなければ、というよりもアメリカではさほど気にならないのかもしれないが、日常的に使える究極のSUVとして人気は十分に高いだろう。

 実際の落札価格は、その人気ぶりを確実に反映したものとなった。オンラインで最終的に示された数字は、7万−9万ドルのエスティメートに対して、14万2800ドル(邦貨換算約1485万円)と予想を遥かに上回る落札価格であった。

 走行距離が1万5239マイル(2万4382km)と年式の割には低く、また全体のコンディションも優れていることが、この落札価格を実現したともいえるだろう。

 ちなみにハマーは、今後EVとしてそのブランドが復活する予定。そうなればさらに、かつてのハマー・シリーズにも注目が集まるのは間違いないだろう。

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