トヨタの欧州法人は「プロエースヴァーソ」のEVモデルである「プロエースヴァーソ・エレクトリック」を2021年初頭に欧州市場で発売すると発表しました。現在日本には存在しない多人数乗車できるEVとなりますが、日本の10人乗り「ハイエースワゴン」とはどのような点が違うのでしょうか。
■航続距離330kmの9人乗りEVが登場へ
トヨタの欧州法人は「プロエースヴァーソ」のEVモデルである「プロエースヴァーソ・エレクトリック」を2021年初頭に欧州市場で発売すると、2020年11月16日に発表しました。プロエースヴァーソは、欧州でトヨタが展開する商用車「プロエース」の乗用モデルです。
日本市場のラインナップでは「ハイエース」に対する「ハイエースワゴン」のような立ち位置のモデルといえますが、ハイエースのEVモデルは2020年現在存在しません。プロエースヴァーソ・エレクトリックはどんなEVワゴンなのでしょうか。
プロエースヴァーソ・エレクトリックは、2020年現在日本には現行モデルとして存在しない、6名以上の多人数乗車が可能なEVです。
航続距離330kmの75kWh仕様と航続距離230kmの50kWh仕様の2仕様が設定されます(ともにWLTPモードの航続距離)。
バッテリーがボディ底面に配置されたことで低重心化を実現。これにより、走行安定性とハンドリングが向上しました。
では、プロエースヴァーソ・エレクトリックの大型乗用ワゴンとしての特徴を、商用車をベースにした乗用モデルという点で共通する日本のハイエースワゴンを比較しつつ、見ていきます。
プロエースヴァーソ・エレクトリックのボディは、小型ボディ、中型ボディ、大型ボディの3種類。用途に応じて複数のグレードが設定され、標準のプロエースヴァーソと同等のバリエーションが用意されます。乗車定員は最大で9人です。
一方、ハイエースワゴンの全長は2種類あり、乗車定員は10人。ちなみに、14人乗りで2ナンバー車(普通免許では運転不可)となる「ハイエースコミューター」というモデルも存在します。
動力性能について見ると、プロエースヴァーソ・エレクトリックは75kWh仕様と50kWh仕様ともに最高出力138馬力・最大トルク260Nmです。
ハイエースワゴンは、全車2.7リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。最高出力160馬力・最大トルク243Nmを発揮します。
ちなみにWLTCモード燃費は8.8km/L(2WD車)、タンク容量は70Lということで、カタログ燃費を元に計算した航続距離は616kmです。
■Apple CarPlay・Android Auto対応ディスプレイでスマートフォン連携にも対応
近年登場する新型車は、スマートフォンとの連携機能を搭載していることが多くありますが、プロエースヴァーソ・エレクトリックも例外ではありません。
インパネに装備される7インチのタッチスクリーンは、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応。スマートフォンのアプリを車内で安全に使用することができます。また、オプションでナビゲーションも設定されるということです。
ハイエースワゴンには現在、スマートフォンとの連携機能のあるディスプレイは搭載されていませんが(ディーラーオプションでナビゲーションの設定あり)、近年トヨタはスマートフォンとの連携機能があるディスプレイ(ディスプレイオーディオ)の普及を進めています。
フルモデルチェンジやマイナーチェンジのみならず、一部改良でも追加される事例もあるので、将来的にはハイエースワゴンへの搭載も期待できるかもしれません。
一方、スマートフォン連携と同様に近年普及が進む予防安全装備についてはプロエースヴァーソ・エレクトリック、ハイエースワゴンともにトヨタセーフティセンスを装備。
衝突回避支援または被害軽減を図るプリクラッシュセーフティや、オートマチックハイビームなどを装備する点で共通します。
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トヨタの欧州法人は、プロエースヴァーソ・エレクトリックの価格や詳細仕様については発売日が近づいた頃に正式発表すると説明していますが、予約受注は2020年11月に開始するということです。
欧州や中国では環境規制が厳しくなりつつあることから、日本メーカー含め多くの自動車メーカーが電動化に向けて舵を切っています。
いずれ、日本のハイエースもEVとして登場することになるのかもしれません。