過激なチューニングで日本でも人気のあるマンソリーが、ポルシェ「カイエン・クーペ」をベースとしたニューモデルを発表。プラス1000万円で得られる、マンソリーだけが持つ過激な世界を紹介しよう。
■現行「カイエン」すべてに装着可能なエクステリア・パーツ
ドイツのチューニング・メーカー、マンソリーが、ポルシェ「カイエン・クーペ」をベースとしたニューモデルを発表した。
正確には「カイエン・ターボ・クーペ」がベースとして選択されているが、マンソリーによれば、それらのエクステリア・パーツは、クーペのみならず、すべての現行カイエンに装着が可能だという。
マンソリーといえば、これまで過激なモディファイで世界のスーパーリッチに支持されてきたメーカーだが、今回は比較的控えめなデザインのアイテムを装着することで、幅広いカスタマーにその魅力を伝える戦略を打ち出してきたようだ。
確かにそのデザインは、ポルシェの純正アイテムと評しても違和感がないほどに、カイエン・クーペのシルエットにマッチしている。
フロントのエアインテークとフロントエプロンは、このマンソリー製カイエン・クーペのなかでもとくに変化の激しいパートで、もちろんそれはフロントセクションのデザインをより魅力的なものにするだけではなく、エアロダイナミクスを向上させるという目的を持つものだ。
マンソリーのカイエン・ターボ・クーペに特別な力強さを感じるのは、前後のフェンダーがワイドタイプに変更されていることが理由としては大きい。
そのリアセクションには、いずれもエアアウトレットが設けられており、ホイールハウスからのエアを効率的に排出。同時にワイド化されたタイヤとマンソリー製の23インチ径「Y.5デザイン」ホイールを美しくホイールハウスのなかに収めることを可能にしている。
■ECUチューンで27%アップ!
また、ボンネットやサイドステップも、マンソリー・オリジナルのものとなる。素材はフロントのアイテムとともにカーボン製で、それによる軽量化の効果は絶対的だ。
サイドステップはその多くのパートがボディとあえて同色にペイントされるが、それもまた心憎い演出といえる。左右のドアミラーもまたマンソリーのアイテムだ。
これまでの作品と比較すれば控えめに感じるリアセクションにも、独自のアイテムが装着されている。ニューデザインのリアエプロンがまさにそれで、ディフューザー部とエグゾースト部のマッチングが美しい。
そもそも可変機構を持つリアウイングには、今回は特別な手は加えられていないようだ。
インテリアのフィニッシュも素晴らしい。ボディカラーに合せた、オレンジのパイピングを採用した4人乗りのキャビンは、高級サルーンのそれと評してもよいほどに快適で心地良い空間。これならば長距離のドライブでも、疲れは最小限に抑えられるに違いない。
そして驚きなのは、フロントに搭載されるパワーユニットだ。3996ccのV型8気筒ツインターボという基本的なスペックに変化はないが、マンソリーは独自のECUを採用することで、その最高出力を700psに、最大トルクを900Nmにアップすることを実現しているのだ。
ノーマルのカイエン・ターボ・クーペの550ps&770Nmというスペックと比べると、最高出力では実に27%もの性能向上を果たした結果になる。
これによって0−100km/h加速は、ノーマルのスポーツクロノパッケージ装着車が3.9秒だったのに対し、マンソリーのは3.2秒と、大幅に短縮されることになった。
マンソリーのカイエン・ターボ・クーペ。このデモカーの価格は、24万9400ユーロ(邦貨換算約3100万円)。ちなみに日本でのノーマル車の価格は、2063万円(消費税込)となっている。
およそ1000万円のエクストラで、ほかとは違うルックスとさらなるパワーを手に入れられるのなら、むしろバリューある1台なのかもしれない。