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ハイエースは「セルフ洗車機」で洗えない!? 大きさ? 装備? NGの基準とは

くるまのニュース 2020年11月20日 9時10分

ガソリンスタンドなどに併設されている「セルフ洗車機」は、機械が洗車の大部分をおこなってくれることから、手軽に利用できます。しかし、セルフ洗車機で洗えないクルマがあるというのですが、どのようなクルマがNGなのでしょうか。

■洗車機のサイズ制限を超えるクルマは洗えない!?

 洗車をするとき、自宅などに十分なスペースがない場合に便利なのが、ガソリンスタンドやコイン洗車場などに併設されている「セルフ洗車機」です。

 手洗いでは難しい、高い水圧や乾燥までほぼ全自動でおこなってくれ、手軽で時短にもつながります。

 セルフ洗車機には大きく分けて3タイプあり、洗車機内にクルマをセットして門型ゲートが移動しながらブラシなどが稼働する「門型洗車機」、パネルを操作してから洗車機の指定方向にクルマに乗って動かして洗う「ドライブスルー型洗車機」、洗車場にクルマを停車してから高圧洗浄機などを自分で扱って洗車する「高圧洗車型洗車機」に大別されます。

 限られたスペースで洗浄する部分が稼働する門型洗車機は、スペース効率と時間短縮できる点が大きなメリットで、ガソリンスタンドなどでよく見かけます。

 スペース効率は劣るものの、ドライブスルー型洗車機も同じような構造で、ブラシなどを使っての洗浄からエアーによる乾燥までを、その名のとおりドライブスルー方式でおこなうものです。

 門型洗車機は、どちらかというと店員が操作するケースが多いのに対し、ドライブスルー型洗車機はパネル操作から仕上げまで自分でするケースが多いのが特徴です。

 高圧洗車型洗車機は、洗車場に設置されたコイン式高圧洗浄機などを使って自分で洗車するパターンです。

 いわゆるセルフ洗車場などに多く設置されており、時間や労力はかかるものの、機械式とは違う手洗いならではの丁寧な仕上げにすることが可能。

 また、家の水道では再現できない高い水圧を用いて普段は洗いきれない泥やホコリなどを落とすこともできます。

 洗車作業の大部分を自動でおこなってくれる洗車機ですが、使用できないクルマが存在します。それはどんなクルマなのでしょうか。

 都内のガソリンスタンドで店長を務めるM氏に、どんなクルマが洗車機使用NGなのかを聞いてみました。

「弊社の店舗では、門型洗車機での洗車サービスをおこなっています。水洗い、機械式洗車、手洗い洗車のコースがあり、さらにワックス、コーティングなどの施工も用意しています。

 ただし、一般的な門型洗車機にはサイズ制限があって、高さは2.3m以内、車幅も2.3m以内、全長は5.2m以内となっています。

 つまりこれを超えるサイズのクルマは、手洗いでしか洗車できず、洗車機は使えません」

 洗車機には大型トラックやダンプ、バスなどの大型車両を洗うことができる機種もありますが、通常のガソリンスタンドなどでは一般的な門型洗車機しかないケースがほとんど。

 つまり、これを超えるサイズのクルマは、原則として洗車機NGになってしまうのだそうです。

「車種でいえば、トヨタ『ハイエース』のスーパーロングは、長さ(5380mm)がサイズオーバーとなってしまうため使用できません。同じ理由で全長がオーバーしてしまう『センチュリー』(全長5335mm)やメルセデス・ベンツ『Sクラス』(全長5250mm、ロングホイールベースモデルの場合)なども洗車機の使用は難しく、手洗いのコースのみとなります」

※ ※ ※

 サイズが大きいクルマ以外は、基本的にどんな車種でも洗車機の使用は大丈夫そうですが、それもノーマル車両であることが大前提になっています。

 また、フェラーリやポルシェなどの高級スポーツカーもできれば洗車機は避けたほうが良さそうとのことです。

 高額な車両は万が一にキズがついた場合を考慮して、洗車機ではなく手洗い洗車コースをお勧めしているそうです。

 ちなみに大きなピックアップとして有名なシボレー「タホ」は全長5130mm×全幅2020mm×全高1920mmなのでギリギリセーフのようです。

■サイズの問題だけじゃない!? 洗車機を避けたほうがいいクルマとは?

 大きなクルマでなくても、洗車機の使用が難しいクルマもあるのだそうです。

「特殊なコーティングを施しているクルマや、塗装面が弱くなっている古いクルマなども、機械式洗車はお勧めできません。

 最近の洗車機はキズが付きにくくなったとはいえ、古いクルマは塗装面のコーティングなどが取れてしまっているものもあります。

 その場合は洗車機を使った手洗いコースなどで丁寧かつ優しい洗い方をお勧めしています」(ガソリンスタンド店長・M氏)

手軽に洗えるのが魅力のセルフ洗車機(イメージ)

 また同じような理由から、洗車機が使えないわけではありませんが、カスタムペイントされたクルマや、スポイラーや大型リアウイングなどの後付けエアロパーツ装着車は、洗車機使用を断られるケースもあるようです。

「メーカー純正の場合でもマットブラックなどの特別色の場合は、洗車機は使わないほうが無難です。またエアロパーツは強度的にも形状的にも難しい場合があります」(ガソリンスタンド店長・M氏)

 そういったクルマで洗車機を使う場合は、ノンブラシ式や自分で仕上げる高圧洗車型洗車機を選択することになりそうですが、この場合も高圧洗浄機などは強力な水圧でボディの塗装面を傷める可能性を考慮する必要があります。

※ ※ ※

 洗車機と聞いて気になるのが、回転するブラシによって洗車キズが付く可能性があることです。

 過去にはポリエチレンや特殊なゴム製のブラシなどを使う機種もありましたが、現在では柔らかいウレタン製や不織布、スポンジなどのブラシで洗う機種が一般的になりました。

 また高度な洗車機になると、ノンブラシ式と呼ばれる水圧のみで洗うものもあります。

 ブラシが回転することでできる洗車キズの主な原因は、ボディに付着したままの砂や泥などの汚れがブラシの回転によりボディ表面をこすってしまうことによるものです。

 しかも最新の洗車機には高性能なセンサーが搭載され、立体的にボディ形状を認識してブラシの角度を自動調整してくれるものもあります。

 ちなみに1回の洗車によるボディへの影響はわずか0.02ミクロン以下ともいわれており、むしろ十分に汚れを落としていない状況での手洗い洗車よりはるかにクルマに優しいとされています。

 ただし、ボディに優しい洗い方では、鳥フンや樹液などの頑固な汚れは落としきれない場合もあるので、洗車機に通す前に手作業で落としておくのもいいかもしれません。

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