日産「セレナ」は、2018年にミニバンジャンルNo.1に輝いた人気モデルです。とくに、その2018年に追加されたe-POWER車が好評ですが、それ以外の部分ではどのようなところが、オーナーから支持されているのでしょうか。
■e-POWERだけじゃない! セレナの魅力とは
日産の主力ミニバンである「セレナ」は、e-POWER仕様の人気もあり、国内市場での売れ行きは好調です。
では、実際のオーナーは、どのような部分を評価しているのでしょうか。
セレナは、同社の象徴であるVモーショングリルを採用した見た目や、広々座れる室内に加え多彩なシートアレンジが可能な室内など、ミニバンとして高い基本性能を持つクルマです。
現行モデルは、2016年に登場した5代目です。日産の新たな安全装備である「プロパイロット」を初めて搭載したことなどから発売直後より人気を獲得し、月間販売台数は目標の2.5倍を記録しました。
2018年には、オーテックジャパンからAUTECH仕様が発売されたほか、すでに日産「ノート」に搭載されていたe-POWER仕様が追加されました。エンジンは発電役に徹し、100%モーター駆動で走行することから、すぅーっと伸びやかに加速する爽快なドライブフィールが持ち味です。
2019年にはマイナーチェンジがおこなわれ、外観デザインを一新。なかでもハイウェイスター仕様は、ダブルVモーショングリルにクロームのグリルパターンが採用され、LEDリアコンビネーションランプを専用設計に変更されています。
直近では、2020年2月にオーテックジャパンより車中泊向けのマルチベッド仕様が発売され、キャンプなどのレジャーや、災害発生時の一時避難場所としての利用など、近年需要が増している車中泊に対応したモデルとなっています。
売れ行きは、e-POWERの人気もあって好調です。日本自動車販売協会連合会が発表した新車販売台数ランキングによると、2018年はミニバンでトップを記録。
また、直近の2020年4月から9月でも10位(3万135台)と、トップ10を維持しています。
ボディサイズは、全長4685mm-4770mm×全幅1695mm-1740mm×全高1865mm。搭載されるパワートレインは、スマートシンプルハイブリッド車とe-POWER車を設定。
燃費性能は、WLTCモードでスマートシンプルハイブリッド車が11.8km/Lから13.2km/L、e-POWER車が17.2km/Lから18.0km/Lとなっています。
AUTECH仕様を除く価格は、スマートシンプルハイブリッド車「X」の257万6200円からe-POWER車「ハイウェイスターG」の380万9300円です。
■オーナーからはどのような評価?
実際に乗っているオーナーは、どのような評価をしているのでしょうか。
外観デザインでは「メッキを多用してありほかの同クラスファミリーカーと比べても良いほうだと思う」や「同ミニバンクラスのなかでは1番好み」など、多くは好評でした。
しかし、主にハイウェイスターモデルでは「オラオラグリルが好みではない」「好みは分かれそう」など、賛否の分かれる意見も目立っています。
内装は、持ち味のシートアレンジについて評価が高く、「子供の成長に合わせて色々工夫出来るので非常にありがたい」「人数に合わせてアレンジできるのはすごく助かる」との声がありました。
また、質感や使い勝手でも「落ち着いた感じの内装でよい」「視界は広々していて運転しやすい」「ファミリーカーとしてほぼパーフェクト」など、高評価が多く見受けられます。
細かな部分では、「デュアルバックドアは荷物を積む時に便利」「バックドアが上半分だけ開くのは便利。ドアギリギリまで荷物を積んだ状態でも、ドアの上半分だけ開けば荷物が崩れないので便利」と、ラゲッジ性能への評価が高かったほか、「色々な箇所にUSBポートがあったりポケットがあり便利」などの細かい装備も好評なようです。
走行性能はやや辛口で、「大人数乗せたときや登り坂なんかは全然進まない」「加速が悪すぎる」という意見が目立ちました。
しかし、「普通に充分走る」「普段使いならそこまでロケットダッシュしない」など、走りにこだわらずに街乗りするうえでは問題がないというフォローも多く見受けられます。
安全装備では、プロパイロットに関して「慣れると高速道路の運転がとにかくラクになるので手放せない」「いい意味で裏切られた」と高評価が多かったほか、「アラウンドビューモニターはとにかく便利。これがなかったら何度車をぶつけていたことだろうか」と、そのほかの運転支援機能にも言及されたコメントは数多くありました。
実燃費は、スマートシンプルハイブリッド車では7km/Lから8km/L、e-power車では12km/Lから13km/Lという意見が多く見受けられます。
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セレナオーナーからは、外観デザインでは賛否が分かれるものの、内装やデュアルバックドアなどの使い勝手で非常に高い評価を得ていました。
このクラスは、トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」やホンダ「ステップワゴン」など競合車が多いほか、ひとつ下のクラスにはトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」がラインナップされるなど、熾烈な争いを繰り広げています。
そんななかで、e-POWERの魅力をどこまで浸透させられるかが、今後の販売の鍵となりそうです。