ランボルギーニの限定モデルである「アヴェンタドールSVJ」をマンソリーがチューニング。810psにまでパワーアップし、よりアグレッシブなアピアランスとなった「カブレラ」を紹介しよう。
■ランボルギーニにとってバリューある「カブレラ」というネーミング!
ランボルギーニ「カブレラ」。誰もがかすかに記憶のなかで覚えている車名ではないだろうか。
もちろんカブレラは実在するモデルの名前ではない。かつてランボルギーニが、新型12気筒モデルの「アヴェンタドール」、そして10気筒モデルの「ウラカン」を開発中であるという情報が伝わるたびに、気の早いメディアはそれにカブレラの車名が与えられると報じられていたのだった。
たしかにカブレラは、ランボルギーニの車名の流儀から考えるのならば、新型車に採用されてもおかしくはないほどのバリューを持つネーミングである。
スペインの闘牛界には3つの優秀な繁殖ラインがあり、それは「ミウラ」、「ガヤルド」、そして「カブレラ」であるからだ。
マンソリー・カブレラは、以前紹介したフォード「GT」ベースの「ル・マンソリー」と同じく、同社の創立30周年を祝する限定車である。
生産台数はル・マンソリー同様、3台と限られているので、カブレラのような一流のバリューを誇る名前にも違和感はない。
カブレラのベースとなっているのは、アヴェンタドールの最上級モデルともいえる「SVJ」だ。それは闘う雄牛の攻撃態勢を連想させ、また最新の攻撃能力を持つステルス型戦闘機をもイメージさせるフィニッシュといえる。
ヴェント・ヴェルデと呼ばれる、モスグリーン系のカラーでペイントされたボディは、フルカーボン製となる。
フロントスポイラーはエアの流入量を増加させるために、大型のインテークを備え、側面のホイールアーチに美しく連続していく。サイドスカートも独自のデザインにモディファイされており、こちらもエンジンルームに効果的にエアを導入することに大きく貢献している。
■810馬力が生み出す異次元の世界とは?
リアセクションを見てみよう。新デザインのエンジンフードやダブルディフューザー、リアスカート、リアウイングなど、エアロダイナミクスの改善は万全の備えだ。
0ー100km/h加速は2.6秒、最高速は355km/hというパフォーマンスを実現するには、エアロダイナミクスの向上は非常に重要な課題なのだ。
もちろんカブレラのボディには、ほかにもさまざまなアイテムが装着されているが、もうひとつ見逃せないのは、ル・マンソリーと共通した横方向に2灯式となるLEDのヘッドランプである。このヘッドランプはマンソリーの顔として、これからも採用例が増えていくのだろう。
リアミッドに搭載される6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンは、マンソリーのチューニングによって、最高出力が770psから810psに、最大トルクは720Nmから780Nmに引き上げられている。
この巨大なパワーを路面に伝達するために、マンソリーはフロント255/30ZR20サイズ、リア355/25ZR21サイズのピレリ・Pゼロタイヤを装着している。ホイールはフロント9J×20、リア13J×21インチとなる。
エグゾーストシステムも、もちろんマンソリーの自製だ。
エクステリアカラーのヴェント・ヴェルデは、インテリアでもアクセント・カラーとして効果的に使用される。
このマンソリー社の創立30周年を記念した限定車カブレラの生産台数はわずかに3台。アヴェンタドールSVJが900台限定であるので、さらにレアモデルを求めるカスタマーには、非常に魅力的な1台となるだろう。