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いま注目のレストモッド・ポルシェ「911」。見た目「初代」中身は「964型」の秘密に迫る!

くるまのニュース 2020年11月27日 19時10分

1980年代に、フラットノーズのポルシェをクレーマーと製作していた「dpモータースポーツ」が、ポルシェ「911(964型)」をレストモッドした。もうひとつのポルシェの楽しみ方を紹介しよう。

■フラットノーズのポルシェで有名なdpモータースポーツを知っているか?

 ドイツのポルシェ・チューナー「dpモータースポーツ」を覚えているだろうか。1980年代には、マリオ・アンドレッティのために964型の「911」をベースにフラットノーズのチューニングモデルをクレーマーと共同製作するなど、その実力の高さはポルシェ・ファンにはとくに有名な存在だった。

 もちろん現在でも彼らはポルシェ・チューニングを続けているが、通常のチューングのほかに最近もうひとつのラインとして注力しているのが「レストモッド」である。

 レストモッドとは、「レストア+モディファイ」で独自のモデルを製作するというプロジェクトだ。アメリカのシンガーなどは、ポルシェ911のレストモッドではそのもっとも代表的な例といえる。

 dpモータースポーツが、レストモッドのベースに選んだのは、ポルシェ911(964型)だ。964型は彼らの全盛期を彷彿させるモデルであり、またそれに対する技術的なノウハウも多く持ち合わせているに違いない。

 まずはボディの全景をチェックしてみよう。カルモナレッドメタリックと呼ばれるカラーでペイントされたボディのシルエットからは、このモデルのベースが964型911であると想像できる部分はほとんどない。

 まず特徴的なのはフロントのデザインだろう。dpモータースポーツは、このボディキットを「クラシック・カレラ・ワイド・ボディ」とネーミングしているが、確かにその表現どおり、このデザインが狙っているのは、初代911たる901型にほかならない。

 それを象徴するのがフロントのデザインで、まずヘッドランプとそれに連続するフロントフェンダーをクラッシックスタイルに作り直した後、964型ではバンパー内にマウントされていたウインカーと補助灯をバンパー上に移動。それによって901型と同じフェイスを作り出している。

■320馬力までパワーアップされたフラットシックス!

 フロントバンパーの下にフィットされるスポイラーは、dpモータースポーツ・オリジナルのものだ。ウインドウグラフィックは、細部まで完全に同じデザインというわけではないが、901型のそれを見事に再現しており、ドアミラーもクラシカルな金属製のものが装着される。

エグゾーストシステムは専用に設計した「dpモータースポーツ」がレストモッドしたポルシェ「911(964型)」

 リアビューもこのモデルでは大きな見どころのひとつだ。グリルは縦方向にルーバーの入ったクラシカルなデザインを復活し、ポルシェのエンブレムもリアハッチのほぼ全幅を使用する懐かしいスタイルになった。

 リアフェンダーは255/40R17サイズのタイヤを収めるためにワイド化されているが、これもまたレストモッドの魅力といえる。

 リアに搭載されるエンジンは、ストックでは3.6リッターの水平対向6気筒で250psを発揮していたが、dpモータースポーツは、これを3.8リッター仕様に排気量拡大し、320psの最高出力と370Nmの最大トルクを得ることに成功している。

 エグゾーストシステムは専用に設計されたもので、そのサウンドもまたカスタマーを魅了するに違いない。

 組み合わせられるトランスミッションは、964型RS用の5速MT。サスペンションにも最新のテクニックが使用されており、KWクラブスポーツのコイルオーバーサスペンションや、一部にはポリウレタン部品が採用されている。

 当時のデザインを復活させたマグネシウム製ホイールの内側には強化型のブレーキもその姿が認められるが、これも0ー100km/hを5秒フラットでこなし、最高速280km/hを誇る運動性能を考えれば当然の選択といえるだろう。

 インテリアは、カスタマーの好みによって最新の高級オーディオなどを備えている。メーターパネルなどのデザインは901型と同様で、シフトノブはウッド製とされた。レストモッドの世界は、これからますますその趣味性と市場を拡大していきそうだ。

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