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変顔クルマNO.1! モーガン「エアロ8」は1000万円オーバー!!

くるまのニュース 2020年12月7日 19時10分

モーガンが2000年に64年ぶりに発表した新作「エアロ8」。寄り目が特徴のエアロ8のルックスには賛否両論あったが、登場から20年が経過したいま、オークションではどのようなジャッジが下されているのだろうか。

■64年の時を経てモーガンがリリースした新作とは?

 イギリスのモーガンから、エアロ・シリーズのファーストモデルとなった、「エアロ8」がワールドプレミアされたのは、2000年のジュネーブ・ショーでのことだった。

 モーガンが完全なニューモデルを、2000年以前に発表したのはいつかと調べてみたら、それは実に64年も前となる1936年のモーガン「4/4」にまでさかのぼらなければならなかった。何とも気の長い話である。

 確かにエアロ8のボディデザインは、それまでのモーガン車と比較すると、現代的に、そしてエアロダイナミクスを意識したように見える。

 それまでの伝統を崩すことなく新しい世代に第一歩を踏み出そうと、モーガンがこの時に考えたのは明白で、それはデザインのみならず各部のエンジニアリングにも表れている。ちなみに細かくボディを見れば分かる、微妙なアルミニウム製ボディラインやパネルの湾曲は、最新のハイドロフォーム技術によるものだ。

 さらに注目したいのはアルミニウム製の構造材を、レーシングカー用の接着剤を使用して完成させたメインシャシだろう。このアルミニウム製シャシとボディを、ウッド(ホワイトアッシュ材)によって接合しているのが基本的なエアロ8の構造だ。

 そこには伝統的な車造りの手法を継承するとともに、重量の軽減という技術的な目的が共存していたに違いない。

■「エアロ8」の予想以上の落札価格とは?

●2005 モーガン「エアロ8」

モーガンが2000年に64年ぶりに発表した新作「エアロ8」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 前後ともにダブルウイッシュボーン形式となるサスペンションは、やはりレーシングカーの如くハードなテイストをドライバーに伝えてくる。

 ブレーキはAPレーシング製で、こちらもその微妙なタッチにも正確に応えてくれる。

 ホイールはセンターロック式のマグネシウム製となるが、これもクラシックの演出ではなく、当時のレースシーンに使用されたモデル(GT2)からの転用だ。エアロ8の先進性は、このようなパートにも確かに表れていたのである。

 フロントに搭載されるエンジンは、BMWから供給を受けた、4.4リッターV型8気筒エンジン(M62型)で、これにゲトラグ製の6速MTが組み合わされ、後輪を駆動する。最高出力は286psと発表されているが、車重は1132kgに過ぎないので、その走りは現代の重量級スーパースポーツのそれにも迫るといってもよい。

 今回RMサザビーズのエルクハート・コレクションに出品されたエアロ8は、2005年式。まだ「エアロ・スーパースポーツ」や、「エアロ・クーペ」といった派生モデルが誕生する以前の、もっとも初期のモデルである。

 オークションは例によってオンラインでおこなわれたため、入札者はその画像でコンディションを判断するほかはなかったが、走行距離が1万4375マイル(2万3000km)のこのエアロ8のエスティメートは、7万5000ドルー9万5000ドルであった。

 最終的には、11万2000ドル(邦貨換算約1165万円)まで入札価格が伸びて落札にいたった。

 2018年に「エアロGT」が8台の最終限定車としてリリースされ、その後に生産を終了していることも、この落札価格の大きな理由となったのだろう。

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