トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」などに代表される通称「オラオラ顔」。一方でオラオラ顔とはどこか異なるコワモテなモデルも存在します。今回はそのなかからコワモテ顔を持つセダン/クーペを3台紹介します。
■オラオラ顔とは違うコワモテとは
近年、一部のメッキ加飾を多用した迫力あるフロントフェイスを採用したモデルを「オラオラ顔」と呼んでいます。
代表的なモデルでは、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」や日産「エルグランド」などの高級ミニバンや、トヨタ「ルーミー」やスズキ「ソリオバンデット」のコンパクトワゴン。
軽自動車では、ホンダ「N-BOXカスタム」などのカスタム系モデルがオラオラ顔とされていました。
そんなクルマの第一印象を決めるフロントフェイスにおいて、オラオラ顔とは少し異なるコワモテ顔を持つセダン/クーペを3台紹介します。
●シボレー「カマロ」
日本人がパワフルなアメ車としてフォード「マスタング」と共にイメージするのがGMのシボレー「カマロ」です。
初代カマロは1967年に発売され、いまも若者から高い人気を誇っています。
長い歴史を持つカマロですが、2009年に登場した5代目は初代カマロをオマージュした逆スラントノーズのフロントフェイスで、往年のマッスルカーをイメージしたことで話題となり、映画「トランスフォーマー」シリーズに登場して日本でも注目されました。
2015年に登場した現行モデルの6代目カマロは、先代よりボディサイズが小さくなったものの、ロー&ワイドが強調された存在感あるスタイルを実現。
特徴的なフロントフェイスは、薄く横長のヘッドライト先端に設置し、表面にはスモーク処理が施されました。
また、フロント下部のエアインテークは、近年流行りの大型化され、まさにコワモテ顔といえるモデルです。2020年1月には日本で新しいデザインを採用したニューモデルも登場しました。
●プジョー「508」
これまでフランス車といえば、コワモテとはあまり縁の無いデザインが多かったのですが、2018年に登場した2代目「508」は、それまでのデザインと迫力のあるコワモテ顔にイメチェンしたのです。
現行508のデザインは、ダイナミックで挑発的なフロントフェイス、ファストバックと称されるエレガントなルーフラインが特徴です。
また、軽量化が図られた流麗なロー&ワイドボディは、4ドアセダンながらスポーツクーペのようなスタイリングを実現。
フロントフェイスを象徴するライト類は、オートライト付きフルLEDヘッドライト、LEDデイタイムランニングライト、固定式コーナーリングランプを装備。
また、現行508は後方からの迫力も十分で、ライオンの鉤爪をモチーフにデザインされたフルLEDリアコンビネーションランプを採用。ボディ幅一杯に広がるブラックアクセントに浮かび上がる赤い爪跡は、走り去るリアビューに鮮烈な印象を与えるほどです。
■コワモテというより威厳のある顔を採用した日本が誇る究極のクルマとは
●トヨタ「センチュリー」
2020年で53年の歴史を誇るトヨタ「センチュリー」。トヨタはショーファードリブンカーと定義し、皇室や政府関係者、地方自治体、企業役員など、VIPの安全かつ快適な移動を目的として誕生しました。
最近では、各都道府県知事や市区町村長などがセンチュリーを購入していたことが大きな話題となったことでも注目されています。
現行センチュリーは、2018年に登場した3代目です。初代が1967年から1997年の30年、2代目が1997年から21年とそれぞれの歴代モデルは長いモデルライフだということがわかります。
デザインにおいては、日本の「美」を意識し、手彫りの金型から作り出す鳳凰のエンブレムと七宝文様のフロントグリルで構成されるフロントマスクはコワモテというよりは威厳のある顔となり、まさに究極の存在です。
さらにサイドから見た部分では、ドアノブ上部のサイドラインに「几帳面」と呼ばれる平安時代の屏障具の柱にあしらわれた表面処理技法を採用。
センチュリーの象徴でもある「鳳凰」エンブレムは、トヨタの工匠が約1か月半かけて作りこむなど細部にわたり手が施されています。
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近年はLEDヘッドライトの採用により、さまざまなデザインが可能になり、クルマのフロントフェイスも個性的なものが増えています。
また、コワモテはアルファードなどとはどこか違う、雰囲気を醸し出しているのも特徴かもしれません。