台湾で発表されたトヨタ新型「シエンタクロスオーバー」が大きな話題となっています。日本のユーザーはどのような部分に関心があるのでしょうか。
■シエンタSUV爆誕! 新型「シエンタクロスオーバー」って何?
2020年12月7日、台湾でトヨタの総代理店を展開している和泰汽車は、新型「シエンタクロスオーバー」を発表。その情報がSNSで拡散されると大きな話題となりました。
昨今、軽自動車からコンパクトカー、ミニバンまでさまざまなジャンルがSUV(クロスオーバー)のテイストを盛り込んだモデルを投入しています。
日本のユーザーは、シエンタクロスオーバーに対してどのような反響を示しているのでしょうか。
現行シエンタは、日本で2015年から発売され、2016年からインドネシアや台湾でも販売されています。
これらの各国で販売されるシエンタは、デザインや仕様がそれぞれ異なっており、日本のシエンタのボディサイズが全長4260mm×全幅1695mm×全高1675mm-1695mmとなっているのに対して、台湾のシエンタは標準モデルこそ同じですが、今回発表されたクロスオーバー全長4350mm×全幅1695mm×全高1700mmと若干異なります。
足まわりには専用サスペンションが採用され、最低地上高が145mm(4WD)だったに対して、20mm高くなった165mm。これにより悪路走破性が向上しました。
また、デザイン面では、クロスオーバーらしさを表現するために、前後のスキッドプレートや、日本仕様では涙目のようなヘッドライトからフォグ部分と繋がった造形を廃止しています。
シエンタクロスオーバーの現地価格は74万9000台湾ドルから82万9000台湾ドル(日本円で約276万円から約306万円)です。
通常の台湾仕様のシエンタは64万9000台湾ドルから89万9000台湾ドル(日本円換算で約239万円から約332万円)に設定されています。
では、実際にユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。ユーザーのコメントでは、「シエンタもSUV化? これはアリなデザイン!」、「顔のデザインがスッキリして良いかも」、「アイデンティティの隈取りデザインを容赦なく消しちゃうあたりがトヨタらしい」とデザインやコンセプトに関して好評な声が多いようです。
一方で「これを買うならヤリスクロスでいいのでは?」「ミニバン×SUVは中途半端」と、現在のトヨタではさまざまなSUVが存在するため、シエンタのミニバン化に否定的な意見もありました。
また、今回のシエンタクロスオーバーは専用サスペンションの採用や最低地上高が上がっていることについて、「最近流行りのなんちゃってSUV化じゃないのがいい!」、「最低地上高が上がる分、乗り降りしやすくて良いかも」「足回りが強化されたのなら、ミニバンのふらつきが少なくなって乗りやすくなのかも」と、近年のSUV化に関するなかでも本気度合いが見られる部分が好評でした。
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では、トヨタの販売店スタッフからはどのような反響があるのでしょうか。販売店関係者は次のように話します。
「最近の国内市場では、ライズ、ハリアー、ヤリスクロスと続々新型SUVを投入しています。
これにより、SUVに関心を持つさまざまなユーザーのニーズに応えられるようになりました。
そうしたなかで、もしシエンタクロスオーバーが日本で発売されることになれば、最近勢いが落ちているシエンタの販売台数が回復する可能性があります。
さらに、他社に存在する『ミニバン×SUV』というジャンルでもお客さまにご提案出来るのは強みになるかと思います」
■直接的なライバルはホンダ「フリードクロスター」
日本市場で、ミニバン×SUVといえば古くから三菱「デリカD:5」が存在します。
ミニバンらしい多人数乗車性を兼ね備えながら、本格的な四輪駆動技術により、悪路走破性能を高めたオールラウンダーミニバンです。
一方でシエンタクロスオーバーと直接的なライバルとなるのが、ホンダのコンパクトミニバン「シエンタ」に設定されるSUV風グレード「クロスター」です。
今回のシエンタクロスオーバーについて、ホンダの販売店スタッフは次のように話します。
「シエンタクロスオーバーについてはニュースやSNSで知りましたが、標準モデルより車高が上がっていることや、専用サスペンションを採用するなど魅力的なモデルだと思います。
日本に導入されれば、間違いなくフリードクロスターのライバルとなりますので、導入されないといいのですが…」
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さまざまなモデルでSUV化が進んでいますが、デザインだけ変えているものや、最低地上高を上げているものなどその仕様は異なります。
今後もSUV風●●というトレンドはしばらく続くのかもしれません。