2020年も残すところあと少しとなりました。今年は新型コロナ禍で人との接触に気をつかった一年でしたが、密を避けて移動できることからクルマ移動にも注目が集まりました。そこで、ミニマムにクルマ移動できるシティコミュータを3車種ピックアップして紹介します。
■ひとりで黙々と運転したくなるクルマとは?
2020年も残すところあと少しとなりました。新型コロナ禍で人と会うことが難しい今年の年末は、帰省や旅行などに行かず家でひっそりとこもるという人も少なくないのではないでしょうか。
クルマで年末の買い出しに行く場合でも、大人数の家族などでなければ、ラゲッジルームの大きさは必要最小限で十分。
密を避けて移動し、ひとり分の買い物を運ぶための道具としてみれば、軽自動車やコンパクトカーは経済性と実用性を兼ね備えた素晴らしい相棒といえるのではないでしょうか。
そこで今回は、年末年始をあえて“おひとりさま”で過ごす人にとってピッタリなクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「コペン」
初代モデルが2002年に発売されたダイハツ「コペン」は、電動で開閉するメタルトップを採用するFFオープンカーとして登場(初代のみディタッチャブルトップ仕様も存在)。
丸さが特徴的なボディとヘッドライト、そしてキビキビとした走りがクルマ好きから注目を集め、2012年まで初代モデルが販売されました。
販売休止期間を挟み、2014年には2代目モデルが登場。電動メタルトップが継承されたほか、クルマの『着せ替え』が可能となるドレスフォーメーションシステムの採用や、グレードごとに異なるデザインが特徴です。
2019年10月には、TOYOTA GAZOO Racingの知見を活かした「コペン GR SPORT」が、4番目のグレードとして追加で設定。貴重な軽オープンカーとして、ホンダ「S660」とともに現行モデルとしてラインナップされています。
年末の買い出しに行く際に強みとなるのが、意外と広いトランクルームです。MRレイアウトを採用し、荷室がほとんどないS660に対し、コペンは屋根を閉じた状態なら旅行鞄などが入るトランクルーム容量を確保。
オープン時でも、ハンドバッグ程度なら積載可能です。
荷物が少ない目的地までの道中、屋根を開けておけば換気もバッチリです。
●ホンダ「ホンダe」
ホンダ初の量産電気自動車「ホンダe」は、2020年10月30日に発売されたシティコミューターです。
ボディサイズは全長3895mm×全幅1750mm×全高1510mmと、全幅が5ナンバー枠を超えているものの、同社の「フィット」よりも全長が短いだけでなく、最小回転半径4.3mという小回り性能により、優れた取り回しの良さを実現。
最小回転半径4.3mを実現した背景には、リアモーター(駆動方式:RR)を採用したことにより、タイヤの切れ角を大きくとることができたことが挙げられるといい、前後重量配分も50:50を実現したことから、優れたハンドリングを実現します。
小さいボディながら2+2の4人乗りで、後部座席を倒せば荷室容量も565リッターを確保することが可能です。
LEDラゲッジルームランプやコンビニフックなど、荷室スペースの使い勝手にも配慮されており、日常の買い物でも便利に使うことができます。
ちなみに、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応した12.3インチワイドスクリーンHonda CONNECTディスプレイも装備され、スマートフォンのアプリだけでなく独自のアプリにも対応。
ディスプレイでバーチャルの魚を飼うアプリも用意され、寂しさを和らげてくれます。
■これぞ「究極の軽自動車」といえた一台とは?
●スズキ「ツイン」
2003年に登場した「ツイン」は、乗車定員が2名となる超小型軽自動車です。全長は、軽自動車規格の3400mmを600mm以上も下回る2735mmに設定されていました。
丸みを帯びたデザインは第33回東京モーターショー1999に出展された「Pu3コミュータ」が元とされています。最小回転半径も3.6メートルと、取り回しの良さは圧倒的です。
また、ガソリン仕様のほかに軽自動車の市販モデルとして初のハイブリッド仕様を設定したクルマであったことでも知られています。駆動用バッテリーには鉛電池が用いられ、燃費(10・15モード)は34km/L(ハイブリッドA)を記録していました。
そんなツインですが、荷室にアクセスするにはガラスハッチを開けるか、助手席を倒してドアからアクセスするかの2択で、バックドアは設けられていません。
しかし、荷物の取り出しは不便なものの、2名乗車でも最低限の荷室スペースは確保されており、助手席を倒して1名乗車とすれば、ゴルフバッグの積載も可能です。
なお、ハイブリッド仕様の荷物スペースは駆動用バッテリーが占拠しており、助手席を倒さなければ荷物を置くスペースはほとんどありません。
近年、軽自動車市場では箱型ボディと両側スライドドアを持つ軽スーパーハイトワゴンが人気となっていますが、ツインは究極のシティコミュータであると同時に、軽自動車の原点ともいえるクルマだったといえるでしょう。
ツインは2005年まで販売されました。
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国土交通省のデータによると、乗用車の平均乗車人数は平日で約1.3人、休日で1.7人とされています。つまり、平均的なクルマ移動においては、今回紹介したコペンやツインでも事足りてしまうというわけです。
2020年は、新型コロナウイルスが猛威を振るった一年でした。今後、密を避けたうえでミニマムにクルマ移動をするという観点からも、シティコミュータはより評価されてよいクルマといえるのかもしれません。