スーパーカー大王こと山崎元裕氏に、2020年に試乗したクルマ、そして2021年に注目しているスーパーカーのベスト・スリーを選出してもらった。2021年の干支は「丑(うし)」だが、引き続き「馬」に注目だ。
■「あまーい生活」なローマが一番印象的
今年=2020年もいろいろなニューモデルをドライブした。仕事柄というか、個人的なキャラクターというか、そのメインとなるのはスーパースポーツやスーパーGTだったわけだけれど、その中でも十分に印象に残るモデルはたくさんあった。
まずは2020年に試乗したモデルの中でのベスト・スリーから紹介していこう。
●第1位 フェラーリ「ローマ」
これぞフェラーリの作るGTというのが第一印象。
ボディデザインも美しくまとめられており、リアセクションなどからは、フェラーリのGTが全盛を誇った1950年代の名作の姿が次々とアピールできていると思う。
これまでとは完全にベクトル=方向性の異なるフェラーリ。スーパーGTとしての性能も超一流と感じられた。
●第2位 アストンマーティン「DBX」
これがSUVの走りなのか。DBXをドライブすると、誰もがそう感じることだろう。
ともかく常に自分の意思に忠実な動きは見事。これだけのシャシ性能を持つSUVがほかに存在するだろうか。
さらにデザインもまた見事。必要以上に存在感を主張するでもなく、しかしながらきちんとアストンマーティンらしさを演出している。
●第3位 ベントレー「フライングスパー」
贅沢なことに、最初に試乗させてもらったのは後席だった。そしてクルマが動き出した瞬間、新型フライングスパーは、これまでの「ミュルザンヌ」の後継と評してもよいほどの魅力を持つモデルであることを確信した。
ステアリングを握っても、もちろんその印象は変わらなかった。
■前輪駆動のフェラーリは運転してみたい!
2020年はコロナ禍の影響もあり、スーパーカー業界もなにかとスケジュールが予定通りに進まなかった1年でもあった。まだ出口が見えない状況ではあるが、希望を込めて2021年に注目のスーパーカー・ベスト・スリーを紹介しよう。
●第1位 フェラーリ「SF90ストラダーレ/スパイダー」
フェラーリ初となるPHEV。V型8気筒ツインターボエンジンに3つの電気モーターを組み合わせ、エンジンだけでもその最高出力は769ps。
これにエレクトリック・モーターが最大で217psを負担し、このうち2つは前輪を負担する。つまりエレクトリック・モーターで走行している時はFWDとなるわけで、何かとメカニズム的には興味深い1台といえるだろう。
●第2位 ランボルギーニ「ウラカンSTO」
ボディパネルの75%以上はカーボン製。乾燥重量は1339kgと、あの「ウラカン・ペルフォルマンテ」より43kgも軽い、サーキット直送のオンロード版ウラカン。
これに「ウラカンEVO」や「スーパートロフェオ」と同じ640ps仕様のV型10気筒エンジンが搭載されるとなれば、やはり試さないわけにはいかないだろう。たぶんオンロードで全開できることなんてないと思うけどね。
●第3位 マクラーレン「エルバ・ロードスター」
マクラーレンの伝統、DNA、そして現在の彼らが持つ最新の技術。これらすべてを感じることができる1台。
このクルマのコックピットに座って、じっくりマクラーレン関連の書籍でも読んでみたい。
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スーパーカー大王という異名を持つ山崎元裕氏ならではの「2020/2021ベスト・スリー」いかがだったろうか。2021年も山崎氏にはさまざまなスーパーカー、ラグジュアリーカーに試乗してもらう予定なのでお楽しみに。