コロナ禍において、ランボルギーニの2020年世界販売台数は、前年比マイナス9%だった。2か月近い生産停止期間があったことを鑑みると、健闘した1年だったと評価できるだろう。そこで、ランボルギーニの2020年における主だった活動を紹介しよう。
■日本の販売台数は、世界で4位!
アウトモビリ・ランボルギーニが、2020年の世界販売台数を発表した。発表によると前年比9%マイナスの7430台であったが、これはコロナ禍において70日間の生産停止に起因しているようだ。
それとは対照的に下半期の6か月では、ランボルギーニ史上最高の半期販売台数を達成している。
●ドイツで売れ行き好調
マーケット別に販売台数を見てみると、トップから次のようになる。
・米国:2224台
・ドイツ:607台
・中国本土・香港・マカオ:604台
・日本:600台
・英国:517台
・イタリア:317台
もっとも顕著な伸びを見せたのは、前年比+75%の韓国で303台、その次が+8%のドイツであった。
モデル別の販売台数は以下のとおりだ。
・ウルス:4391台
・ウラカン:2193台
・アヴェンタドール:846台
2020年12月からCEOに復帰したステファン・ヴィンケルマン氏は、次のようにコメントしている。
「2020年の業績は、世界的に困難が続いた1年であったにもかかわらず、ランボルギーニの全社員が大変な尽力と不屈の精神で素晴らしい仕事を成し遂げたことを明確に物語っています。
私自身、再びランボルギーニの未来を担う一員になれたことを非常に光栄に思います。
昨年は社内に強い一体感を感じました。加えて、社会的責任と、常にランボルギーニを他とは一線を画す存在にしてきたイノベーション志向も強く感じました。これらが、モデルのラインナップの統合、新たな商機の開拓、さらなるブランド強化を目指し、2021年の厳しい状況に立ち向かっていく土台になるでしょう」
ヴィンケルマン氏の言葉を裏づけるように、すでに2021年の受注状況は、すでに生産計画の半数を超えているという。
■若者の支持を得ているランボルギーニ
ランボルギーニは、2020年を通してCSR(Corporate Social Responsibility)活動も展開している。CSR活動とは、企業が社会に対して責任を果たし、社会とともに発展していくための活動のことを意味している。
2020年にランボルギーニがおこなった重要なCSR活動を紹介しよう。
2020年の春の通常業務の停止期間中には、一部の部門を医療用マスクやフェイスシールドの生産に切り替え、ボローニャのサントルソラ病院に提供したほか、呼吸シミュレーターの共同開発と製造でシアレ・エンジニアリング・インターナショナル・グループに協力。
9月には、困難な時期に母国イタリアを支援すべく「With Italy for Italy」と題した文化芸術プロジェクトを立ち上げている。
この活動では、イタリアの現代写真家名を招き、イタリアの21の地域の美と個性をそれぞれに解釈して、ランボルギーニの過去と現在のモデルと共に写真に収めている。当初はソーシャルメディア上で展開、後にSkira社から写真集も出版されている。
最後に、12月に米国のシンガーソングライターのレディー・ガガと共にチャリティーを開催し、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行でとくに深刻な影響を受けているコミュニティを支援。
収益金はオンライン募金プラットフォームのOmazeを通じて、これらのコミュニティ支援に向け寄付される。チャリティーに参加したファンには、レディー・ガガの最新シングル『911』のミュージックビデオに登場する「ウラカンEVO RWD」が賞品として用意された。
●ランボのSNS戦略は成功
パンデミックによって各種デジタルチャネルの拡大が加速されるなか、ランボルギーニはソーシャルメディア戦略を強化し、2020年を通して着実に存在感を高めている。
もっとも成功を収めたのはInstagramで、わずか1年でフォロワー数を2300万人から2900万人まで伸ばし、Instagramにおけるスーパースポーツカー・ブランドの人気ランキングのトップに入った。
Facebookでのフォロワー数は1290万人、YouTubeのチャンネル登録者数も110万人から、現在では160万人にまで伸びている。
また、ジェネレーションZとミレニアル世代に人気のTikTokでは、ラグジュアリー・スーパースポーツカー部門で初めて公式アカウントを開設し、わずか2か月足らずで、フォロワー数は既に13万1000人を超える勢いである。