ロータスから、新シリーズのスポーツカー「Type 131」のプロトタイプ生産をヘセル工場でスタートすることが発表された。
■新たなるロータスがついに始動!
ロータスカーズは、2021年1月25日(英国時間)に、新シリーズのスポーツカー「Type 131」のプロトタイプの生産をヘセル工場にて2021年にスタートすると発表した。
新しい生産設備への投資はロータスの「Vision80ビジネスプラン」の一部であり、ふたつのロータス サブアッセンブリ施設を統合、効率性を考慮し、ノリッジ市の中央オペレーションに移転することにより、生産台数の増加をサポートすることが見込まれている。
また、ロータスカーズ本社のあるヘセル施設への1億ポンド以上(邦貨換算約140億円以上)の投資に伴い、ロータスは約250人の新しい従業員の採用を予定。これは、株主のGeely(吉利:ジーリー)とEtika(エティカ)がロータスの所有権を取得した2017年9月以降、ロータスに加わった670人にさらに追加の従業員となる。
新しい雇用は、ロータスカーズと世界的に有名なエンジニアリングコンサルタント部門であるロータスエンジニアリングの双方におけるエンジニアリングと製造における役割を担い、ロータスエンジニアリングは2021年後半に英国ウォーリック地方にAdvanced Technology Centreを開設する予定だ。
ロータスカーズのCEOであるフィル・ポップハムは次のようにコメントしている。
「ロータスにとって2021年はとても壮大な1年で、新しい車両は新しい施設よりデリバリーされ、よりレベルの高い品質と効率で車両の生産がおこなわれます。
世界は厳しい状況ではありますが、ロータスは、Vision80ビジネスプランの実現に向けて順調に進んでいます。そして、Vision80ビジネスプランが示すように、ロータスの未来は継続的な革新に満ちています。
そして、2021年はクルマのデザインとテクノロジーに大きなインパクトを残し、自動車業界に革命をもたらしたエリーゼをはじめとする現行モデルのレガシーも常に振り返ります」
また、ロータスカーズのエンジニアリング担当エグゼクティブディレクターであるマット・ウィンドルも次のようにコメントしている。
「新車に取り組んでいるエンジニア、デザイナー、技術者の有名なチームは、常にエリーゼ、エキシージ、エヴォーラの能力や特徴、技術の素晴らしさを考えています。
私たちのチームのメンバーは、新旧を問わず、今まで培ったノウハウと今後の革新を融合することに全力を注いでいます。今後生産される新たなクルマが将来をリードする存在となり、ロータスの価値観にしっかりと取り組んでいることを保証します」
■ロータスの歴史を彩ったクルマたち
新たなロータスの幕開けを象徴するType 131の生産に伴い、「エリーゼ」、「エキシージ」、「エヴォーラ」は2021年についに生産終了となる。そこで、これまでのモデルの歴史を簡単に振り返ってみよう。
まず、1995年に発表されたエリーゼは、当時一大センセーションを巻き起こした。押し出し成型で生産され接着結合されたアルミニウムフレーム、ハイテクコンポジット、軽量化ノウハウの先駆的な使用により、少量販売のスポーツカー業界に革命をもたらしたからである。
このエリーゼで開拓された技術を用いて、2000年に発売されたエキシージはすぐに「公道を走るレースカー」の代名詞にまで登り詰める。
エキシージは、ロータスに期待される安全性と進歩性を備えながら、もっとも条件の厳しいサーキットでの高い運動性能を実現しつつ、公道においてもドライバーにエキサイティングな走りを提供する能力を示した。
エヴォーラは、収益性の高いスーパースポーツカーとしてロータスを導き、同業他社よりもドライバー重視で多用途のロードカーとして認められるに至っている。モータースポーツでも、エヴォーラは世界中のナショナルGTチャンピオンシップで優勝し、ルマンで表彰台を獲得するほどのレガシーを得たモデルだ。
新たなロータスのモデルは、こうした近年の歴代モデルで培ってきた能力やテクノロジーを取り入れつつ、ロータスが最優先に掲げている「For The Drivers」を具現化したモデルとなるだろう。Type 131の続報が待たれる。